「いい人」やめたい、心が限界…頼まれるとNOと言えない人が知るべき上手な断り方とは
- オトナンサー |

人間関係が崩れにくい断り方とは?(画像はイメージ)
職場の上司や同僚、友人などから頼まれ事をされたとき、本当は断りたいけど、「なかなかNOと言えない」「断ったら嫌われてしまうのでは…」という気持ちから、ついつい無理をしてしまっていませんか。そんな自分を変えたいけれど、幼い頃からの癖や思考からなかなか抜け出せない人は多いのではないでしょうか。
そこで、人間関係が崩れにくい断り方や自分の限界を迎えそうなサインなどについて、心理カウンセラーのうるかすさんに聞きました。
「断ることができる人」「断れない人」の違いとは?
Q.なぜ私たちは「断ると嫌われる」「関係が壊れる」と過剰に怖がってしまうのでしょうか。その心理的背景を教えてください。
うるかすさん「断ることが好きという人はあまり多くないと思いますが、『断ることに比較的抵抗がない人』と『どうしても断れない人』との違いは、罪悪感を大きく感じているかどうかという点が大きいのではないかなと思います。
例えば、幼い頃から友達や兄弟姉妹などを献身的に助けてあげて、それをよしとされた環境で育った人は、大人になっても『困っているだろうから助けてあげないと』という気持ちが根底にあり、『頼まれ事を拒否するのはよくないこと』『拒否する自分はダメな自分だ』と判断してしまいがちです。
この『よくない自分』の行動をすると罪悪感を感じてしまうため、それを回避するために、本当はイヤだと感じつつも断ることができない、その判断をすることを極端に怖がってしまう、といった思考になってしまうんですね。
また、人によっては自己価値感の低さが背景にあることもあります。他人からの頼まれ事を断らずに引き受けることで、自分の存在価値を感じようとしている場合もあるのです。
無意識のうちに『誰かの役に立っていない自分には意味がない』『求められているからこそ自分には価値がある』という感覚を抱えている人もいて、その場合、頼み事を断ることが単なる『お願いを断る行為』ではなく、『自分の存在価値を失ってしまうこと』のように感じられてしまうことがあります。
そのため、『断ると嫌われる』『関係が壊れる』という不安の背景には、単に相手との関係性だけでなく、自分自身の価値や存在意義に関わる深い不安が隠れていることも少なくありません」
相手を不快にさせない断り方とは?
Q.誘いや頼み事を断る際に、相手を不快にさせず、かつ自分も罪悪感を感じないコツや具体的な表現はありますか。
うるかすさん「相手に角が立たず、かつ自分にとっても罪悪感を感じにくい断り方をするコツは、いくつかあります。
まず、『本当はやりたかったのだけれど』というニュアンスを断りの言葉の前に入れると、柔らかい印象で伝えられるようになります。『せっかくなのですが』『お話はうれしいのですが』など、ある程度自分の中でのフォーマットを作っておくと、とっさのときに慌てずに対応できると思います。
次に、『断りの言葉の後に代替案を伝える』という点です。『今週は難しいのですが、来週なら対応できると思います』など、提示された条件は難しいけど代替案をこちらから提示することで、『あなたの行為を否定しているわけではありません』という意思表示にもつながります。
また、断るときはどうしても『言葉そのもの』やフレーズを意識してしまいがちですが、意外と雰囲気やしぐさなどで『申し訳ない』という気持ちを表現することも、重要なコミュニケーション手法の一つでもあります。
淡々と『それは無理です』などと返すより、『残念ではありますが…』という雰囲気や表情を意識するだけでも、意外とフレーズそのものに気を遣う必要はなかったんだ、ということに気付くかもしれません」
「心が限界を迎える前」に気づくべきサインと人間関係の基準
Q.無理をして「いい人」を演じ続けてしまった結果、心が限界を迎える前に「人間関係の整理」をするための判断基準を教えてください。
うるかすさん「特に『断れないタイプ』の人は、何でもやってくれると思って後先考えずにどんどんと仕事を振ってくるようなタイプの人とは相性が悪いです。
心理学では自己犠牲をして相手に尽くすタイプの人を『ギバー』、自分の利益を最優先にして多くのことを受け取ろうとするタイプの人を『テイカー』と呼びます。
このうちテイカー気質の人は、『いい人』を演じて断らない人のことを『断らないからやってくれるのが当たり前』と勘違いしてしまい、いい人を演じるギバーを必要以上に搾取してしまう構造が出来上がってしまうのです。
そのため、『こちらの気持ちをあんまり考えてくれていなさそうだな…』と感じるようなテイカー気質がある人は、少し注意して行動を観察したほうが良いかもしれません。
反対に、お互いに助け合えるような存在で、『ギブアンドテイク』の構造がしっかりと成り立っている関係性が築けている人とは、お互いにとってよい関係を築きやすく、ビジネスなどの現場でも成長しあえる存在になれるかもしれませんね。
また、自己犠牲的に相手に尽くすタイプの人の中には、少し体調を崩したり、気分の落ち込みや抑うつ感が出てきたりしても、『これくらいは甘えかもしれない』『自分が弱いだけかもしれない』と受け止め、自分を休ませたり甘やかしたりすることに否定的な考えを持っている人も少なくありません。
そのため、自分が無理をしている状態に気付きにくくなってしまうことがあります。本当に限界を迎えてからではなく、『無理をしようと思えばできるけれど、少し頑張り過ぎているかもしれない』という、少し早めのタイミングで立ち止まり、調整していくことが大切になってくるかもしれません」
* * *
自分を厳しく律することは成長の原動力にもなりますが、度を越してしまうと心身の限界を招くリスクがあります。「NO」と言うことは、相手を拒絶することではなく、自分を守るための大切なステップです。
まずは「せっかくなのですが」の一言から、小さな「自分の本音」を伝える練習を始めてみませんか。
オトナンサー編集部
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