【漫画】「耳が聞こえていない…?」 保育園でわかった娘の聴覚障害 不安の中で母がたどり着いた“手話”という言語【作者取材】
- オトナンサー |

漫画家のあかねさんの漫画「わたしの娘は耳がきこえない」が、Xで合計2万200以上の「いいね」を集めて話題となっています。
1990年代、当時はまだ新生児の聴覚検査をする病院がほぼありませんでした。娘が保育園に入ってから耳が聞こえていないことが分かり、両親は大きな戸惑いと不安を抱えます。そして、ろう学校を探す中で手話に出会い…という内容で、読者からは「読んでよかった」「手話は大切な言語だと思う」「親が手話を選択できるようになるまでって葛藤するよね」などの声が上がっています。
手話で初めて見えた、娘の気持ち
あかねさんは、Xやインスタグラムで聴覚障害・ろうをテーマにした漫画などを発表しています。あかねさんに作品について話を聞きました。
Q.漫画を描き始めたのは、いつごろからでしょうか。
あかねさん「幼少期から絵を描くことが好きでしたが、本格的に描き始めたのは大人になってからです。聴覚障害がある友人に、一緒に展示をやらないかと誘われました。それをきっかけに、以前から考えていた聴覚障害をテーマに、自分の体験を元にした漫画を描き始めました」
Q.漫画に登場する「カエデ」のモデルはあかねさんご自身で、本作はお母さまの体験を元に描かれたそうですね。この漫画を描いたきっかけを教えてください。
あかねさん「前作を描き終え、次のイベントに向けて新しい本を作ろうとしたのですが、内容に迷っていました。そんなとき、母の『手話を覚える前は本当に大変だった』という言葉を思い出し、幼少期の自分を漫画にしようと思いました」
Q.ご自身が手話で会話ができるようになったのはいつごろだったのでしょうか。
あかねさん「3歳ごろからです。3歳になる前からろう学校に通い始めました。先生や友人から教わって少しずつ手話を覚えていき、手話で会話をできるようになったのは3歳を過ぎた頃だったと母が言っていました」
Q.お母さまから聞いた当時のお話で、印象に残っているのはどのようなことですか。
あかねさん「『手話を覚える前のあなたは野生児のようだった』と、よく言われていました。下に弟が2人いるのですが、家族で聞こえないのは私だけだったのと、私が初めての子どもだったこともあり、大変だったそうです。何も分からなかったけれど、しっかり育てようと思ったと話してくれました」
Q.大人になってから「自分はこうやって手話を覚えていったんだ」と知り、どのように感じましたか。
あかねさん「漫画のエピソードの後、父の転勤で再び引っ越すことになり、別のろう学校に通う予定でした。初めに見学した学校は『口話教育』で、笛の音が聞こえず立たなかった子どもの頭をたたくという指導をしていたそうです。それを見た母が反対し、『手話教育』を行う学校を選んでくれました。私の成長を見て手話の大切さを考えてくれたことが分かり、今も感謝しています」
Q.そのようなお母さまとのやりとりで、印象に残っているエピソードはありますか。
あかねさん「母の工夫がよく表れている思い出があります。小学生の頃、電車で1人通学をする際、アナウンスが分からない私に『電車が5回止まったら降りなさい』と教えてくれました。駅名が人で見えないこともあるので、この方法だったそうです。小学6年間、毎日これを意識していたため、いまだによく覚えています」
Q.今回の作品について、どのようなコメントが寄せられていますか。
あかねさん「『手話を勉強してみようと思った』『手話を変な目で見たことはないです』などのコメントが寄せられました。1990年代が舞台の本作と比べ、今は手話や聴覚障害への理解が進んでいると感じ、うれしく思いました。また、聴覚障害者の方から『私も手話を覚える前は野生児だったと言われた』というコメントが寄せられたことも、自分だけではなかったと感じてうれしかったです」
Q.創作活動で今後、取り組んでいきたいことを教えてください。
あかねさん「今後も聴覚障害、ろうを中心に漫画を通して自分だけでなく、さまざまな方の実体験などを元にした作品を作っていきたいと思っています。多くの方に聴覚障害のことを分かりやすく伝えていけるよう活動を続けていきたいです」
オトナンサー編集部
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