「Cook Do」極シリーズ売上好調　「ジョブチューン」が誕生のきっかけ　開発“裏”の勇気

　味の素（東京都中央区）の中華合わせ調味料「Cook Do」極（プレミアム）シリーズ（以下、「Cook Do」極シリーズ）の新商品「極 麻辣回鍋肉用」が2025年2月2日に発売されてから約4週間（3月3日時点）で累計食数100万食、さらに「極 香辣麻婆茄子用」が発売（同日）から約5週間（3月6時点）で累計食数100万食を突破しました。

　両商品は、同社調べによると、2018年秋季以降の過去6年間で「Cook Do」新品種の中でナンバーワンを記録。2023年8月に発売され、累計食数1000万食を突破した「極 麻辣麻婆豆腐用」を含む極シリーズが、日本の家庭の食卓を楽しませています。「Cook Do」シリーズのコンセプトだった「家族みんなで食べられる本格中華」から、極シリーズで「食卓に感動を届けることを追求」へとシフト変更したきっかけや、売り上げ好調の要因などについて、味の素・食品事業本部の浅生博信さんに聞きました。

キーワードは“リミッター解除”

Q.「Cook Do」極シリーズの3商品の売上げが好調になっている要因はどういったところだと思いますか。

浅生さん「社会背景としてコロナ禍や物価高騰などのニュースが続いていること、また日々の食事においては、短時間に調理、食事を済ませる“食のスマート化”が進行する中で、たまには刺激が欲しい、日々を楽しみたいということで本場さながらの外食やプレミアムな食品が伸長しています。

『ガチ中華』を始めとしたガチグルメ、高級スイーツなどはその一例と捉えています。そんな中で『Cook Do』極（プレミアム）シリーズは、家庭で材料費も込みで1000円以内で手軽に楽しめる刺激として、若年層を中心に受け入れられていると実感しています」

Q.「Cook Do」極シリーズ3商品のユーザーからはどんな反響が届いていますか？

浅生さん「SNSの投稿で『家庭で手軽に楽しめるグルメのダントツNo.1』『このクオリティーがこの値段で楽しめるのは革命的』『もうこれ無しではやっていけない体になってしまった』などの驚き、感動の声を拝見します。

『Cook Do』極シリーズは、開発担当の私自身も、発売前の試作段階においても毎回食べるのにワクワクしてしまったほど、自信のある仕上がりです。この感動が、まだ発売から長く時間がたたない中で、多くの生活者の方々と共有できていることに強い喜びを感じています」

Q.「Cook Do」シリーズのコンセプトだった「家族みんなで食べられる本格中華」から、極シリーズで「食卓に感動を届けることを追求」へとしたきっかけは？

浅生さん「きっかけは、先ほどの回答と一部、重なりますが、社会背景として物価高騰などが続いていること、また日々の食事で“食のスマート化”が進行する環境下で、プレミアム市場が活況なことを捉えていたことです。そんな中、2022年12月に、バラエティー番組『ジョブチューン』（TBS系）の人気企画『超一流中華料理人ジャッジ』に参戦した際、『Cook Do』はもっと突き抜けた品質が作れるのではないかとシェフからの指摘をいただきました。我々自身も『Cook Do』は“家族みんながおいしい”というコンセプトから逸脱しないという暗黙のリミッターをかけており、ハッとした瞬間でした。『家族みんなで食べられる本格中華』は今後も大事な価値であり、引き続き強化していく一方で、変化する環境下での新しいニーズに応えるべく、新ブランドとして「Cook Do」極シリーズにチャレンジするに至りました。

『食卓における感動』とコンセプトに掲げていますが、この感動というのは、日常に喫食している味わいから離れた魅力ある味わい・香り・食感から来る刺激的なおいしさにより、“心が動くということ“だと考えています。“スマート化”する食事の中でも、いつもと違う刺激的なおいしさが心に刻みこまれ、『また食べたい！』と思っていただける品質を目指しています」

Q.感動を届けるために、コンセプトや開発段階などで最も苦労した点はどのようなことだったのでしょうか。

浅生さん「やはり、品質作りには最も苦労しました。長年『家族みんなで食べられる本格中華』を作り続けてきた我々にとって、大人が驚き、感動する品質を作り、それを世の中に出していくということは勇気のいる取り組みでした。

それ故に、“リミッター解除”をキーワードに、普段ではやりすぎなレベルでの原料を投入したり、品質を試作してみたり、試食の際にも、敢えて突き抜け過ぎる印象ある案を候補として残していきました。そして、本格的な味わいが大好きな大人も驚き、感動する『Cook Do』極シリーズを世の中に出すことができました」

Q.「Cook Do」極シリーズの新商品の構想がありましたら教えてください。

浅生さん「2025年春季に『Cook Do』極シリーズが3品となり、多くの方々から日常の楽しみができたという大変うれしい声をいただいています。その声に応えていくためにも、新しい品種を検討していきたいと考えています！」

オトナンサー編集部

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