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ナニコレ!? あまりにもヤバい「ヘアピン激坂トンネル」を実見 脅威の勾配 無数の擦り跡…どうしてこんな“力づくで通した道”が?

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  • 乗りものニュース
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今じゃあり得ない!

 現代のクルマは、20%程度の勾配であれば、問題なく上り下りできる性能を持っています。とは言え、あまりの急勾配は交通の安全性、円滑性の観点から望ましいものではありません。そのため「道路構造令」では線形に一定のルールを設けていますが、こうした規定にそぐわない、いわば“力づく”で通した道も存在します。

Large figure1 gallery14野中3号線をゆっくりと下る、住民のものと思われるクルマ。路面にはスリップ痕が多数残されている(植村祐介撮影)

 道路構造令第20条では、山地部で交通量が少ない市町村道にあたる「第3種第4級」でも、設計速度が40km/hの場合は10%、30km/hの場合は11%、20km/hの場合は12%などと定められています。またカーブについても同様で、道路の中心線の曲線半径は設計速度が40km/hの場合60m、30km/hの場合30m、20km/hの場合15mです。

 そのため急峻な地形に道路を建設する場合は、急坂を避けるために大回りして距離を稼ぐ、カーブの半径を緩和するために高架を用いるなどの手法が採られることが一般的です。

 しかし道路構造令が公布、施行されたのは1958年で、それより古い道路にはこうした規定にそぐわないものがあります。静岡県熱海市の「市道野中3号線(以下、野中3号線)」も、そうした道路のひとつです。

 野中3号線は、熱海駅前の繁華街と、熱海駅の西隣の来宮駅の間、熱海市立図書館の向かい側にある「藤森稲荷神社」の西側にひっそりと入口を開け、急傾斜地に分け入る約300mの道路です。登り切ったところはマンションの敷地になっていて、起点との高低差は約50m、平均勾配は約17%です。

 これくらいの勾配の坂であれば、わりと“どこにでもある存在”でしょう。ただ野中3号線の特異性は、この約300mの間に「3つのヘアピンカーブを挟むこと」、そして「トンネルが設けられていること」にあります。実際に現地を訪ねて、その状況をレポートしましょう。

 来宮駅方面から歩いてきて、熱海市図書館の前を過ぎると、道路の左手に赤い幟が立ち並ぶ階段が見えます。これが藤森稲荷神社です。そしてその隣には道を挟んでホテルやマンションの案内看板が立ち、上り坂の入口にあたる路面には「高さ制限3.0m」を示すペイントが標示されています。ここが野中3号線の起点です。

 しかし実際にクルマで通行する際、気になるのは高さ制限よりも幅員ではないでしょうか。この上り坂の部分の幅員は約4mですが、両側に壁があることから、実感としては「普通車がすれ違えない」ように見えます。

 ただこの狭さは、実際にはイントロのようなものです。そのまま進むと野中3号線は左にほぼ直角にカーブし、カーブの外側には「トンネルの狭さ」を警告する看板が設置されています。

激セマ・ヘアピン・急坂ぜんぶMIX! 脅威の道

 カーブを曲がったところで坑口を現すそのトンネルは「野中山トンネル」で、全長は24.8m、開通は1952年です。野中3号線は、幅員を保ったままトンネルに入っていきますが、トンネル入口からその勾配は急に険しくなり、トンネル内でヘアピンカーブ状に右に大きく曲がります。その曲線の半径は、目測で5〜6mといったところでしょうか。

 トンネル中央部で幅員は5mまで広がりますが、その急曲線ゆえ、軽自動車同士でもすれ違うことは不可能です。普通乗用車であっても、全長5m近い大型車であれば、単独での通り抜けそのものにも気を遣いそうです。

 トンネル内の道路の斜度ですが、現地で撮影した写真をもとに計算したところ、もっとも傾斜が急な中央部分で、おおむね30%ほどではないかと考えられます。

 トンネルの内壁には、内輪差の大きなクルマの接触によるものか、いくつもの線形のキズが刻まれています。また路面には向きの違う幾重ものスリップ痕があり、登坂に苦労した状況がうかがえます。

トンネルを抜けても続く急坂ヘアピン

 トンネルの出口からは幅員はまた約4mとなり、右手にある民家を過ぎてさらに急坂を上がっていきます。そしてすぐにふたつめのヘアピンカーブとなります。この曲率は、トンネル内のヘアピンカーブよりもややゆるく感じますが、傾斜はいっそう急です。

Large figure2 gallery1熱海市道野中3号線の入口。右の幟が並ぶ階段が「藤森稲荷神社」に続く(植村祐介撮影)

 トンネルの出口からは幅員はまた約4mとなり、右手にある民家を過ぎてさらに急坂を上がっていきます。そしてすぐにふたつめのヘアピンカーブとなります。この曲率は、トンネル内のヘアピンカーブよりもややゆるく感じますが、傾斜はいっそう急です。

 このカーブを抜けると、道路は約50mの直線となります。最後に現れるヘアピンカーブは、右に曲がる直角カーブをふたつ組み合わせたような形状となっています。そしてその先で野中3号線はマンション敷地につながり、市道はここで終わります。

 この2棟構造のマンションの総戸数は181戸で、取材中もトンネルを上り下りする人やクルマの往来がありました。朝夕など出入りの多い時間帯には、住民同士がこの狭い野中3号線を譲り合って通っていると思われます。

 またマンションの西隣にあるリゾートホテルからは眺望が楽しめそうですが、クルマでのアクセスでは、この野中3号線でのすれ違いに注意が必要でしょう。

 このように他では例のない急カーブ、急勾配のトンネルが迎える野中3号線ですが、もし見学される場合は来宮駅からの徒歩がおすすめです。クルマでのアクセスは、もし対向車が来たときに苦労するだけでなく、Uターンにはマンションの敷地を使うことになるなど、この地域の人に迷惑をかける可能性が大きいからです。

 もしクルマでのアクセスする場合は、来宮駅前の熱海市営駐車場を利用しましょう。またあわせて、パワースポットとして知られる来宮神社を参拝し、健康長寿、縁結びをお願いしてみてはいかがでしょうか。

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