どうする「関門国道トンネル」 進む老朽化 増える修繕費 関門橋と異なる使われ方
- 乗りものニュース |
NEXCO西日本九州支社が、国道2号関門トンネルの維持管理・修繕に関する課題や対応方策を検討する有識者会議を開催しました。
開通から60年以上が経過
関門海峡をくぐる国道2号関門トンネルの老朽化が進んでいます。NEXCO西日本九州支社は2024年12月25日、同トンネルの維持管理・修繕に関する課題や対応方策を検討する1回目の有識者会議を開催しました。
国道2号関門トンネルの門司側車道坑口(画像:写真AC)。
国道2号の関門トンネルは、山口県下関市と福岡県北九州市を結ぶ海底トンネルです。延長は3461m。丸いトンネルの中は2階建てで、上が有料2車線対面通行の車道、下が無料の人道です。
1939(昭和14)年に着工。1945(昭和20)年には戦災で立坑などが焼失しましたが、1952(昭和27)年に工事を再開し、1958(昭和33)年3月に開通しました。
その後、交通量は増加。1973(昭和48)年に高速道路の関門橋が開通した後も増加傾向は続き、2003(平成15)年度にピークの一日平均3万5600台を記録しています。
しかしそれ以降、関門海峡を渡る交通量はほぼ横ばいですが、関門橋を選ぶクルマが増え、関門トンネルの交通量は減少に転じています。2023年度は一日平均2万5200台です。
関門トンネルと関門橋は、ゆるい役割分担と相互補完の関係にあります。トンネルは、軽自動車と普通車が合わせて85%を占め、下関側から北九州側への近距離通勤や生活利用で通るケースが多い傾向です。
対する橋は、高速道路網の一部を担っており、長距離を走る多くの大型車に利用されています。トンネルとは逆に、橋は午前に本州行き、午後に九州行きのクルマが増えます。
こういった関門トンネルですが、2025年には開通67年目を迎え、老朽化が進んでいます。海の下を通ることから一日およそ4800tの湧水があり、ポンプによる排水が必須です。加えて換気設備も常時稼働しています。
NEXCO西日本の資料によると、交通量は減少傾向である一方で、材料費や労務費などが上昇しており、修繕・維持費に影響しているといいます。
そういった状況下で必要に応じて修繕を進めているものの、老朽化によりひび割れや剥離、鉄筋露出などが生じており、さらなる修繕や更新、耐久化が必要な箇所があるといいます。
会議はまだ1回目のため、トンネルの具体的な損傷状況や、今後必要な取り組みについては、2回目以降に検討が進む見込みです。
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