「ノンアルでワインの休日」発売から3年でも好調　サントリーが開発時に貫いた“こだわり”

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オトナンサー
2025年3月28日7時10分

サントリーが販売する「ノンアルでワインの休日」（赤）と「ノンアルでワインの休日」（白）

　サントリー（東京都港区）が販売するノンアルコール飲料「ノンアルでワインの休日」（赤、白）が、2025年3月で発売から4年目を迎えました。同社ワイン本部の山前浩典さんによると、シリーズ累計の販売本数は同年2月現在で5900万本を超えているということです。ノンアルでワインの休日は、なぜヒット商品となったのでしょうか。開発経緯について、山前さんに聞きました。

脱アルコール化したワインエキスを使用

Q.「ノンアルでワインの休日」を開発したきっかけや理由について、教えてください。なぜワインのノンアルコール飲料を考案したのでしょうか。

山前さん「新型コロナウイルスが流行し始めた2020年以降、健康意識の高まりやテレワークといったライフスタイルの変化により、ノンアルコール飲料の需要が高まったことがきっかけです。当社が市場を調査した結果、ノンアルコール飲料はビールが主流で、『種類が少ない』『よりおいしい商品が増えてほしい』という声があることが分かりました。

そこで、ビール以外のノンアルコール飲料を充実させたいと考える中で、当社が長年培ってきた酒類のブレンド技術に着目し、2021年にワインのノンアルコール飲料の開発に着手しました」

Q.当時、ワインのノンアルコール飲料は非常に珍しかったと思いますが、商品開発にあたり、工夫した点や苦労した点について、教えてください。

山前さん「アルコールを使わずに製造しなければならない分、中身の味づくりに苦労しました。そこで、考案したのがワインを蒸留し、脱アルコール化したワインエキスを使用することです。開発時は幾度となく試作を繰り返したほか、シニアソムリエ資格を所有する社員が中身の開発に携わり、普段ワインをあまり飲まないお客さまだけでなく、ワイン好きのお客さまが飲んでも満足いただけるよう、おいしさを追求しました。

その結果、果実味あふれる香り、ワインエキスによる深みのある味わい、飲み終わりの余韻など、まるでワインのような香味を持った本格的な味わいに仕上げることができました。また、多くのお客さまに気軽に飲んでいただきたいという思いもあり、スパークリングワイン仕様に仕上げたのも特長です。その後、2022年3月に『ノンアルでワインの休日』（赤、白）として発売しました」

Q.「ノンアルでワインの休日」を発売後、商品の売れ行きや評判はいかがでしたか。

山前さん「販売初年の2022年は90万ケースを売り上げました。2023年、2024年は市場でノンアルコール飲料が注目されるようになり、初年の販売実績を超えることができませんでしたが、現在も売り上げは堅調に推移しています」

Q.「ノンアルでワインの休日」が2025年3月で発売から4年目を迎えましたが、なぜヒットしたのでしょうか。考えられる要因について、教えてください。

山前さん「ノンアルでワインの休日は2025年2月現在、シリーズ累計で5900万本以上を売り上げており、売り上げの内訳は赤と白でそれぞれ半分程度です。発売後の当社の調査では、商品をお飲みになったお客さまのうち、半数近くが赤と白を両方購入したことが分かりました。

やはりワインを使用し、おいしさを追求したことがヒットにつながったと考えております。ノンアルでワインの休日は、ワインを飲んだことがある50～60代の女性のお客さまを中心にご購入いただいております。商品を召し上がったお客さまからは『ノンアルコールでも十分に楽しめる味』『ワインを飲んでいる気分にさせてくれる』という評価をいただいております」

Q.「ノンアルでワインの休日」は、どのようなときに飲まれることが多いのでしょうか。商品とよく合う料理はありますか。

山前さん「やはり夕食時にお飲みになるケースが一番多いです。また、食後にリラックスしたいときや休日の昼食時にお飲みになるお客さまもいらっしゃいます。

赤をお飲みいただく場合はボロネーゼパスタや豚のしょうが焼き、ギョーザなどの料理と組み合わせるのがお勧めです。白の場合は魚のムニエルやたこ焼きなどとよく合います。

ノンアルでワインの休日はさまざまな料理と合う味わいに仕上げているため、ぜひ食事の際にお飲みいただければと思います」

オトナンサー編集部