「朝、着る服が選べない」は心が疲れている? “春のメンタル不調”を疑うべき3つの危険サインとは
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春のメンタル不調のサインとは?(画像はイメージ)
環境の変化や天気などで、春は自律神経が乱れやすい時期といわれています。そんなとき、精神的にどのような状況に陥りやすいのでしょうか。今の季節だからこそ気にしておきたい「メンタルの疲れ」のチェック方法について、心理カウンセラーのうるかすさんに聞きました。
「服が選べない」は自分のせいではない?
Q.朝、着ていく服が決められなくなったり、スーパーで購入する商品を選べなくなったりすることがあります。これは単なる「優柔不断」ではなく、心の疲れのサインなのでしょうか。
うるかすさん「幼い頃から決断をするのが苦手、時間がかかることが多かったという場合は性格や『リスクを避けたい』という完璧主義な傾向によるケースがあります。
一方、『仕事が忙しくなってきてから感じ始めた』『最近考えがなかなかまとまらない』という感覚がある場合は、脳疲労やストレスが原因となっている可能性があります。特に、現代社会はインターネットでさまざまな情報を入手することができる手軽さや便利さがある一方、時には脳が処理しきれないほどの膨大な情報にさらされることもあります。
また、『マルチタスク』とよばれる複数のタスクを同時進行しなければならない機会が増えることで、脳は莫大なエネルギーを消費しなければならず、大きな負担にさらされてしまいます。
そして、『複数の選択肢から1つに絞る』という行為は、実は脳にとっては非常に高度な情報処理のうちの一つと言われています。
そのため、脳が消耗してしまう状況が長期化すると、次第に判断力や集中力が落ちてしまい、本来持っているパフォーマンスを発揮できなくなってしまうことがあります。
もしも休みのときもSNSをずっと眺めていたり、PCやスマホが手放せない生活をしていたりする場合は、意識的に情報をシャットアウトして脳を休ませるための『デジタルデトックス』の時間を設けると、脳の疲労感が回復し、判断力が改善する可能性があります。
脳そのものの疲労を回復させても、不安や焦燥感、ストレスなどを感じる場合は、他の心理的要因や精神疾患などが隠れている可能性も考えられるでしょう」
外では笑えるのに「帰宅すると涙が出る」理由
Q.職場や学校では普通に笑って過ごせているのに、帰宅した瞬間に涙が出たり、泥のように動けなくなったりします。外で頑張れているなら大丈夫だと思って良いのでしょうか。
うるかすさん「普段意識していないことがほとんどなのですが、多くの人は学校や職場などの『社会に属する自分』と『本当の自分』を使い分けています。『社会に属する自分』は、『他の人に迷惑をかけない』『上司や先輩、友達を思いやる』『頑張って仕事や勉強をする』など、配慮や緊張する場面が少なくありません。
一方で、自分の家や部屋で1人になったときは、『社会に属する自分』が感じていた緊張感から解放され、心の底から安心できる場所で『本当の自分』が感情をあらわにしているサインなのです。
また、帰宅後に泥のように動けなくなる背景には、『失敗してはいけない』『周りの雰囲気を悪くしてはいけない』といった思いからくる気疲れが積み重なっている可能性も考えられます。
さらに、本来は疲れを感じていても『これくらいで休むのは甘えではないか』『もっと大変な中で頑張っている人もいる』と自分に言い聞かせ、適切に休むことができない状態が続くことで、その反動として涙や強い無気力感といった形で現れてくる場合もあります。
よく、保護者から『そんなことで泣かないの』などと言われて育った人は、『泣くこと=よくないこと』と考えてしまいがちなのですが、泣くという行為自体が心身にとって悪影響かというと、決してそうではありません。涙を流すという行為は副交感神経が優位になり、痛みや不安、ストレスを和らげる効果があるといわれています。
1人のときに流れる涙は、それだけ『社会に属する自分』が頑張って日々を過ごしてきた証しです。『泣いたらダメ』と思わずに、本当の自分から発せられた感情や声にそっと寄り添ってあげられると、泣いた後に少しスッキリするような感覚が生じるかもしれません。
ただし、『泣くことが毎日のようにある』『常に不安な気持ちが続いている』などの症状が長期的に続いている場合は、精神疾患が原因となっている場合もあります。その際は、心療内科や精神科への受診を検討していただくと良いかもしれません」
もし趣味がつまらなくなったら?
Q.趣味だった読書や動画視聴が、急に「苦痛」や「面倒」に感じるようになりました。性格が変わってしまったのかと不安ですが、どう向き合えばいいですか。
うるかすさん「趣味や興味のある物事が楽しくなくなった、つまらない、苦痛と感じるのは、心理学の用語では『アンヘドニア』(快感消失)と呼ばれています。
アンヘドニアはうつやPTSDなどの精神疾患に代表的な症状の一つです。このほかに不安やストレス、悲観的になる、睡眠障害など複合的な症状が続いている場合、性格が変わったというよりも精神疾患が要因となっている可能性もあります。
『好きなことをしてもつまらない』と感じる場合、趣味だったことだからといって無理に向き合おうとする必要はありません。『以前は楽しかったのにな』と感じてつらくなってしまうよりも、新しいことをしてみたり、『楽しもう』と思わずにただ準備だけしてみたりと、自分のペースで趣味と向き合ってみることが重要です。それでも何もやりたくないと感じたら、休息やぼーっとする時間を脳が欲しているサインかもしれません。
そうして過ごしているうちに、もしも『今日はあれをやってみようかな』と心が動くきっかけとなるタイミングが見つかったら、心や気力が回復し始めているサインです。少しずつ、『楽しみたい』『興味があるかも』と思える気持ちが戻ってくるのを待ちましょう」
* * *
「今までとなんだか違う気がする」という感覚のときは、疲れやストレスなど、何らかの影響を受けていることが少なくありません。無理をしないためにも、「今ちょっと疲れてるかも」「休むべきタイミングかも」という心の声を、しっかりと聞いてあげられるとよいですね。
オトナンサー編集部
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