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JALが「北米への新路線」検討中! トランプ・ショックなのに拡大に踏み切るワケ 行先はどこだ!?

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  • 乗りものニュース
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「北米で新しい就航を検討」と幹部

 JAL(日本航空)および同じ航空連合「ワンワールド」に加盟するアメリカ航空大手、アメリカン航空は2025年12月2日、旅行会社関係者らを招いて東京都内で「太平洋線共同事業(PJB)感謝の夕べ」を開催しました。挨拶したJALソリューション営業本部旅客販売推進部の村上康一郎部長は「近いうちにまた北米でどこか新しい就航を今検討しているところでございます」と明らかにしました。

Large figure1 gallery16羽田空港に駐機中のJALボーイング787(大塚圭一郎撮影)

 勤務先でJALの2010年の経営破綻と再建を追いかけ、ニューヨーク、ワシントン両支局の駐在中も取材した筆者(大塚圭一郎:共同通信社経済部次長)は就航先の候補地をJALの複数の関係者に尋ねました。すると、アメリカへの路線拡大を2026年度以降の次期中期経営計画に盛り込む方針なのが判明し、就航先の候補になり得る複数の都市名が浮上しました。

 JALとアメリカンの両社は日本と北米を結ぶ太平洋線で独占禁止法違反の適用除外を受けてPJBを2011年4月に始めました。両社の旅客便のダイヤと運賃を調整して一体的に運航する仕組みで、両社は「旅行会社や法人顧客に向けてシームレスな営業体制を構築している」と意義を強調します。

 両社の日米間を結ぶ路線を利用すれば「アメリカンのハブ(拠点)空港となっている南部テキサス州ダラス・フォートワース、(アメリカ最大都市の)東部ニューヨーク、西部カリフォルニア州ロサンゼルス、中西部イリノイ州シカゴなどの主要都市に加え、(アメリカンの拠点空港を発着する路線への乗り継ぎによって)中南米やカリブ諸国など200都市以上へスムーズにお乗り継ぎいただけます」とアピールしました。

 PJBの対象路線も広がっており、アメリカンが2024年6月に羽田空港とニューヨークのジョン・F・ケネディ国際空港を結ぶ路線、JALが2025年5月に成田空港とシカゴのオヘア国際空港をつなぐ路線をそれぞれ開設しました。JALの次の一手はどの都市なのでしょうか。

トランプ・ショックでもなんと!

「アメリカ第一主義」を掲げて排外主義的な政策を進めるアメリカのドナルド・トランプ大統領(共和党)は2025年1月の復帰以来、日本を含めた外国からの輸入品への関税引き上げを表明して金融市場をトランプ・ショックに陥れたり、民主党の票田となっているロサンゼルスと首都ワシントンに州兵を送り込んだり、野党民主党との対立によって過去最長の43日間に及んだ政府機関閉鎖の引き金を引いたりと「混乱に次ぐ混乱」(アメリカ人経営者)をもたらしてきました。

Large figure2 gallery17挨拶をするJALソリューション営業本部旅客販売推進部の村上康一郎部長(大塚圭一郎撮影)

 ところが、JAL関係者は筆者に対して「日米間の路線は企業の出張やアジアとの乗り継ぎ需要、アメリカからのインバウンド(訪日客)の利用が好調で、(収益性が高い)ビジネスクラスから先に埋まる」と明かしました。

 アメリカン幹部も「カナダやヨーロッパにはトランプ氏の復帰後に反米の機運が高まって国際線の利用が打撃を受けているが、日本や中国を含めたアジアの利用者には大きな影響が見られず、政治とは切り離して行動しているようだ」と説明しました。

 このため、JAL関係者は「新たな路線の就航先はアメリカを検討しており、東京(成田または羽田)と結ぶことになるだろう」と説明しました。

「よく名前が挙がる」都市とは

 筆者がJALの関係筋に当たったところ、具体的な区間は現段階で決定していないということでした。大手航空会社(レガシーキャリアー)が路線開設で重視しがちなのがビジネス利用ですが、ビジネスで大きな需要があるアメリカの都市は日本路線が相当網羅されています。いわば「ジグソーパズルの残されたピース」のような重要都市がほぼ見当たらないのです。

 ただ、複数の関係者が「就航先を検討する際によく名前が挙がる」と証言したのは西部アリゾナ州フェニックス、東部ペンシルベニア州フィラデルフィア、南部ノースカロライナ州シャーロットです。

 これら3都市には共通点があり、いずれもアメリカンのハブ空港です。うちシャーロットは経済と観光の両面でパンチ力不足で、かつ日本からの乗り継ぎ空港にはあまり適していない東部にあるため、日本からの直行便が就航する可能性は低いとみられます。

 ただし、状況次第では実現していたかもしれません。というのも、トヨタ自動車が2010年代にカリフォルニア州トーランスやニューヨークなどに分散していた北米の拠点機能の集約・移転を検討した際、「候補地として最後の方まで残っていた」(トヨタ関係者)からです。

最も可能性が高い都市はココだ!

