「スペーシアX」車内カフェは “日光”感あふれ過ぎ! 浅草限定 東武渾身のプレミアム駅弁も
- 乗りものニュース |
全国的に列車内での車内販売が縮小される中、「スペーシアX」では、沿線の事業者とコラボし、カフェメニューを充実させています。スペシャル駅弁も浅草駅限定で販売されます。
缶ビールじゃなく、カウンターでのクラフトビール♪
2023年7月15日(土)に運行を開始した東武鉄道の新型特急「スペーシアX」。「走るスイートルーム」をコンセプトにした「コックピットスイート」など、6種類もの座席があり、カフェカウンターも設置されています。今回、ひと足先に試乗してきたので、車内で味わった“逸品”の数々を紹介します。
昨今、全国の鉄道会社では軒並み車内販売を縮小させているなか、「スペーシアX」はカフェメニューを充実させたほか、浅草駅限定販売のプレミアム駅弁やスイーツを開発・投入するなど、東武が“そこでしか味わえないメニュー”に力を入れているのがわかりました。
N100系「スペーシアX」(乗りものニュース編集部撮影)。
カフェカウンターは東武日光方の1号車「コックピットラウンジ」に併設。名称は「ちょっと立ち寄って見るだけで、日光との『ご縁』が深まる」ことを目指し、「ゴエンカフェ スペーシアX」と命名されています。
このカフェは、日光を始めとして栃木県内の事業者と共同で開発したオリジナルメニューを多数取り扱っていることが特徴です。看板メニューは、クラフトビール「Nikko Brewing」とクラフトコーヒー「日光珈琲」で、いずれも通常版と季節限定品の2種類あります。
また飲み物だけでなくアペタイザー (前菜)やスナック(軽食)、スイーツ類も用意されていますが、これらはビールやコーヒーとの食べ合わせを考慮して開発したのだそう。「あさのポークジャーキー」や「頂鱒(いただきます)のスモーク」「酒粕のバターサンド」「一口羊羹」などがあり、これらも沿線の事業者と共同開発したオリジナル商品になります。
カフェスタッフの服装にも注目!
実際にカフェカウンターが設けられた1号車「コックピットラウンジ」に足を運んでみたところ、入った瞬間に香ばしいコーヒーの香りに包まれ、気分が高まりました。また、カフェカウンターにはビールを注ぐためのドラフトタワーが4本設けられ、カウンターの下部には日光をイメージした意匠が施されているのが目に付きます。
落ち着いた内装の「コックピットラウンジ」のソファで飲むコーヒーは格別で、鉄道車両というよりホテルのラウンジにいるかのような気分になります。「酒粕のバターサンド」は、ほのかな甘さのなかに、かすかに感じる酒粕の面影が良いアクセントとなっており、コーヒーにとても良く合いました。
カフェカウンターでビールを注ぐスタッフ。この服装にもこだわりが(乗りものニュース編集部撮影)。
カフェのスタッフは、専用のスカーフや蝶ネクタイを着用しています。蝶ネクタイに関しては、1956年に登場した1700系特急電車時代のカフェスタッフの制服を参考に開発したのだそう。
スナック類などのパッケージにも、車内のデザインで採用されている江戸の意匠 が取り入れられており、こんなところにも細部まで徹底的にこだわった東武の力の入れようを感じました。旧スペーシアにも、たこ焼きやフライドポテトなどを販売するビュッフェカウンターがありましたが、格段に進化しているといえるでしょう。
ちなみに、車内で購入されたコーヒーの売上の一部は、日光エリアにおける観光ガイドの育成や利用促進支援として活用されます。背景には、国際的な観光地の日光であっても、観光ガイドの就業機会が十分に確保されていない課題があるからなのだとか。
この取り組みの一環として、2023年10月7日(土)から2025年3月29日(土)まで、毎週土曜に運行される「スペーシアX」1号の春日部~東武日光間において、日光自然ガイド協議会、栃木県通訳案内士協会のガイドが、車内を巡回する形で観光案内を行う予定です。
浅草駅限定の「プレミアム駅弁」その中身は?
なお、カフェカウンターは、混雑緩和を目的に「コックピットラウンジ」の乗客が優先的に利用できる形を採っています。それ以外となる2~6号車の乗客はオンラインで整理券を取得し、指定時間内に注文・購入しなければならないので注意が必要です。もし、カフェを目的に乗車するのであれば、「コックピットラウンジ」の座席を指定するのがおすすめです。
カフェカウンターのメニュー(乗りものニュース編集部撮影)。
また冒頭に記したように、「スペーシアX」における「食」へのこだわりはカフェカウンターだけではありません。東武鉄道は、運行開始日の7月15日からスペシャル駅弁「エックスプレミアム」とスイーツ「天空の湖」を浅草駅の売店「ACCESS」で販売します。
これらの値段は、前者が3300円(税込)、後者は1500円(同) と、一般的なものより少々高めにはなっているものの、沿線の生産者や料理人と共同開発し、「とちぎ和牛」や「日光清滝プレミアムヤシオマス」など、厳選された食材が詰め込まれたプレミアムな駅弁となっています 。
沿線事業者との共創により、高品質な飲食メニューが提供される「スペーシアX」。実際に乗って車内で飲食してみたことで、改めて鉄道は目的地へ行くための交通手段であるとともに、そこへ行く途中の時間も味わう、楽しめる乗りものであることが実感できました。
ほかの特急列車にはない魅力が盛りだくさんの「スペーシアX」。乗車した際は、飲食メニューも大きな楽しみのひとつとなりそうです。
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