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日本の“現役”護衛艦「海外へ輸出」なるか!? ベテラン艦に白羽の矢 すかさず横やりを入れる中国

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  • 乗りものニュース
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日本とフィリピンが海上自衛隊の護衛艦輸出に向けた協議を開始したと報じられています。しかも新造艦ではなく“中古艦”の輸出。そこに懸念を示しているのが中国です。

現役艦の輸出? フィリピンとの交渉

 2025年7月6日付の読売新聞など複数の国内外のメディアが、日本とフィリピンの両政府間で海上自衛隊の運用している護衛艦の輸出に向けた話し合いが行われていると報じました。

Large figure1 gallery7あぶくま型護衛艦「あぶくま」(画像:海上自衛隊)

 日本政府と産業界は現在、オーストラリアに対して、もがみ型護衛艦の拡大発展型「令和6年度護衛艦」をベースとする水上戦闘艦「FFM AAW」を提案しており、インドネシアに対しても、もがみ型護衛艦をベースとする水上戦闘艦の共同開発を提案しています。

 オーストラリア、インドネシア両国に対する提案は、まだ実物が存在していない新造艦ですが、読売新聞などの報道によれば、フィリピンとの間の話し合いは、2025年7月現在も海上自衛隊で運用されているあぶくま型護衛艦を対象としているようです。

 あぶくま型は1989(昭和64/平成元)年から1991(平成3)年にかけて6隻が就役した護衛艦です。本土の防空圏内での運用を想定しており艦対空ミサイルは装備しておらず、基準排水量2000トンと小型なため、ヘリコプターを運用する飛行甲板も備えていませんが、対艦ミサイル「ハープーン」や対潜水艦ミサイル「アスロック」を装備しています。

 現代の水上戦闘艦は運用寿命が長くなる傾向にあり、艦齢36~34年のあぶくま型も、対艦・対潜任務にはまだまだ使いどころがあります。ただ、日本が人的資源に困窮していなかった1980年代に開発されたため、運用には120名の乗員を必要とします。このため、平時には90名の乗員で運用できるもがみ型の整備に伴い、順次退役が予定されています。

“仮想敵”が変化したフィリピン

 フィリピンは冷戦が終結した1990年代から2010年代ごろまで、同国の安全保障上の最大の脅威であったイスラム原理主義武装勢力や共産主義を奉じるゲリラとの戦いに最適化する形で、国防力の整備を進めてきました。

 しかし2010年代に入って、力による現状の変更をいとわない中国の海洋進出が活発化したことにより、中国との領土係争が発生。これ以降、イスラム原理主義勢力などとの戦いでは優先度が低かった海軍力の整備を進めており、現在のマルコス政権は「CADC」(包括的群島防衛構想)と呼ばれる方針に基づいた国防力の整備を推進しています。

是が非でも、早く海軍力が欲しい!

 フィリピンは大小7000以上の島で構成される群島国家です。CADCはその島嶼を敵性勢力に占領されることを防ぐという国防構想で、これを実現するためには、敵性勢力の輸送船や揚陸艦などを洋上で撃破する必要があります。

Large figure2 gallery8フィリピン海軍のデル・ピラール級哨戒艦「アンドレス・ボニファシオ」。ホセ・リサール級より大型だが、アメリカ沿岸警備隊の巡視船(カッター)を再就役させた艦のため、ミサイルやアスロックは装備していない(竹内 修撮影)

 しかし現状のフィリピン海軍には2016年から2隻を導入したホセ・リサール級フリゲートしかCADCの実現に使用できそうな水上戦闘艦はありません。フィリピン海軍は2025年5月にホセ・リサール級(満載排水量2600トン)より大型(同3200トン)で兵装も充実しているミゲル・マルバー級フリゲートを就役させていますが、財政上の理由から同級の2番艦の建造は目途が立っておらず、CADCを実現するにはほど遠い戦力です。

 こうした事情から、間もなく海上自衛隊でお役御免になるあぶくま型に白羽の矢が立ったのだと筆者(竹内 修:軍事ジャーナリスト)は思います。

冷戦後の欧州と似た構図? 中国の懸念

 冷戦終結後に統一を果たしたドイツは、東ドイツ軍が保有していたMiG-29戦闘機や、西ドイツ陸軍が予備保管していたレオパルト2戦車などを、ポーランドに安価で売却して同国の防衛力を強化することで、ドイツにとって最大の安全保障上の最大の脅威であるロシアに対する防衛力を間接的に強化しています。ドイツのポーランドへの兵器輸出は、当時ロシアの神経を尖らせたと伝えられています。

 今回のあぶくま型護衛艦のフィリピンへの輸出は、国外メディアでも報じられており、中国国防部の報道官は2025年7月14日の会見でこの報道について「(日本の)武器輸出はアジア太平洋地域に不安定要素を作っている」と述べて批判しています。今回の中国国防部の反応は、冷戦後のドイツに対するロシアのそれに近いのではないかと思います。

 ただ現状、日本は防衛装備移転三原則に基づき、護衛艦をそのまま輸出するのは困難な状況にあります。フィリピン海軍の要求に応じた改造作業を名目上、共同開発にする必要がありますし、搭載するハープーンやアスロックを開発したアメリカの承認も得なければなりません。

 このようにあぶくま型をフィリピンへ輸出することは簡単ではないのですが、自衛隊と日米同盟だけでは日本の安全保障を成立させることが困難になりつつある中で、フィリピンの防衛力強化に協力して、間接的に日本の安全保障をより盤石にする可能性のあるあぶくま型護衛艦の輸出は、やってみる価値のあることだと筆者は思います。

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