神木隆之介、成田凌、染谷将太…細田守アニメで役者が“声優”として映える理由
- オトナンサー |

細田守監督のアニメ映画「竜とそばかすの姫」が公開中です。観客動員ランキングでは公開から3週連続で首位になり、今もヒットを続けています。
主人公の声を担当したのはミュージシャン・中村佳穂さん。他に佐藤健さん、成田凌さん、染谷将太さん、玉城ティナさん、幾田りらさんらがメインキャストに名を連ねています。この6人は皆、本業が声優ではない人たちです。
実はこれ、細田アニメの特徴でもあります。宮崎駿監督や新海誠監督の作品にも見られる特徴ですが、細田アニメではひときわ、本業が声優ではない人たちの重用が目立つのです。
欠かせない実写での演技力
過去の主演者を見ても、2006年の「時をかける少女」では仲里依紗さん、「サマーウォーズ」では神木隆之介さん、スタジオ地図設立後の第1作「おおかみこどもの雨と雪」では宮崎あおいさん、「バケモノの子」では役所広司さん、「未来のミライ」では上白石萌歌さんと、本業が役者の人たちを起用してきました。
そんな細田アニメに今回、初めて参加したのが成田さん。パンフレットでは「サマーウォーズ」について、「何回も見ていて、健二の『よろしくお願いしまぁぁぁすっ!!』のせりふを友達と何回言ったか(笑)」と明かしています。
また、「監督と雑談しているときに(健二役の)神木隆之介くんの当時の話をしていただいたりして、歴史を感じました」とも。さらに、細田アニメについて、「自分にとって見ていて当たり前、義務教育のようなものだった」として、「参加することができてうれしかったです」と語っています。
このうれしさは、細田アニメの世界を名だたる役者たちが盛り上げてきた「歴史」を知るからこそでもあるのでしょう。
ではなぜ、そんな「歴史」が生まれたのでしょうか。最近出版された「細田守とスタジオ地図の10年」(キネマ旬報社)の中に手掛かりがあります。今回が細田アニメ3作目となる染谷さんのインタビューです。
染谷さんはその中で「このまま実写が撮れそうな台本」という表現をしています。「監督の映画マニアらしさを感じると言いますか、カメラワークだったり人物の動きだったり、実写の台本でいうト書きがものすごく豊かに書かれている」ため、「本当にそこに空間があり、人が動いている感触がある」のだそうです。
これに関しては、細田アニメ初参加となった佐藤さんも似た指摘をしています。同書のインタビューで「カット割りなども実写作品に近く、ちゃんとキャラクターの演技や表情を撮ろうという演出」だと評しています。
こうした傾向には、染谷さんの言う「監督の映画マニアらしさ」が大いに関係しているのでしょう。古今東西のさまざまな映画を見てきて、そこから得た着想を自在、かつ柔軟に生かしてきた細田監督には、アニメも実写も映画であることに変わりはないという姿勢が見てとれます。
だからこそ、アニメにも実写のような「空間」や「人が動いている感触」を求めるのでしょうし、そのためには、実写での演技力を持つ役者が欠かせないのだと思われます。
子役出身者は声優向き?
しかし、同書のインタビューで成田さんは「声優の仕事は全く別もの」だと言っています。実際、全身を使って演技をするのと、声だけで演技をするのとでは勝手が違うようで、苦労も明かしています。
ただ、その苦労が役者としての幅を広げることにもつながるわけです。今年、それを実感させてくれたのが1月期のドラマ「おじさまと猫」(テレビ東京系)での神木さんでした。
これは、草刈正雄さん扮(ふん)する孤独なピアニストと、ペットショップで売れ残っていた猫・ふくまるの交流を温かく描いた実写もの。ただし、猫は本物ではなくパペットでの登場です。その声を神木さんがやっていました。
飼い主を「パパさん」と呼んで慕うその声だけの芝居は時に切なく、時にコミカルで、さすがとうならされたものです。というのも、神木さんは細田アニメだけでなく、宮崎アニメや新海アニメでも活躍してきた希少な「役者声優」なのですから。
そういえば、神木さんや染谷さんは子役出身。声優もこなす役者には子役出身の人が多い印象です。その理由の一つとして、子役時代にハキハキとした演技を要求されることが挙げられます。そのスキルを身に付けていることで、聞き取りやすさが大事な声優の仕事にも適応しやすいわけです。
そこで、注目したいのが福原遥さんです。ブレーク作となった子ども番組「クッキンアイドル アイ!マイ!まいん!」(NHK・Eテレ)では10歳にして、アニメパートと実写パートの両方をこなし、その後も「プリキュア」シリーズ(テレビ朝日系)のようなアニメや「ゆるキャン△」シリーズ(テレビ東京系)のような実写もので活躍。まさに、2次元と3次元を自由に行き来しています。細田アニメは未参加ですが、ぜひ、出演を期待したい一人です。
別々の世界の混在を好む「細田アニメ」
ところで、2次元と3次元というパラレルワールド的な切り口は細田アニメの特色の一つだったりもします。また、今回の「竜とそばかすの姫」は「サマーウォーズ」同様、ネット世界と現実世界の交錯がテーマ。いわば、別々の世界の混在を好むところが、声優だけでなく、役者やミュージシャンをどんどん起用する姿勢にもつながるのでしょう。
前出の本のインタビューでは、玉城さんがこんな発言をしています。「細田監督はいろんな人が作品に関わることで思いも寄らないことが起きるのを楽しみにしているのかな」と。また、彼女は「夏=細田監督のアニメ」というイメージがあるとして、今回は声優初挑戦を目指し、「ワクワクしながら、オーディションを受けました」と振り返っています。最近の流行語でいえば「真夏の大冒険」といったところでしょうか。
役者たちにとっても、声優の仕事はちょっとした冒険なのでしょう。起用する監督にとっても、またしかり。細田アニメで役者の声優ぶりが映えるのは何より、そんな冒険心が生き生きと伝わってくるからかもしれません。
作家・芸能評論家 宝泉薫
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