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ドローンにミサイルってコスパ悪すぎますよね? レーザーで安く撃ち落とすべきですよね?――防衛大手の答えが「極力安い“ミサイル”」だった背景

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  • 乗りものニュース
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スウェーデンのサーブが、「安価なミサイル」と強調する新型ミサイルを発表。安価なドローンによる攻撃の対策としてはレーザー兵器が注目されますが、「ミサイル」もまだまだ重要なようです。

「ミサイル使いすぎて財政圧迫」の戦訓を反映?

 スウェーデンの防衛大手サーブは2025年8月、対無人航空機(C-UAS)ミサイル「ニンブリックス」(Nimbrix)を発表しました。同社が「安価なミサイル」と強調する新兵器です。

Large figure1 gallery9小型地対空ミサイル「ニンブリックス」の運用イメージ(画像:サーブ)

 ニンブリックスは小型UASやドローンに近くで爆発する「エアバースト」弾頭を採用しており、一度に複数の目標を無力化することができます。最大射程は5000mで、発射装置からの誘導を必要としない「撃ちっぱなし」能力を持つ地対空ミサイルです。

 航空機を迎撃するには、必ずしもミサイルを直撃させる必要はなく、目標にダメージを与えて、コントロールを失わせて偵察や攻撃などの目的を達成できなくさせれば、それで迎撃成功と見なされます。

 ウクライナ戦争やイランのイスラエル攻撃などで小型のUASやドローンの脅威が顕在化して以降、世界各国では、小型のUASやドローンを攻撃するための兵装の開発が活発となっています。

 たとえばイスラエルの防空システム「アイアンドーム」に使用されている「タミル」ミサイルが、イランやイスラム武装勢力「ハマス」の送り込んできた小型UASやドローンの迎撃で成果を挙げています。またアメリカでも2025年初めに、次世代型C-UASミサイル「NGCM」の開発契約がメーカーのAV(AeroVironment)に対して与えられました。

 筆者(竹内 修:軍事ジャーナリスト)は2015年にソウルで開催された防衛装備展示会「ADEX」で、アイアンドームとタミルミサイルのメーカーであるラファエル・アドバンスド・ディフェンスシステムズからタミルミサイルの説明を受けましたが、その席で担当者は、既存の空対空ミサイルの技術などを流用して、極力安価に、大量生産できるミサイルとするよう心がけたと述べていました。

 タミルミサイルは2025年に起こったイランのイスラエル攻撃でも、イランのUASの迎撃に成功していますが、イランの投入してきたUASの数があまりにも多すぎて、イスラエル国防軍のミサイルの在庫が尽きてしまい、補充に要した費用がイスラエルの国庫を圧迫したとも伝えられています。

 サーブがニンブリックスの安価を強調するのは、こうした戦訓を反映していると考えられます。どのようにして安価なミサイルとするのか、サーブに問い合わせてみました。

「安価で大量生産を可能にします」

 サーブによると、ニンブリックスはタミルミサイルと同様に、既存のミサイルに使用されている技術や民生品を使いつつ、外装部を中心とするパーツの製造に3Dプリンターを多用することなどで、安価に、かつ大量生産が可能なミサイルにするといいます。

Large figure2 gallery10イスラエルのレーザー兵器「アイアンビーム」(画像:ラファエル・アドバンスト・ディフェンス・システムズ)

 筆者は2017年にサーブの取材でスウェーデンを訪れていますが、まだ小型UASやドローンの脅威が顕在化していなかったその頃から、サーブは主力商品である「ジラフ」レーダーに小型UASやドローンのような、低空を低速で飛行する目標を探知・追尾する、ジラフELSS(Enhanced Low Slow and Small)機能を追加するソフトウェアや、民間空港の遠隔管制システム「リモートタワー」でドローンを検出する技術の開発に取り組んでいました。おそらくこれらの技術開発や研究の蓄積も、ニンブリックスに反映されるのではないかと思います。

レーザー兵器が主流になるまでの「つなぎ」?

 防衛省は小型UASやドローンに対処する装備品として、マイクロ波照射装置とレーザー照射装置の開発を進めています。アメリカ軍は既にマイクロ波照射装置の運用を開始しているとの報道もありますし、イスラエルで開発が進められているレーザー照射装置「アイアンビーム」も、2025年末にイスラエル国防軍への納入が開始されるようです。

 マイクロ波にせよレーザーにせよ効果は試験で証明されており、小型UASやドローンを迎撃するためのコストも、ミサイルはもちろん機関砲よりも安く、将来は主流になっていくものと思われます。しかし、それらが主流となるにはクリアしなければならないハードルがあります。

 アメリカ陸軍の迅速能力導入室(Rapid Capabilities and Critical Technologies Office)は、2024年夏に陸軍演習場である試験を行っています。その結果、防空兵器として出力50KWのレーザー照射装置と小型ミサイルを提供された兵士は、レーザー兵器よりも実績のある小型ミサイルを選択する傾向を強く示したことを明らかにしています。

 迅速能力導入室はこの結果について、レーザーは地表や海面に近いほど指向性が低下することや、雲や雨の影響を受けやすいことから、前線兵士にとっては命を預ける兵器として「頼りなく映ってしまう」と分析しています。

 このため迅速能力導入室は、兵士がレーザー兵器に慣れ、その特性を良く把握し、その成功体験を積ませたうえで、レーザー照射装置への信頼感と、兵器を使用する自信を与える必要があると結論づけています。

 マイクロ波やレーザーは目には見えません。それを使う兵士や、守られる一般の人々から全幅の信頼を置けるようになるまで、ニンブリックスのようなミサイルや機関砲などが必要とされるのではないかと思います。

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