交通容量7割オーバーの国道「狭すぎる府県境」拡幅どこまで進んだ? 「4+2+2車線」が合流して“2車線だけ” 国道165号
- 乗りものニュース |

そりゃ詰まるわ!な国道165号を改良へ
国土交通省 近畿地方整備局は2025年12月、国道165号「香芝柏原改良」について関係者間で事業の進捗などを共有しました。
国道165号香芝柏原区間の奈良県側、穴虫交差点付近の混雑状況(画像:近畿地方整備局)
国道165号は大阪市から奈良県内を経て三重県津市を東西に結ぶ幹線道路です。近鉄大阪線に沿う大阪・奈良府県境部の穴虫峠付近2.8kmの拡幅事業が、「香芝柏原改良」です。
奈良県側は、国道165号(2車線)、同「大和高田バイパス」(2車線)、さらに奈良の平野部を貫く高規格バイパスの「中和幹線」(4車線)が穴虫付近で合流し、府県境の2車線の山道に突入する形となっています。3路線合流部で慢性的な混雑が発生しているほか、見通しの悪い急カーブや急勾配が連続しており、交通事故の危険性が高い区間でもあります。
大阪側には西名阪道の柏原ICがあり、この区間は現状の交通容量を約7割もオーバーしています。このため穴虫から柏原ICまで4車線化と線形改良を行うことで、抜本的な交通容量を増やします。
事業は2011(平成23)年度に始まり、2025年3月末時点で用地取得率は面積ベースで約90%に達しています。ただ、事業費は当初の110億円から178億円へと、約1.6倍に増額される見通しとなりました。資機材費および労務費の高騰や、地質調査の結果を踏まえた橋梁基礎構造の変更などが生じたためです。
このため、事業進捗率は執行済みの事業費ベースで約32%となっています。現在は用地取得とともに調査・設計、埋蔵文化財調査などを推進している段階です。
対象区間は国道と河川、鉄道が非常に近接しており、関係者間の協議などに時間を要したといいます。しかし、「現在大きな課題は無し」とのこと。工事はこれから本格化すると見られます。
なお、香芝市は国道の改良に合わせて、「自然とのふれあいや地域交流の核となる拠点施設」として、防災機能を備えた香芝総合公園の整備を推進するといいます。国道は改良により連続雨量が200mmを超えると通行止めになる事前通行規制区間が解消され、緊急輸送路としての信頼性も向上するとされています。
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