「ガンダム」あるある「敵軍から鹵獲した兵器を自軍の主力新型兵器に…」→そんなこと本当に可能なの?
- 乗りものニュース |

ガンダムシリーズの新作では「敵軍の兵器・ガンダムを鹵獲して、自軍の主力兵器として生産・新規開発する」という設定でストーリーが構築されています。現実では、こうしたことはあるのでしょうか。
ジークアクスの兵器開発の謎
戦争とは「交戦している両国の技術合戦」でもあります。例えば旧日本軍は局地戦闘機「震電」開発のために、撃墜したアメリカ軍のB-29爆撃機から取り外した部品を国内メーカーに渡して、「これと同じものを作ってくれ」と依頼した逸話があります。
T-34を参考にした部分があるといわれるV号戦車「パンター」(画像:ドイツ連邦公文書館)
第二次世界大戦が終了した後で、航空宇宙工学で高度な技術力を有するドイツを打倒した連合国は、ドイツ人技術者を拘束し、ジェット戦闘機や大気圏を突破可能なロケット、ミサイルなどの新型兵器を開発しました。
こうした事例はあるのですが、2025年4月から6月末まで放送されたアニメ『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』(以下『ジークアクス』)では「敵軍の兵器・ガンダムを鹵獲して、自軍の主力兵器として生産・新規開発する」という設定でストーリーが構築されています。現実では、こうしたことはあるのでしょうか。
例えば第一次世界大戦で、イギリス軍は1916年9月に初めての戦車「マーク1」を実戦投入します。ドイツ軍は新兵器「戦車」に大きな衝撃を受け、同種の戦闘車両開発を始めます。武装した車両の納入は1917年10月、実戦投入は1918年と「敵軍に影響を受けての新兵器開発」は簡単ではないことがわかります。
なお『ジークアクス』では、敵軍の新兵器ガンダムを鹵獲したジオン軍が、自軍の兵器開発を中止して、次期主力モビルスーツ「ゲルググ」もガンダム的な設計に変えてしまう様子が描かれます。それだけではなく、新型機として「ガンダム・クアックス」を新規開発までしているくらいなので、よほど感銘を与えたのでしょう。
通常、敵軍に影響を受けて、自軍の兵器体系を敵軍のものにするということは困難なケースが多いです。そもそも工業規格や生産設備が違いますし、軍の運用構想も違うからです。しかし例外もあり、例えば大戦中のドイツ軍はソ連の高性能戦車「T-34」に衝撃を受け、開発中のV号戦車に、新たに傾斜装甲や幅広の履帯などのT-34の設計思想を取り入れます。
宇宙世紀の話に戻ると、実は実在の兵器よりも模倣が簡単な可能性が示唆されています。というのも「地球連邦」しか国家がなかったことが関係しているためか、連邦から独立したジオン公国も含めて、同じ工業規格という点があります。アニメ『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』でも、バーニィは撃墜したジムの部品でザクを修理していますので、それが裏付けられます。
イスラエルでは鹵獲兵器を改造し新型扱いしたことも
ウクライナ戦争でも、ウクライナ軍はソ連軍の戦闘兵器を使用していた関係で、侵略してきたロシア軍の兵器を鹵獲・修理しての使用が多く見られます。
ジークアクス世界での「ゲルググ」。同作と時間軸がわかれる前のファーストガンダムではどちらかというとジムっぽいフォルム(乗りものニュース編集部撮影)
とはいえ、敵軍の開発した「ガンダム」を、シャアの専用兵器として改良するだけでなく、「ガンダム」として新規開発までするというのは、珍しいことではあります。
現実の例をあげるとすると、第三次中東戦争でイスラエル軍は数百両のソ連設計戦車T-54/55を鹵獲します。同国を支援していたイギリス・フランスが支援を中止したため、イスラエルはT-54/55をTiran-4/5として正式採用しました。自軍の規格に合わせるために主砲や機関砲の換装、照準装置の交換、爆発反応装甲追加などの改良などが加えられたのです。
さらにT-55/Tiran-5を「T-55Sサモワール」として、新規設計した何種類かのプロトタイプを開発しようとまでしています。「サモワール」の開発は中止されましたが、これが現実では最も近い事例と言えるでしょう(『ジークアクス』のように自軍の主力兵器の開発を中止してまで切り替えるという事例は、さすがにないと思われますが)。
『ジークアクス』は『機動戦士ガンダム』、いわゆるファーストガンダムのパラレルワールドですが、そもそも宇宙世紀はジオンの象徴とも言えるモビルスーツ「ザク II」に類似した「ハイザック」を、地球連邦軍のジオン狩り部隊ティターンズが採用するような世界観です。
こうしてみると、「高性能であれば連邦軍が新型ザクを作っても、乗ってみたい」というような価値観が根付いているのかもしれません。
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