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髪の毛や体の毛、自分で抜き続けて脱毛状態に…「抜毛症」とはどんな病気? 医師に聞く

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「抜毛症」とは?
「抜毛症」とは?

 美容上の理由などがないのに、自分で自分の髪の毛や眉毛を抜くことがやめられなくなる「抜毛症」という病気があるそうです。なぜ、自分の毛を抜いてしまうのでしょうか。精神科専門医の田中伸一郎さんに聞きました。

皮膚疾患なく広範囲の脱毛状態

Q.「抜毛症」とは、どんな病気ですか。原因も含めて教えてください。

田中さん「抜毛症(トリコチロマニア)は、フランスの皮膚科医によって発見された疾患で、髪の毛や体の毛を抜き、広範囲の脱毛状態がみられるものです。抜毛によって毛が脱落している部位には、皮膚疾患が見つからず、元々の長い毛と断裂して伸びてきた短い毛が入り交じって観察されることが抜毛症の特徴です。

原因としては、親子関係、養育関係、学校関係の問題をはじめとして、抑うつ、喪失体験、過労状況など、さまざまな心理的要因が挙げられています。ホルモン異常、脳の機能異常などはまだ見つかっていません」

Q.「抜毛症」にはどのような症状があるのでしょうか。

田中さん「主な症状は毛を抜くこと、すなわち、抜毛ですが、これが意識的な行為なのか無意識的な行為なのかと聞かれると、両方と答えざるを得ません。具体的には、毛を抜く時に瞬間的な痛みを感じるため、あるいは集中が高まるために意識的に毛を抜く場合もありますが、座ったり横になったりした時に、何かをしながらとか、自己反省をしながら、無意識的に毛を抜く場合もあります。

そして、意識的な抜毛と無意識的な抜毛、両者がそれぞれ移行しながら、何分も何十分も、時には何時間も、抜毛行為が続けられるのです。

また、しばしば抜いた毛を食べてしまう『食毛症』がみられ、ひどくなると毛玉が固まって胃や腸に詰まってしまうことがあります。

他にも、爪をかむ、皮膚を引っかくなどの自傷行為がみられたり、強迫性障害、不安障害、うつ病、摂食障害、『パーソナリティ障害』、依存症などの精神障害を併存したりすることが知られています。また、さまざまな身体疾患に伴って抜毛症が出現することもあります」

Q.単なる「癖」とは違うのでしょうか。

田中さん「一般に、毛を抜く『癖』に近いものといえば、ムダ毛処理でしょうか。美容目的などで意図的に抜毛する場合は、異常ではありません。しかし、無意識に抜毛し、毛が脱落している範囲が広がって、不自然に皮膚が見えたり、毛が不自然に脱落している部分を隠したりするレベルにまでなれば、単なる癖ではなく、病的であると判断されます」

Q.どのくらいの数の人が発症しているのでしょうか。年齢や性別の特徴はありますか。遺伝はあり得るのでしょうか。

田中さん「抜毛症の場合、脱毛部位を医師や看護師に見せることを恥ずかしがって受診につながらない人が結構いることが想像され、日本でどのくらいの数の人が発症しているのか不明です。海外のデータでは、約1%の人が抜毛症を発症しているとされます。

抜毛症には小児期の男児、女児に発症するパターンと、大人の女性に多く発症するパターンがあり、いずれも一過性で治癒する場合もあれば、慢性的に継続する場合もあります。なお、遺伝性については今のところ不明です」

Q.コロナ禍で増えているのでしょうか。

田中さん「抜毛症は、コロナ禍以前からしばしばみられていたので、コロナ禍の影響で増えたなという実感はありません。ただ、新型コロナウイルス感染後の後遺症として『脱毛症』がみられ、その途中経過で『抜毛症』がみられた人を何人か診察しました。ただし、脱毛症と抜毛症の因果関係についてはよく分かっていません」

Q.抜毛症は予防できるのでしょうか。

田中さん「抜毛症を予防するのは難しいのではないでしょうか。なぜなら、先述したような心理的要因が原因としてあるとしても、そうした要因によって必ずしも抜毛症が引き起こされるとは限らないからです」

Q.「抜毛症ではないか?」と本人が思った場合や、周囲が気付いた場合、診療科はどこがよいのでしょうか。

田中さん「現在、抜毛症は精神障害の一つ、強迫性障害の仲間に位置付けられていますが、最初は皮膚科を受診することをお勧めします。そこで皮膚疾患の有無を含めて診察してもらい、その結果、抜毛の原因として皮膚疾患がなければ、皮膚科医から心療内科や精神科を紹介してもらい、皮膚科と心療内科・精神科の両方で治療を進めていくのがよいでしょう」

Q.治療はどのようにするのですか。

田中さん「抜毛症に対して有効性が示された治療法はまだありません。ひとまずカウンセリングを併用して心理的要因を取り除きながらストレス軽減を図り、どういう時にどういう気分で抜毛したかを記録しながら、少しずつ抜毛行動を減らしていく認知行動療法が行われます。また、必要に応じて併存症(強迫性障害、不安障害、うつ病など)に対して薬物療法を行うこともあるでしょう。

また、直接の治療にはなりませんが、個人的な臨床経験としては、皮膚を衛生的な状態に保ち、規則正しい生活を送るようにすると、抜毛症が改善しやすくなる印象があります」

オトナンサー編集部

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