栄養価が高い「リンゴ」 夜に摂取するのはNG!? 医師が教える上手な食べ方&注意点
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年間を通じてよく食べられる果物の一つが「リンゴ」です。「1日1個のリンゴで医者いらず」という西洋のことわざがありますが、実際にリンゴを1日1個食べ続けた場合、どのようなメリットがあるのでしょうか。リンゴを食べるメリット、デメリットのほか、食べる際のコツや注意点について、大阪うめだ鼠径(そけい)ヘルニアMIDSクリニック(大阪市北区)院長で、消化器外科医の田村卓也さんに聞きました。
夜にリンゴを食べると胃酸の分泌を促す
Q.西洋には「1日1個のリンゴで医者いらず」ということわざがありますが、本当なのでしょうか。理由も含めて、教えてください。
田村さん「『1日1個のリンゴで医者いらず』という格言には、現代の科学的研究からも一定の根拠が確認されており、リンゴの摂取による健康増進効果を示す研究結果も公表されています。
リンゴには主に2つの重要な栄養成分が含まれています。1つ目は食物繊維の一種であるペクチンです。この成分にはコレステロール値の改善、腸内環境の改善、そして食後の血糖値の急激な上昇を抑える効果があります。
2つ目は生理活性物質です。抗酸化作用のあるポリフェノール類や、抗炎症作用があるフラボノイド、さらにビタミンCやカリウムといった重要な栄養素が含まれています。
米国心臓協会と米国がん協会も、これらの成分による心臓病やがんの予防効果を認めています。
ただし、『1日1個のリンゴで医者いらず』という格言は健康的な食生活の象徴として捉え、バランスの取れた食生活の一部として取り入れることが大切だと考えます」
Q.ではリンゴを1日1個食べ続ける生活を続けた場合、どのようなメリット、デメリットがあるのでしょうか。1日の摂取目安量や食べるのに最適な時間帯も含めて、教えてください。
田村さん「リンゴを1日1個食べ続けた場合のメリット・デメリット、および摂取量の目安について説明します。
リンゴを毎日食べることには、いくつかのメリットとデメリットがあります。メリットとしては便通改善や血圧の安定化、満腹感による体重管理のサポート、歯垢(しこう)の付着抑制といった健康効果が期待できます。また、手軽に持ち運べ、1個約150グラムと食べやすい量であることや、比較的安価で年間を通して入手できるという実用的な利点もあります。
一方で、注意点もいくつかあります。糖尿病の人は果糖の摂取に注意が必要なほか、リンゴは酸性度が高い食べ物といわれており、歯のエナメル質への影響も考えられます。食べ過ぎると胃腸への負担となる可能性があるので注意が必要です。このほか、リンゴアレルギーの人は摂取を避ける必要があります。
1日の摂取目安は、成人で1〜2個(150〜300グラム)で、午前中から午後の早い時間までに食べるのが望ましいです。また空腹時の摂取は避け、できるだけ食後のデザートとして食べるのをお勧めします。夜にリンゴを食べると胃酸の分泌を促すため、避けるのが望ましいです。チーズとの相性が良く、リンゴとチーズを一緒に食べるとカルシウムの吸収が促進されます。
なお、最新の研究では、リンゴの果実の摂取による健康効果に加え、リンゴの栽培作業にもストレス軽減や血圧安定化、免疫機能向上などの効果があることが報告されています」
Q.リンゴを食べる際は皮ごと食べた方がよいのでしょうか。それとも、皮をむいて食べた方がよいのでしょうか。
田村さん「基本的には、リンゴは皮ごと食べることをお勧めします。なぜなら、皮には果肉の3~4倍のポリフェノール類が含まれており、特にポリフェノールの一種で抗酸化作用が強いケルセチンが豊富に含まれているからです。また、皮には食物繊維も多く含まれており、腸内細菌の重要な栄養源となります。ただし、皮ごと食べる場合は次の点に注意が必要です」
(1)食べる前に水でよく洗う
食べる前に十分な洗浄が不可欠です。流水でよく洗い、必要に応じて野菜用洗剤を使用し、農薬や防カビ剤を除去します。
(2)皮に傷や変色がある場合は取り除く
皮に傷や変色がある部分は除去してください。カビの可能性があります。
なお、次の項目に該当する場合は皮をむいて食べることをお勧めします。
・消化器系が敏感な人
・過敏性腸症候群(IBS)の人
・皮のワックス成分でアレルギー反応が出る人
・歯科治療中で硬いものをかむのを避けたい人
Q.リンゴを上手に食べるコツについて、教えてください。
田村さん「次の2点を意識するのをお勧めします」
■切り方を工夫する
・薄めにスライスすることで消化吸収が良くなります。
・カットした後は空気に触れると酸化するため、早めに食べ切ることをお勧めします。
■保存方法に注意する
・常温で保存する場合は風通しの良い場所に置いてください。
・リンゴはエチレンガスの放出量が多い果物といわれています。冷蔵保存する場合はエチレンガスによる影響を避けるため、他の果物や野菜と離して保存しましょう。
また、最近の研究では、リンゴを丁寧によくかんで食べることで、唾液の分泌が促進され、消化酵素の活性化や口腔(こうくう)内の自浄作用が高まることも分かっています。
以上の点を考慮しながら、ご自身の体調や生活スタイルに合わせて、リンゴの最適な食べ方を選択していただくことをお勧めします。
【参考文献】
Complementary Therapies in Medicine(2019)
オトナンサー編集部
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