ぜんぶ面白い!「ホンダのオープンカー」の恐るべき振れ幅! スーパースポーツも屋根なしに
- 乗りものニュース |
国産車メーカーのなかでもホンダは、特にユニークなオープンカーを多数打ち出してきた存在です。遊び心にあふれたキュートすぎるモデルから、超本格スポーツカーのオープントップモデルまで、ホンダの“振れ幅の大きさ”を振り返ります。
後発ホンダ 早くから手掛けた国産オープンカー
国産車でオープンカーとして初めて登場したのは日産のダットサン12型フェートン(1933年)と言われています。「フェートン」とは当時、折りたたみ式の幌を持つ4人乗りのオープンカーを指すもので、日産の歴史的名車としてだけでなく、日本の自動車産業を語る際に必ず取り上げられる伝説のクルマでもあります。
ホンダはオープンカーの分野でも市場ニーズに先駆けた提案をし続けてきた(画像:ホンダ)。
戦後の復興期に、スポーツモデルのオープンカーを続々とリリースしてきた日産が「国産オープンカーの草分け」であるとすれば、後発がホンダです。戦後、二輪分野で飛躍を遂げていたホンダは、1950年代より四輪市場への参入を目指し、先発の自動車メーカーにはないモデルを市場に送り出すべく、試行錯誤を繰り返していました。
そうしたなか、ホンダは日産に次ぐ国産オープンカーとして、1962年にいきなり「S360」という356ccの軽自動車規格のオープンカーを発表。市販はされませんでしたが、このS360はホンダにとって「四輪を始めるぞ」といった宣誓的なモデルとして、今も語られる伝説のオープンカーでもありました。
こうした背景があるからか、それとも「風を浴びながら走る」バイク出身のメーカーだからか、ホンダはこの後「オープンモデルをラインナップさせる」ことに、特に熱心だったようにも映ります。それらを振り返ってみましょう。
●S500(1963)・S600(1964)
S360の翌年の1963年、ついにホンダはついに軽トラックのT360で四輪に参入を果たします。T360は商用車ですが、同年もう1台の普通乗用車も発売しました。それが「S500」というオープンカーでした。
ただし、S500は低速トルクがやや細めで、始動時に多少の不便がありました。この点を改善させ、さらに排気量もアップさせた改善モデルが1964年リリースの「S600」です。
その名の通り606ccにして、最高出力57ps /8500rpm・最高速度145kmを実現。これは当時の倍以上の排気量のエンジンを乗せたクルマと同等のポテンシャルで業界に度肝を抜いたことで知られるオープンカーです。
「チョロQかよ!」な3モデル
S600は、後にS800(1966年)、S800M(1968年)へと進化していきましたが、いずれのモデルにもオープンカーをラインナップ。先発の国産四輪メーカーにはないホンダ独自のアプローチで市場シェア拡大を目指していたようにも映ります。
ビートは2シーター仕様のオープンカー(2024年、松田義人撮影)。
●バモスホンダ
1960年代のホンダのオープンカーはこれらSシリーズになるわけですが、1970年には、これまた前例のない独特のオープンカーをリリースします。それが1970年発売の「バモスホンダ」です。屋根もなければドアもない、軍用車のようなルックスでした。
スポーツタイプのオープンカーのリリースを続けてきたホンダでしたが、「こんなオープンカーもできまっせ」といった、また違う意味でインパクトを与えた独特のモデル。残念なことに大ヒットには至らずわずか3年ほどで生産終了となりましたが、いまだにコアな人気を得続けるモデルでもあります。
●シティ・カブリオレ(1984)
そして、1980年に登場したイタフラ車のような小さくポップなクルマ「シティ」にもオープンカー仕様が存在します。1984年発売の「シティ・カブリオレ」で、そのボディには大きく「CABRIOLET」の文字があしらわれていました。
それまでの日本では、屋根の開放するクルマは総じて「オープンカー」という呼称でしたが、ヨーロッパでの呼称の「カブリオレ」をあえて入れることで、「イタフラ車っぽいオシャレ感」を打ち出したようにも感じます。
●ビート(1991)
さらにホンダはこれまた前例に乏しい軽自動車規格のミッドシップスポーツカーを1991年に発売します。オープンカー仕様の「ビート」です。
