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サイレントキラー「膵臓がん」は早期発見できる? 精密検査を受けるべき人の“特徴”とは【専門医が解説】

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膵臓がんは早期発見できる?(画像はイメージ)
膵臓がんは早期発見できる?(画像はイメージ)

 初期症状が出にくいがんの一つが膵臓(すいぞう)がんです。SNS上では「膵臓がんは早期発見が難しい」「膵臓がんはサイレントキラー」「(膵臓は)沈黙の臓器」という内容の声が上がっていますが、できるだけ早い段階で膵臓がんを見つけることは可能なのでしょうか。膵臓がんの検査方法や、早めに精密検査を受けた方がよい人の特徴などについて、池袋ふくろう消化器内科・内視鏡クリニック東京豊島院(東京都豊島区)院長で、消化器病専門医、総合内科専門医の柏木宏幸さんに聞きました。

膵臓がんは胃炎や胆石症状と勘違いされるケースも

Q.膵臓がんになった場合、どのような症状が出ることが多いのでしょうか。初期症状が出にくいといわれることがありますが、本当なのでしょうか。

柏木さん「はい、膵臓がんは『沈黙のがん』と呼ばれており、初期症状が出にくいというのが大きな特徴です。そのため、発見が遅れてしまったり、進行してしまったりすると治療が難しくなってしまうため、注意が必要です。また、症状が出たとしても胃炎や胆石症状などとも似ていることが多く、見過ごされやすい傾向にあります。症状が出る場合には、次のようなものが多いですが、これらはがんが進行してから現れることがほとんどです」

【膵臓がんの進行時に出る症状】
・みぞおち、背中の痛み

膵臓は上腹部の奥深くに位置しており、がんが大きくなると、みぞおちから背中にかけての鈍い痛みや、特定の姿勢で強い痛みを感じることがあります。これは、がんが周囲の神経に浸潤している場合に起こりやすいです。

・黄疸(おうだん)
がんが膵臓の頭側(胆管との合流部付近)にできた場合に、胆管を圧迫、閉塞(へいそく)することがあります。その結果、胆汁の流れが悪くなり、皮膚や眼球の白い部分が黄色くなる黄疸が現れます。この場合、尿の色が濃くなり、便の色が薄くなることもあります。

・体重減少
特に理由もなく急激に体重が減ることがあります。これは、がんによる代謝異常や消化吸収不良、食欲不振などが原因です。

・食欲不振、全身倦怠(けんたい)感
食欲が低下したり、だるさや疲れやすさを感じたりすることがあります。

・糖尿病の悪化、突然の発症
既存の糖尿病が悪化したり、特に生活習慣の変更がないのに突然糖尿病を発症したりすることがあります。これは、膵臓のインスリン分泌細胞ががんで障害され、インスリンが分泌されなくなるためです。

・便の異常
膵臓から分泌される消化酵素が不足することで、脂肪便(白っぽくベタベタした便)が出ることがあります。

・吐き気や嘔吐(おうと)、腹部膨満
がんが十二指腸を圧迫すると、食事の通りが悪くなることがあります。そのため、吐き気や嘔吐を催すことがあります。

Q.膵臓がんをできるだけ早く見つけるには、どうすればよいのでしょうか。例えば、一般的な健康診断で膵臓がんを見つけることは可能なのでしょうか。

柏木さん「結論から言うと、一般的な健康診断で膵臓がんを早期に発見することは非常に難しいです。一般的な健康診断に含まれる採血項目や胸部X線などの画像検査では、膵臓がんを発見することはできません。腫瘍マーカー(CEA、CA19-9)も、早期の膵臓がんでは正常値のことも多いため、有用ではありません。

腹部超音波検査がオプションの検査で選択されている場合、唯一発見できる可能性がありますが、膵臓は胃や腸のガスに隠れやすく、診断することも困難です。腹部CT検査でも小さな病変を見つけるのは困難です。膵臓がんをできるだけ早く見つけるためには、次の点が重要になります」

■リスク要因がある人は精密検査を受ける
(膵臓がんのリスク要因)

・膵臓がんの家族歴がある人
・糖尿病の新規発症や急激な悪化が見られた人
・慢性膵炎の既往がある人
・膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)を有する人
・喫煙者や普段から大量のお酒を飲む人
・突然の体重減少や原因不明の背部痛など、膵臓がんが疑われる症状がある人

これらのリスク要因を持つ人は、積極的に精密検査を受けることが推奨されます。

■膵臓がんの精密検査の種類
・腹部超音波検査(腹部エコー)

比較的簡便で体への負担が少ない検査ですが、膵臓はおなかの奥にあり、腸管ガスの影響を受けやすいため、病変が見えにくいことがあります。

・MRI(磁気共鳴画像法)/MRCP(磁気共鳴胆管膵管造影)
膵臓や胆管の病変を詳しく調べることができます。放射線被ばくがなく、比較的感度が高い検査です。精密検査で使用される検査であるため、膵臓の病気が疑われた場合や膵臓ドックで使用される検査となります。

・CT検査
造影剤を用いることで、膵臓の腫瘍の有無や大きさ、周囲への広がりなどを詳細に評価できるため、膵臓がんを疑った場合の精密検査で行われる検査となります。造影剤を使用しない場合は早期発見が難しくなります。

・EUS(超音波内視鏡検査)
胃カメラと同じような方法で、胃や十二指腸の中から超音波プローブを挿入し、膵臓を直接観察する検査です。体の外からの超音波検査では見えにくい小さな病変も高い精度で検出でき、組織を採取することも可能です。膵臓がんの早期発見において最も有用な検査の一つとされています。検査を行える施設が限られているため、検査可能な医療機関を受診するか、医師に相談するのをお勧めします。

・血液検査(腫瘍マーカー)
「CA19-9」「CEA」などが膵臓がんの腫瘍マーカーとして知られていますが、これらはがんが進行してから上昇することが多く、また、膵臓以外の病気でも上昇することがあるため、これだけで早期診断はできません。あくまで補助的な指標として用いられます。

■定期的な経過観察
先述のリスク要因を持つ人、特に家族歴がある人や遺伝性膵炎の人は、症状がなくても、MRI、CT、EUSなどの定期的な画像検査による経過観察が推奨されることがあります。専門医と相談し、適切な検査頻度を決めることが重要です。

残念ながら、現時点ではすべての人を対象とした有効な膵臓がんのスクリーニング検査は確立されていません。そのため、自身の健康状態に意識を向け、リスクがある人や体に異常を感じた人はすぐに専門医を受診するのが最も重要です。

オトナンサー編集部

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