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河野大臣がまさかの裏切り発言?! 海外メディアの「日本は五輪を開催できない」説(井津川倫子)

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  • 2021年01月17日
今夏、東京五輪・パラリンピックは開催できるのか!?(写真はイメージ)
今夏、東京五輪・パラリンピックは開催できるのか!?(写真はイメージ)

新型コロナウイルスの感染の勢いが収まらないなか、相変わらず「人類がウイルスに打ち勝った証として東京五輪を開催する」姿勢を崩さない菅義偉首相。追い討ちをかけるように、東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長が「再延期は絶対不可能だ」と発言して注目を集めています。

一方、海外メディアでは五輪開催を疑問視する報道が目立ちはじめましたが、何だか風向きが変わってきたような......。いくつかの国内ニュースを取り上げて「日本は大丈夫か?」の声が広がっているようなのです。とどめを刺したのは、あの大臣の「驚き発言」でした。

あ~あ、「五輪開催は不透明」発言が世界中に広まってしまった!

話題になっているのは、河野太郎行革担当相が海外メディア主催の会合で語った、東京五輪・パラリンピックの開催についての発言です。

東京五輪について、「行われない可能性も含めて先行き不透明だ」としつつ、「開催に最善を尽くす」という考えを示したと報じられていますが、何の変哲もないようなこの発言。日本ではあまり注目を浴びていないようですが、「目のつけどころ」が違う海外メディアは放っておいてくれません!

まずは、ロイター通信の見出しを比較してみましょう。同じニュースを伝えていますが、ニュアンスが違うことが良くわかります。

東京五輪、先行き不透明だが開催に最善尽くす=河野行革担当相(ロイター通信:日本語版)
Decision on holding delayed Olympic Games 'could go either way', says Japan minister
(オリンピック開催の判断は「どちらに転ぶかはわからない」と日本の大臣:ロイター通信英語版)

同じ発言でも、どこにフォーカスをするかでずいぶんと印象が変わるものです。「開催に向けて最前をつくす」を強調した日本語版に比べて、「先行き不透明」を強調する英語版。さて、どちらの「見解」が世界に広まったのか......。各国の報道を見ると一目瞭然です。

Japanese minister casts fresh doubt over Olympics
(日本の大臣が、オリンピック開催に新たな疑問を投げかけている:英デイリーメール)
cast doubt:疑問を投げかける

Future of Summer Olympics in Tokyo uncertain says Japanese minister
(夏の五輪の行方は不透明だ、と日本の大臣:中東のニュースメディア)
uncertain:不透明

河野大臣といえば、菅首相と同じ神奈川県出身とあって「菅首相のお気に入り」と報じられています。かたくなに「予定どおり五輪開催」の主張を曲げない菅首相のお膝元で、まさかの「身内からの裏切りか!」と思わせるような海外メディアの報道ぶり。「真意は違う」といくら言いつくろっても「時すでに遅し」でしょうか。

河野大臣は英語が堪能なことで知られていますが、このタイミングでのこの発言はさすがに不注意。政治家の皆さんには「海外メディアを甘く見てはいけない」ことを、しっかりと肝に銘じていただきたいものです。

海外に広がる「日本での開催、無理じゃないの?」

世界中で猛威を振るい続ける新型コロナウイルス。複数の変異株の出現が確認されるなど、いっこうに収まる気配はありません。

そんななか、開催まで200日を切った東京五輪の開催を疑問視する報道が海外でも目立ちはじめましたが、風向きがちょっと変わってきた様子。世界的なコロナの感染拡大や競技選考会の遅れといったことよりも、「そもそも日本は大丈夫か?」と疑問視する声が大きくなっているのです。

一つ目の要因は、日本国内での緊急事態宣言の再発出です。これまで、欧米諸国と比較して「比較的感染が抑えられている」と見られていた日本でしたが、各国メディアは次のように報じています。

Tokyo's Covid outbreak adds to doubts over hosting Olympic Games
(東京のコロナウイルスの急増で、五輪開催への疑念が増している:英紙ガーディアン)

ガーディアン紙は「緊急事態宣言対象エリアは徐々に拡大されて、日本の人口の半数以上が対象になっている」と延べ、こうした状況下での開催に疑問を呈しています。

海外メディアが指摘する二つ目の要因は、「世論調査」です。NHKなど日本の主要メディアが実施する世論調査で、大多数が「東京五輪は中止か延期」と回答したことに注目が集まっています。こうした状況をロイター通信は、「日本の国民は五輪に冷めている」と分析。この記事は世界中のメディアに転載されました。

Japan set to expand state of emergency, public cools to Olympics
(日本は緊急事態宣言の対象エリアを拡大するが、国民は五輪に冷めている:ロイター通信)

3つ目の要因は、日本国内に広がるスポーツ選手や団体の感染状況です。先日、大相撲横綱の白鵬が新型コロナウイルスに感染したニュースは、英BBC放送といった海外の主要メディアでも大きく取り上げられ、日本スポーツ界での感染拡大を強く印象づけました。

さらに、1月に開幕が予定されていたラグビー・トップリーグで、選手・スタッフらの「大量陽性者」が確認されたことから開幕が2月に延期されましたが、「ラグビーの大会もできないのに、五輪ができるのか」と指摘する海外メディアもありました。

今季のトップリーグには海外からスター選手が続々と加入していただけに注目も集まっていたのでしょう。「五輪開催なんて無理じゃないの?」という印象を強めてしまったとすれば皮肉なことです。

それでは、「今週のニュースな英語」「cast doubt」(疑念を投げかける)を使った慣用句をいくつかご紹介しましょう。

His information cast doubt on that news
(彼の情報は、そのニュースに疑問を投げかけている)

The consumers cast doubt on the quality of the product
(消費社は、その商品のクオリティに疑問を投げかけている)

This information cast doubt on the efficacy of the new drug
(その情報は、」新しい薬の効果に疑問を投げかけている)

菅首相や森会長が「強気発言」を繰り返す一方で、具体的には何も見えてこない五輪対策。緊急事態宣言の再発出や世論調査の結果、さらにスポーツ界の感染状況といった「事実」を見る限り、残念ながら「日本、だいじょうぶか?」の疑念は増すばかりではないでしょうか。(井津川倫子)

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