新ルール「ほぼ自転車扱い電動キックボード」を体験 施行は2年内 課題は山積み
- 乗りものニュース |

電動キックボードなどの車両区分を新たに定める道路交通法の改正案が衆議院で可決、2年内に施行されます。新ルールは免許不要、一部歩道も最高6km/hで通行可になりますが、課題は山積み。その現在地を“体験”してきました。
電動キックボードシェア事業は「車両全取替え」に
2022年4月19日(火)、電動キックボードなどの車両区分を新しく定める道路交通法の改正案が衆議院で可決、2年内をめどに施行されます。これを受け、電動キックボードのシェア事業「LUUP」を展開するLuupが、新ルール施行後の速度に合わせた電動キックボードの試乗会を東京都内で28日(木)に開催しました。
LUUPの電動キックボード走行イメージ(画像:Luup)。
電動キックボードは現在、原付として分類され、公道を走行するには原付の基準に則った保安部品などが必要になります。これに対し改正道交法では、電動キックボードなどを想定した車両区分「特定小型原付」を新設し、主に次のように定義しています。
・最高速度20km/h(21km/h以上30km/h以下の場合は、これまで通り「原動機付自転車」)。
・運転免許不要、ただし運転できる年齢は16歳以上。
・ヘルメット着用は努力義務(非着用でも違反にならない)。
・走行帯は車道、普通自転車専用通行帯、自転車道。最高速度6km/h以下に制御した場合は例外的に自転車通行可能な歩道を通行できる。
年齢制限はあるものの、特定小型原付は、ほぼ自転車に近い扱いとなります。Luupの岡井大輝社長は、自転車と同じように、「路上駐車の多い場所などで、歩道へ逃げることができるようになる」と説明します。
ただ、最高速度を6km/hに切り替える具体的な制御方法などは、これから当局で決められます。また、岡井社長によると、低速モードであることをライトの色などで対外的に示す「識別点滅灯火」も必要になるものの、そうした車体要件も決まっていないとか。
特定小型原付として適合するには、「いまの機体は全て取り替える必要がありますが、保安基準が決まらないと作りたくても作れず、施行に間に合わないかもしれない」ということでした。
「歩道走れるモード」に乗ってみた
そうしたなか、今回の試乗会では、最高速度6km/h、15km/h、20km/hにそれぞれ制御された電動キックボード3台の乗り比べが行われました。6km/hは歩道を走れるようになる速度、15km/hは現行のLUUPの電動キックボードの最高速度(実証実験の位置づけで、小型特殊自動車の区分をあてはめている)、20km/hは特定小型原付の最高速度です。
まず6km/hは「早歩きくらい」というスピードですが、ゆっくりで安心感ある乗り味でした。ただ、外から見た姿は一番フラフラしていた印象があります。
一方、20km/hは立ち乗りとしては「かなり速い」と感じるほどですが、岡井社長によると、15km/hでは信号通過時など「遅すぎる」といった声があるとのこと。20km/hまで出せる点は、利用者の声が反映されたと評価しました。
「15km/hは電動アシスト自転車より遅いので、自転車通行帯を走っていると、他の自転車が車道に出て追い越していくことが考えられます」と岡井社長。それは他の自転車にとっても、クルマにとっても危険性をはらんでいるということです。
岡井大輝社長(中島洋平撮影)。
一方、特定小型原付のルールを周知していくうえで、懸念点もあるといいます。それは「歩道を走れる」という点。
「電動キックボードはあくまで車道を走るのが原則だと思っています。歩道に逃げられるというルールも必要ではありますが、この点が強調されすぎると歩道メインと思われがちになり、混乱を招く恐れがあります」(岡井社長)
自転車でも「車道が原則」というルールが徹底されていないように、特定小型原付となる電動キックボードもまた、道路のなかで曖昧な存在になりかねないというわけです。
ビジネス層が「取引先までサッと乗る」世界
こうした様々な課題や懸念点もあるとはいえ、これまで日本の道路交通法や道路運送車両法のなかで極めて中途半端な位置づけだった電動キックボードなどの新モビリティに、特定小型原付という区分が設けられました。これにはLuupを始めシェア事業者や販売事業者が働きかけ、走行データなどを提供してきた経緯があります。
「たとえば弊社の場合、アプリをダウンロードしたものの、実際には利用していないという方が相当数います。主に30代~50代です。『取引先まで使いたい、けどまだルールがあいまいなため社会人としては怖くて乗れない』といった声がありました。そうした人にアプローチできるようになります」(岡井社長)
むしろ、そのような人のほうが「マジョリティ」(岡井社長)だといい、ルールの明確化で社会的な存在感を高められる可能性に期待感を示しました。
しかしながら、ここまで現行から大きく変化する新ルール施行までの周知や安全対策が課題になります。その啓発はもちろん、「あらゆる人に信用してもらうには、初動が大切」(岡井社長)といい、Luupは悪質な利用者に対しアカウントの永久停止を行うなど、厳しい態度で望んでいく構えです。
試乗会はヒルトン東京お台場のポートで行われた(中島洋平撮影)。
また今回、岡井社長は「中長期的には電動キックボードから撤退するかもしれない」との見解も示しました。
Luupは当初から、高齢者なども乗りやすい3輪、や4輪のモビリティのシェア事業も構想しており、すでに自治体とも連携しているそう。特定小型原付に区分される3輪や4輪の機体を開発していくといい、貸出ポートでそれらが電動キックボードと混在するのではなく、3輪や4輪に軸足を移していく考えだそうです。
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