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新型「戦闘機の“お供”の無人機」エアバスが発表 あと3年で実戦へ? 透ける「ポシャりかけの新型戦闘機」計画のゆくえ

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  • 乗りものニュース
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なぜ? 欧州エアバスが米国製UASをベースにする理由

 エアバスは2026年3月13日、無人協調戦闘機(UCCA)「ヴァルキリー」の開発を進めていることを明らかにしました。これはアメリカなどで開発が進められている協働戦闘航空機(Collaborative Combat Aircraft:CCA)と同様、自律飛行能力を備えた、有人航空機と協働するUAS(無人航空機システム)です。

Large figure1 gallery13無人機と共に任務にあたるユーロファイター「タイフーン」のイメージ(画像:エアバス)

「ヴァルキリー」はユーロファイターや同機を後継する第6世代戦闘機などからの制御が想定されています。10年ほど前から欧米諸国ではUCCAやCCAの実用化にあたって、「人の生命を奪う可能性のある攻撃の判断を、機械任せにしてよいのか」という倫理的な議論があり、攻撃の判断は必ず人間の意思が行う「マン・イン・ザ・ループ」という概念が採り入れられています。

 ただ、このヴァルキリーはアメリカのクラトス・ディフェンス&セキュリティ・ソリューションズ(以下、クラトス)が開発したUAS XQ-58A「ヴァルキリー」をベースに開発されています。

 本来、エアバスが本拠地を置くフランス、ドイツ、スペインは防衛装備品の依存度を下げるため、可能な限り自力で開発する方針を採用しており、エアバスには独力でUCCAを開発する能力があると筆者(竹内 修:軍事ジャーナリスト)は考えています。

 にもかかわらず、同社がアメリカ製のXQ-58Aをベースとするシステムの開発に踏み切ったのは、短期間に開発を完了して実用化しなければならない、切迫した理由があるからにほかなりません。

よもや空中分解の「戦闘機の共同開発」 ドイツの新たな動き?

 その切迫した理由は、ドイツ空軍の将来構想にあります。

 ドイツはF-35Aとユーロファイターの最新仕様「トランシェ5」の導入を決定して、喫緊の空軍力強化を図りながら、フランス、スペインと共同で第6世代戦闘機「NGF」を中核とする新戦闘航空システム「FCAS」(フランス語ではSCAF)の開発計画を進めています。

 FCASは2040年代の実用化を目指していましたが、共同開発計画の合意は難航を極めており、もはや“空中分解”寸前とまで言われる状態です。

 背景には、フランスがNGFに核兵器の搭載能力と空母での運用能力を求めているのに対して、ドイツ、スペインの両国がそれを求めていないことや、フランス側でNGFの開発を主導するダッソー・アビエーションと、ドイツ、スペインの両国でNGFの開発を主導するエアバスの主導権争いなどがあります。

 ヴァルキリーの開発は、そのドイツ側の新たな動きのひとつといえるのです。

ヴァルキリーから見える「FCASの落とし前」

 フランスとドイツはNGFの共同開発を完全には諦めてはいないようで、2026年3月19日付の「POLITICO」は、両国が2026年4月を目途に再起動を試みると報じています。

Large figure2 gallery14新たに公開されたフランスの新原子力空母「自由フランス」のイメージ。艦載機にNGFらしきものはない(画像:Naval Group)

 他方、フランスは同日に新原子力空母「自由フランス」(フランス・リーブル)の名称を明らかにしていますが、その建造を担当する同国の造船企業ナバル・グループが発表したコンセプトCGには、飛行甲板にNGFの艦載機型が搭載されていません。

 このことから、FCASの共同開発は各種UASと有人航空機を接続する通信ネットワーク「コンバットクラウド」など一部にとどめ、NGFの共同開発は行われない可能性が高いと筆者は思います。

 NGFの共同開発が中止になった場合、フランスとドイツはどのような選択をするのでしょうか。

 前に述べたナバル・グループの「自由フランス」のCGの飛行甲板には、ダッソー・ラファールと、ラファールと協働するCCAと思しき機体が並んでいました。フランスはこの手法を選択するのかもしれませんし、単独、または他国と組んで第6世代戦闘機を開発するのかもしれません。

 NGFの共同開発中止が取りざたされて以降、ドイツはF-35Aの追加調達や、日本、イギリス、イタリアが進めている第6世代戦闘機の共同開発計画「GCAP」へ参加するのではないかとも見られていました。

 しかしF-35Aの追加調達はドイツ政府が公式に否定していますし、既に開発が開始されているGCAPに今から加入しても、ドイツ産業界の需要を充たす仕事を得ることは難しく、本格的に参加する可能性は低いと筆者は思います。

「有人戦闘機って必要?」思想を反映か

 ドイツのフリードリッヒ・メルツ首相は政治ポッドキャスト「Machtwechsel」に出演した際「20年後も有人戦闘機はまだ必要なのか」「そんな高コストで開発する必要があるのか」とも述べています。2019年までエアバスのCEOを務め、現在はドイツ外交問題評議会の会長を務めるトム・エンダース氏も、ドイツ政府は有人戦闘機ではなく、無人戦闘機に賢く投資すべきだとしています。

Large figure3 gallery152019年6月に開催されたパリエアショーで展示された「NGF」のコンセプトモデル(竹内 修撮影)

 ドイツ政界におけるこのような考え方は空軍や産業界にも共有されているようで、前に述べたようにエアバスとクラトスは2025年に、XQ-58Aをベースとする新戦闘航空システムの共同開発に合意しています。冒頭の「ヴァルキリー」は、その合意に基づいて開発が進められています。

 また、エアバスとクラトスは「ヴァルキリー」の共同開発に合意した際、2029年までにドイツ空軍で実戦配備につくという目標を掲げています。それ故に、エアバスは開発が先行しているアメリカ製のXQ-58Aを「ヴァルキリー」のベースにしたと考えられます。

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