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地元住民も知らない? 都心にポツンと米爆撃機の残骸 「もっとPRすれば良いのに」

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  • 乗りものニュース
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太平洋戦争末期に東京に襲来したB-29爆撃機のタイヤが都心の住宅地の一角に残されています。博物館などに収蔵されることなく誰でも見られる状態で置いてあるものの、その存在はほとんど知られていないとか。現地で取材してきました。

トラクターのタイヤにしか見えない、けど実は戦争遺構

 2024年8月15日は、日本とアメリカが戦った太平洋戦争の終戦から79周年にあたります。この戦争では日本本土も戦禍に巻き込まれましたが、戦後復興と高度経済成長などを経たことによって、街中では戦争の痕跡をほとんど見ることがなくなりました。

 しかし、それでもなお太平洋戦争当時の様子をうかがい知れる戦跡はいくつか残っており、東京23区内でも見つけることが可能です。

 そのひとつが、東京都足立区入谷5丁目にある古タイヤです。それは、住宅の合間に設けられた小さな農地の隅にひっそりと置かれていますが、自動車用にしては巨大なため、一見すると農作業で使うトラクターのタイヤのようにも思えるかもしれません。

 しかし、このタイヤはなんと太平洋戦争中に東京上空で撃墜されたアメリカ製B-29戦略爆撃機のものなのです。

Large 220815 b29 01「超空の要塞」と呼ばれたアメリカの長距離戦略爆撃機B-29。最高速度は640km/h以上、航続距離は6400km、爆弾は最大9t搭載可能で、搭乗員は11名であった(画像:アメリカ空軍)。。

 B-29は1942(昭和17)年に初飛行した4発エンジンの大型爆撃機です。長距離飛行能力や爆弾搭載量に優れており、さらに機内には与圧機構を装備するなど、当時としては革新的な性能を持つ機体でした。同機は、太平洋戦争後半に日本本土へと襲来するようになり各地を空襲。さらには広島と長崎への人類初の実戦での原爆投下にも用いられたことから、日本では戦争の「負の象徴」と言った感じが強く、あまり好意的に思われていません。

 足立区教育委員会が発行した『足立風土記稿 地区編4・舎人』によれば、このタイヤを装備していたB-29爆撃機は、1945(昭和20)年5月26日に撃墜された44-69728号機のものだとか。当日は約500機ものB-29が参加した東京爆撃(いわゆる東京大空襲)が行われており、都内ではその日だけで3651名の死者と1万7899名の負傷者に16万戸の家屋が全半壊するという甚大な被害を出しています。

 ただ、日本側の応戦によってアメリカ側も26機のB-29を喪失したとのこと。このタイヤを装備していた44-69728号機もその中の1機になります。

地元住民すら知らないなんて

 機体は現在の入谷6丁目にあるトラックターミナル付近に墜落したそうです。

 当時の目撃者の証言によると「旋回して落ちてくると、だんだん翼が見えてきて、あの時の熱気はすごかった」(『足立風土記稿 地区編4・舎人』より)とのことで、翼長約43mの巨大爆撃機が墜落する光景は凄まじかったといえるでしょう。

 このタイヤは墜落現場から持ち出されたもので、現在置かれている場所は墜落地点とは異なります。タイヤは直径1.5mほどもある大きいもので、農地の隅に置かれているため、公道からもその形をよく見ることができます。ただ、長期間置かれているようで、表面は劣化し下の方は地面に埋もれているような状態になっていました。

Large 220815 b29 02東京都足立区5丁目にあるB-29のタイヤが置かれた農地。中央の柵の向こう側にある赤い矢印で指したものが、太平洋戦争中の1945年に撃墜されたB-29のタイヤ(布留川 司撮影)。

 このタイヤの存在はSNSなどで以前から話題になっており、インターネット界隈ではちょっとした有名な存在です。しかし、現地には案内板などないため、地元在住であってもタイヤの正体を知る人は少ないようです。

 筆者(布留川 司:ルポライター・カメラマン)が取材で現地を訪れた際、タイヤを見ていた家族がいたのでハナシを聞いてみたのですが、その認識は世代ごとで異なるようです。

 日頃からインターネットをやっている息子さんはこのタイヤがB-29のものであることを知っていましたが、その親御さんはこの地に数十年以上住んでいるにもかかわらず「大きなタイヤがここの畑に置いてあるのは以前から知っていたが、それが爆撃機のものだとは知らなかった」とのことでした。

足立区内に意外と残る戦争遺構

 太平洋戦争中、足立区内には高射砲陣地が8か所と照空灯陣地(夜間に飛来する敵機をサーチライトで照らす陣地)が3か所あり、区内に墜落したB-29は44-69728号機以外にも全部で3機もあったそうです。

 区内には現在も当時の戦禍を今に伝える石碑や遺構が今も残っています。東京大空襲で多くの地域が焼失した足立区千住の源長寺には、空襲によって炭化したケヤキの切り株が、同じ千住の千住神社には半地下式の防空壕が、2024年現在もそれぞれ残っています。

 また、44-69728号機の残骸については、このタイヤ以外にもプロペラの一部が現場から持ち出されており、そちらは現在、足立区立郷土博物館に収蔵され展示されています(同館は2024年8月現在、改装工事のため閉館中)。

 太平洋戦争終戦から79年も経ったことで、当時の戦禍を体験した人々も少なくなっています。そのようななか、戦争の記憶を後世に残すためには、このような戦争の記録や当時が伺え知れる遺構・遺物の存在がますます重要になるのではないかと、現地を訪れて改めて実感しました。

※一部修正しました(8月17日21時15分)。

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