 トヨタが移転先に選び、2017年に北米本社を開設したのはテキサス州プレイノでした。アメリカの東海岸と西海岸の間にある位置や、企業立地に有利な税制などに加え、アメリカンのハブ空港のダラス・フォートワース国際空港への利便性が高いことが選ばれた一因になりました。

Large figure3 gallery18上空から見た羽田空港(大塚圭一郎撮影)

 フィラデルフィアは、3都市の中では知名度が最も浸透しています。ただ、日本企業のビジネス需要が限られ、「自由の鐘」やフィラデルフィア美術館といった名所はあるものの日本から観光客が押し寄せている状況ではありません。シャーロットと同じく東部にあり、日本と結ぶ路線との乗り継ぎ需要が見込みにくい立地です。

 しかも全米鉄道旅客公社(アムトラック)の電車がニューヨークから1時間半程度で結んでいるため、ニューヨークへの旅行者が日帰りで訪問できます。路線開設の動機はあまり見当たりません。

 これら3都市に限れば、筆者が最も可能性があるとみているのはフェニックスです。

というのも、IT産業が相次いで進出し、半導体受託製造(ファウンドリー)世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)も工場建設を決めており、砂漠地帯にある半導体産業集積地のため「シリコンデザート」を自称するほど活況を呈しているためです。日本との経済的なつながりは限られるものの、日本を経由してアジアと行き来する企業関係者らの利用が見込めます。日本とアメリカの別の都市を移動する際の乗り継ぎにも比較的使いやすい立地です。

「日本直行便もどってきて!」熱望の都市も

 一方、JAL関係者の1人が「日本路線が撤退したのは惜しく、個人的には就航してほしい」とささやいたのが西部オレゴン州ポートランドです。アメリカの航空大手、デルタ航空が成田との直行便を2020年3月に廃止し、羽田へのシフトも実現せずに終止符を打ちました。

 ポートランド都市圏にはスポーツ用品大手のナイキとコロンビア・スポーツウエアの本社があり、半導体大手インテルの主力拠点もあります。ポートランドはレベルの高いレストランやカフェも多く、発達した次世代型路面電車(LRT)などの公共交通機関で移動しやすいという強みもあるなど観光地として大きな潜在力を持ちます。

「日本国外で最も本格的な日本庭園」とたたえられている「ポートランド日本庭園」は名所となっており、ロサンゼルスやサンフランシスコなどと同じように日系アメリカ人が長く住んできた日本との結びつきも強い地域です。このため訪日客の開拓も期待でき、ポートランド在住の日系アメリカ人から「デルタの廃止後は日本との直行便がなくなってしまい、残念だ」との声を聞きました。

 ただ、難点はアメリカンのハブ空港ではないこと。もっとも、JALはアメリカンのハブ空港ではない東部マサチューセッツ州ボストン、カリフォルニア州サンディエゴと成田をそれぞれ結ぶ直行便も運航しており、幹部は「アメリカンのハブ空港は日本との直行便を飛ばすための絶対条件ではない」と解説します。もしも開設する場合、ボストン、サンディエゴ両線で使われているのと同じボーイングの中型機787の採用が有力視されます。

 筆者はこれまでに挙がった都市全てを訪問しており、新規就航先としてはポートランドの期待度が最も高く、次いでフェニックスの可能性もあると想定しています。ただ、ともに決定打を欠いているのも事実です。新たな就航先に路線を開設するのではなく、既に羽田線を抱えているアメリカの大都市に成田からも飛ばすといったシナリオも否定できません。

 果たしてどの都市に白羽の矢が立つのかは見通せませんが、空の旅の選択肢が広がるのは夢がある話です。2026年4月に15年の節目を迎えるJALとアメリカンのPJBの“航路”から目が離せません。

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