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「大江戸線」新宿スルーだったかも? 全通までの紆余曲折 一時はモノレール構想も

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  • 乗りものニュース
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東京都心の地下で環状線を形成する都営大江戸線ですが、現在の「6の字」運転になるには、経由地も含めて紆余曲折がありました。一時は計画が凍結されたほどでしたが、今や大規模災害時には、人々を救う使命まで与えられています。

芦花公園~飯田橋~両国~月島~麻布というルート

 東京の地下鉄で唯一の環状線が形成されている都営地下鉄大江戸線。しかし開業までの道のりは険しく、一時は建設が絶望視されました。

Large 230126 oedo 01都営大江戸線で使われる12-000形電車(画像:photolibrary)。

 日本初の地下鉄を建設した東京地下鉄道(現在の東京メトロ銀座線)が当時、上野から本郷、早稲田、四ツ谷、麻布、三田を結ぶ環状線を国へ出願したように、JR山手線のほかに都心で環状線を整備しようという構想は古くからありました。

 ただ大江戸線の直接のルーツは、1962(昭和37)年の都市交通審議会答申第6号で追加された「地下鉄9号線」といえるでしょう。これは京王線の芦花公園駅から方南町、新宿を経て飯田橋、御徒町、両国、月島を経由して麻布に至る、完全な円形とはいえない路線でした。

 その後、計画は取消、区間の縮小など二転三転しますが、1972(昭和47)年の都市交通審議会答申第15号で、大泉方面から練馬、東中野、西新宿の放射線と、西新宿から本郷三丁目、蔵前、森下、門前仲町、月島、浜松町、麻布、信濃町を経て西新宿に戻る環状線からなる、6の字型の「12号線」とされました。

 一般的に郊外から都心へ中長距離の通勤・通学利用が見込まれる放射線と比べて、各放射線を結ぶため短距離利用が多い環状線は赤字になりやすい傾向にあります。そのため12路線中、唯一の環状線である12号線は、路線獲得合戦を繰り広げた当時の営団地下鉄と東京都がどちらもやりたがらないという始末でした。

凍結された12号線計画

 とはいえ当時、都電の廃止が進む一方、代替交通機関と位置付けられた都バスも交通渋滞の悪化で定時運行が困難な状況に陥っており、新たな交通機関の必要性は高まっていました。そこで地下鉄より安価なモノレールで、新宿から池袋、王子、町屋、三ノ輪、両国、深川、月島、浜松町、恵比寿を経由して新宿に戻る、総延長約35kmの環状線を整備する構想が浮上しました。

Large 230126 oedo 02光が丘につながる「放射部」が加わった12号線の計画ルート(都市交通審議会答申第15号を枝久保達也が加工)。

 当時の美濃部亮吉都知事の私的諮問機関「都モノレール調査研究会」が、世界に例を見ない長大環状モノレール建設の妥当性を検討しますが、需要予測は約42万人と距離の割には少なく、橋脚建設に必要な街路拡幅工事に想定以上の費用がかかることが判明します。

 それだけの経費をかけるのであれば、需要の多い地域を地下鉄で結んだ方が効果的なのでは、という考えに傾いていきましたが、この頃の東京都交通局は財政再建途上で、さらにオイルショックが直撃。モノレールであれ地下鉄であれ大規模新線を建設する余力はなく、1976(昭和51)年に12号線計画は凍結されます。

 ちなみに当時の地下鉄12号線計画は現在の大江戸線とは異なり、20m車10両編成の「フル規格」でした。また、都市機能の一極集中を避けるため、あえて新宿や飯田橋など既存ターミナルを避けたルートを取り、利用者を分散させる狙いもありました。

 ただ、このままでは12号線の実現は夢のまた夢と考えた東京都は、車両を小型化してトンネル断面と駅の規模を縮小し、建設費の7割を占める土木工事費を削減することで計画を再始動。1986(昭和61)年に練馬~光が丘間から着工します。

大江戸線に課された使命「非常運転」とは

 1988(昭和63)年には通常の鉄道よりも半径の小さなカーブや急勾配を走行可能なリニアモーター方式の採用が決まります。練馬以南と環状部のルートはリニアの特性を踏まえて再検討され、新宿駅や飯田橋駅への接続、汐留や六本木など大規模開発予定地の経由、都庁や公共施設へのアクセスを高めたルートにすることで採算性も向上しました。

 環状部は資金調達を円滑に行うため新設された第3セクター「東京都地下鉄建設」が建設を担うことになり、1992(平成4)年に着工。2000(平成12)年の全線開業に至りました。

Large 230126 oedo 03豊島区の千早フラワー公園に保存さている、開業前に製作・試運転された試作電車(乗りものニュース編集部撮影)。

 地震に強い地下深いトンネルで都心要衝を結ぶ12号線に、東京都は「防災ネットワーク」という、もうひとつの使命も与えています。清澄白河と麻布十番の2駅に食料や医薬品、毛布、救助用資材などを備蓄する地下防災施設を設置し、非常時には物資輸送と避難を行う計画です。

 幸いこれまで非常輸送が行われたことはありませんが、全線地下線で相互直通運転を実施していないため台風や大雪の影響をほとんど受けず、また東日本大震災でも銀座線と並んで早期に運転再開するなど災害への強さは証明済みです。

 実現まで紆余曲折があり、開業後も批判が少なくなかった大江戸線ですが、開業当初は多額の赤字に苦しんだものの、2016(平成28)年度に黒字転換。現在はコロナ禍で赤字に転落していますが、既に都民にとって大江戸線の存在感は揺らぐことはないでしょう。

※誤字を修正しました(2月7日15時50分)。

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