移動という実用性よりも、クルマをどこまでも“遊ぶもの”として打ち出した画期的なモデルで、1996年の生産終了から30年近く経過した今なおコアな人気を誇り続けています。
NSXにもあった! ガチ線オープンカーたち
●CR-Xデルソル
NSXタイプT。高速走行であっても確実な安全性・安定性を高めるべく、念入りな走行実験を経てボディが開発されたという(2024年、松田義人撮影)。
1980年代からホンダがリリースし、主に若者ユーザーの間で絶大な人気を誇った「CR-X」は、1992年の3代目モデルとして「デルソル」というオープンカーが登場しました。
スイッチ操作のみでルーフをトランクルームの専用フォルダに収納できるという新開発の「トランストップ」システムを採用。トランクグリッドが真上に動いた後、ガイドが伸びてルーフを出し入れするというロボットアニメのような動作をするシステムでした。
ただし故障も多く、現在の中古車市場では「ルーフ不動」のまま販売されている個体も多く見かけます。
それでも、この独自性を好むファンは多くCR-Xデルソルのオーナーズクラブなども存在するほどの支持があります。これもまた、ホンダが他社とは違う独自開発に取り組んだことを示す1台のようにも感じます。
●NSX タイプT(1995)
NSXも1990年からリリースされたミッドシップスポーツカーで、3リッタークラスはホンダのラインナップの中では大きめのクルマです。1995年のモデルに、ルーフパネルのみを外せるタルガトップ仕様の「タイプT」が登場しました。
NSXの当初のキャッチコピー「緊張ではない、解放するスポーツだ」の通り、高速走行でもバイク的な解放感を感じられる1台でした。この辺は、ホンダの四輪創成期のSシリーズにも通ずるコンセプトのようにも感じますが、その設計は念入りに行われ、日本各地はもちろん、アメリカ、ドイツなどのテストコースでの走行実験を何度も繰り返し、ボディ強化を重ねての開発だったといわれています。
●S2000(1999)
NSXタイプTで培った「スポーツタイプのオープンカーであっても安全・安定性を死守する技術」は、1999年に登場した2シーターのオープンカー「S2000」にももちろん継承。さらにホンダ独自のシャーシ構造である「ハイXボーンフレーム構造」が採用され、より進化したオープンカーとなりました。
そして何よりこの名称が示す通り、S2000もまたホンダ四輪の創成期のSシリーズのDNAをこの時代にリファインさせたモデルで、ホンダ創立50周年を記念した1台でもありました。2009年まで10年の製造期間でしたが、ホンダのオープンカーを語る上でやはり欠かすことができないレーシーな1台です。
今までのオープンカー全部合わせたらこうなりました!?
●S660(2015)
「他社にはできない」ホンダの開発と挑戦は歴代オープンカーの各モデルが示しているようにも思う。写真はS600(2024年、松田義人撮影)。
そして最後に紹介するのが2015年リリースのS660です。ホンダの軽自動車規格スポーツタイプのオープンカーとしては、1996年に生産終了したビート以来のもので、どことなく似た印象を与えながらも、ここまでのNSXタイプT、S2000などの知見が反映され、より高い安全・安定性能を実現させました。
排気量、コンセプトともにホンダ四輪の創成期モデルであるSシリーズをそのまま現代風にリメイクしたかのような印象で、NSXタイプT、S2000とは少し違う「ホンダならでは」のイメージが強い1台でした。2022年に生産終了となりますが、ホンダのブランドとしての矜持を感じるモデルだと筆者は思います。
※ ※ ※
ここまでを振り返ると、四輪業界で後発だったホンダが、他社には実現できない四輪モデルを次々に開発してきたことに加え、当初よりオープンカーモデル開発にも相当な力を込めて挑んできたことがよくわかります。いつかまたラインアップに加わるのでしょうか。
大昔に「オープンカーの専売特許的存在」だった日産を押し除け、トヨタに次いで2位のシェアを獲得するようになったホンダ四輪。続々とリリースしたオープンカーに代表されるような「他社にできない」開発を挑戦し続けてきたからこそのように思います。
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