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「速すぎた戦闘機」速度も上昇も優れたロケット航空機が消えた納得の理由とは? 異名は「恐怖の彗星」

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  • 乗りものニュース
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燃焼に酸素を必要としないロケットエンジンは、宇宙空間だけではなく地球の高高度の飛行にも適しています。にも関わらず、現在まで戦闘機がほとんど存在しないのはなぜなのでしょうか。

味方にとっての「恐怖の彗星」

 1941年9月1日、画期的な機体が初飛行を果たしました。ロケット推進によって飛行する戦闘機、Me163「コメート」です。この機体は、数ある航空機の中で唯一、実戦に投入されたロケット戦闘機となっています。

Large figure1 gallery11唯一の実戦経験のあるロケット戦闘機Me163「コメート」(画像:アメリカ空軍)

 宇宙に打ち上げられる飛行体には、液体または固体の推進剤(燃料)が使用されます。これらは、燃料と酸化剤の化学反応によって推進力を得るため、空気中の酸素を必要としません。そのため、真空の宇宙空間での航行に適しているだけでなく、同サイズのジェットエンジンと比べても、地球高高度での高速飛行に優れており、短時間で高高度に到達することが可能です。

 こうした特性を持ちながらも、ロケット推進は軍用機のエンジンとしてはほとんど使用されていません。数あるロケット飛行機の中で、第二次世界大戦中に特攻機として使用された日本の「桜花」を除けば、2025年現在においても、実戦に投入されたのは、1943年に迎撃戦闘機として運用が始まった「コメート」のみです。

 では、これほど優れた特性を持ちながら、なぜ軍用機として普及しなかったのでしょうか。――それは、メリットを大きく上回る深刻なデメリットが存在したからです。

 確かに「コメート」は、実戦投入当初、圧倒的な上昇力と、それを活かした一撃離脱戦法によって大きな戦果を挙げました。しかし、戦闘機として必要な装備を搭載すると推進剤の積載量が限られ、さらに上昇時に大量の推進剤を消費するため、航続距離が極端に短くなるという問題がありました。上昇中に燃料をほぼ使い切ってしまうため、実際の飛行時間は数分程度に過ぎなかったといわれています。その後は得られた高度を利用し、できるだけ長く滑空するしかありませんでした。

 当初は、「コメート」の高高度からの一撃離脱戦法に対し、連合国の爆撃機隊も大きな脅威を感じていました。しかし、「コメート」が飛行場周辺でしか防空戦闘を行えないことが明らかになると、敵はその配備拠点を避けて飛行するようになり、やがて目立った戦果は挙げられなくなっていきました。

 さらに「コメート」は、推進剤としてヒドラジンなどの劇薬を使用しており、これらは極めて爆発性・腐食性の高い物質でした。わずかな燃料漏れでも、パイロットや整備員の命が危険にさらされることがありました。

 また、離着陸にも大きな問題がありました。離陸時には燃料を節約するため、車輪を切り離す構造となっており、着陸時にはスキーのような胴体下面を滑らせて降下する必要がありました。しかも、燃料は上空で使い果たす前提であったため、着陸時にはただの操縦性の悪いグライダーと化していたのです。

 当然ながら事故も多発し、やがて味方兵士の間では「恐怖の彗星」という異名で呼ばれるようになりました。もちろん、その「恐怖」を感じていたのは敵ではなく、味方自身でした。

 

ロケット軍用機はその後も研究されたものの…

 
 同機実践投入後や戦後にもロケット軍用機の研究は行われました。ドイツの敗戦間際には、Ba 349「ナッター」というロケット戦闘機も登場しました。同機は戦闘後、エンジンを分離して再利用し、パイロットは脱出するというシステムでしたが、部隊配備されたのは1945年4月だったために実戦参加はなかったとされています。

Large figure2 gallery9Me163「コメート」を参考に開発された日本の「秋水」(画像:サンディエゴ航空宇宙博物館)

 また、旧日本陸軍でも「コメート」の図面を参考に、局地戦闘機「秋水」の開発が行われましたが、実戦投入されることはありませんでした。

 第二次世界大戦後も、アメリカやイギリス、ソビエト連邦ではロケット戦闘機の研究が続けられました。さすがにヒドラジンで飛ぶことはなくなりましたが、推進剤の内容物が変わってもトラブル時にエンジンが爆発、炎上する危険性などはロケット推進剤の特性として残りました。

 なお、量産化はされていないものの、1947年10月14日に史上初めて音速を突破した航空機「X-1」も、ロケットエンジンを使用していた機体となっています。

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