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「パワハラ=上司がするもの」とは限らない 後輩からの“逆ハラ”増加中 職場に求められる“エスカレーションを防ぐ仕組み”

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逆ハラがエスカレートするのを防ぐには?(画像はイメージ)
逆ハラがエスカレートするのを防ぐには?(画像はイメージ)

 職場のトラブルの中で、近年存在感を増しているのが「逆ハラスメント(逆ハラ)」と呼ばれる現象です。不正行為を指摘された側が「自分こそ被害者だ」と訴えたり、SNS上で当事者同士が非難を繰り返し、双方がハラスメントを主張したりする状況が起きています。

 背景にあるのは、SNSの匿名性や拡散性、そして感情が増幅されやすい環境です。問題が社内だけで収まらず、外部のユーザーが介入することで事態がさらに複雑化・炎上化し、当事者双方が被害者意識を強めるケースも少なくありません。

 こうした“逆ハラスメント”が増えていることは、職場におけるハラスメント問題が、誰にでも起こり得る身近なリスクへと変化していることを示しています。

なぜ“逆ハラスメント”が起きるのか

 “逆ハラスメント”という言葉は法律上の概念ではありませんが、SNSが日常化した現代において注目される課題の一つです。代表的なケースとしては、「不正行為を指摘された側が『攻撃された』と感じ、反論する」「SNSで双方が批判を投稿し合い、周囲が過剰に反応する」という状況が挙げられます。

 SNSには、「匿名でコメントしやすい」「拡散が瞬時に起こる」「感情的な投稿が注目されやすい」という特徴があり、これらが重なることで、当事者のやりとりが“双方的なハラスメント”へと発展していきます。

 結果として、当事者のどちらも「自分が被害者だ」と感じやすい構造が生まれ、問題の収束がより難しくなるのです。

日本では3人に1人が経験するパワハラ

 厚生労働省の調査でも、パワハラは日本で最も多いハラスメントの一つとされ、労働者の3分の1が被害を経験しているという報告もあります。ハラスメントは上司だけが行うものではなく、同僚や部下から生じるケースも増えています。

 2019年5月には「労働施策総合推進法」が改正され、企業にパワハラ防止措置の実施が義務化されました(通称:パワハラ防止法)。大企業では2020年6月1日から、中小企業では2022年4月から適用になっています。

 法律では、企業に次の取り組みを求めています。

・パワーハラスメントを禁止する明確な会社方針を定めること。
・従業員がハラスメントを報告したり、相談したりすることが可能な窓口(例:相談窓口、苦情受付窓口)を設置すること。

・苦情に迅速かつ適切に対応し、調査を実施し、必要な是正措置を講じ、申告者のプライバシーを確保すること。

・管理職および従業員への研修を実施し、認識向上と社内ルールの周知を徹底すること

 また、同法では報復を禁止しており、パワーハラスメントを報告した従業員や調査に協力した従業員に対して、解雇その他の不利益な取り扱いを行ってはならないとされています。罰則こそ重くはありませんが、行政指導や公表により企業の評判リスクが高まる可能性があります。

エスカレーションを防ぐために重要な“3つの仕組み”

 逆ハラスメントがエスカレーションしないためには、次の3つの取り組みが必要です。

(1)チームルールと社内報告ルートの明確化
不正行為を誰に、どのように伝えればよいのかが不明確だと、従業員はSNSや外部に頼りがちです。「適切な報告ルート」「相談窓口」「守秘義務の説明」を整備することが重要です。従業員が「社内に相談しても安心」と感じられれば、外部への投稿や炎上リスクを減らすことができます。

(2)研修の実施:報復・SNS対応を正しく理解する
ビジネスリーダーが担うべきは、従業員に対して継続的に次の理解を促すことです。

・なぜ報復行為が禁止されているのか
・SNS上でのハラスメントがどれほど深刻な被害を生むか
・苦情をSNSに投稿することが企業ポリシー違反になり得る理由

感情的に反応する前に“正しい選択”ができるよう、研修は非常に有効です。

(3)信頼と安全を重視する組織文化の醸成
最後に不可欠なのが、心理的安全性の高い職場を維持することです。誰もが安心して意見を言え、問題を早期に共有できる環境であれば、ハラスメントの芽は早い段階で摘むことができます。

(オトナンサー編集部)

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