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SNS映え観光地と化した「現役空母」がまさかの復活へ!? 近代化改修で驚くべき姿に! タイの「チャクリ・ナルエベト」

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  • 乗りものニュース
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タイで事実上の広報艦となっていた空母「チャクリ・ナルエベト」に、近代化改修が施されることが決定しました。今は観光客をどっさり載せていますが、将来はある兵器をどっさり載せる空母になるかもしれません。

空母なのに「年中無休の観光地」 しかし動き出す!?

 2025年11月10日から14日までの4日間、タイの首都バンコク近郊に所在する大規模イベント施設「インパクト」で、防衛・セキュリティ展示会「ディフェンス&セキュリティ2025」が開催されました。取材のため同展示会を訪れた筆者(竹内 修:軍事ジャーナリスト)は、スペインの造船企業「ナバンティア」の展示ブースに目を引かれました。

Large figure1 gallery8観光地と化している係留中のチャクリ・ナルエベト(netsuthep/123RF)。

 そこでは、同社の前身であるバサン造船所が建造したタイ海軍の空母「チャクリ・ナルエベト」の大型模型とともに、2025年10月24日に崩御された同国のシリキット王太后が臨席して行われた「チャクリ・ナルエベト」の進水式(1996年)の模様を大型ディスプレイで映し出していました。

「チャクリ・ナルエベト」は近年、稼働の機会を失い、母港のラヨーンに係留されてタイ国民限定で一般公開されており、事実上の広報艦として機能しています。Google mapには、係留中の空母でありながら「観光地」「年中無休」などと登録されているほどです。

 ナバンティアの展示は同社とスペイン、タイとの「絆」アピールだと思っていたのですが、筆者はその後、驚くべき話を耳にしました。なんと「チャクリ・ナルエベト」の近代化改修が決定し、既に担当するフランスの総合防衛企業タレスとの間で、契約を締結していたというのです。

「アジア初」のジェット戦闘機搭載空母だった

「チャクリ・ナルエベト」は、スペイン海軍が1988年から2013年まで運用していたSTOVL(短距離離陸・垂直着陸)空母「プリンシペ・デ・アストゥリアス」の設計を流用して、同艦を開発・建造したバサン造船所で建造されました。スペイン艦の「プリンシペ・デ・アストゥリアス」よりも小さく、タイ海軍は「チャクリ・ナルエベト」をヘリコプターのみを搭載する「外洋哨戒ヘリコプター母艦」に分類していました。

 しかしスペインから、同国海軍を退役したSTOVL(短距離離陸・垂直着陸)ジェット戦闘機のハリアーシリーズのAV-8S「マタドール」を格安で譲渡されたことから、「チャクリ・ナルエベト」は事実上のSTOVL空母となりました。

 同艦が就役した1997年の時点では、中国海軍の空母も海上自衛隊のいずも型護衛艦も存在しておらず、「チャクリ・ナルエベト」はアジアで初めてジェット戦闘機を運用する空母ということになります。

 ただAV-8Sはタイ海軍に引き渡された時点で既に老朽化しており、同国海軍にAV-8Sを活用する状況も存在しなかったことから、2000年代中期には運用を停止。「チャクリ・ナルエベト」はS-70B-7哨戒ヘリコプターとMH-60S汎用ヘリコプターのみを運用する空母となっています。当初はシー・スパロー中距離艦対空ミサイルのVLS(垂直発射装置)の後日装備も計画されていたものの、アジアを見舞った通貨危機に伴う国防費の削減によって計画は中止され、2001年にミストラル短距離滞空ミサイルランチャーが追加装備されるに留まりました。

こうして“動かせなくなった”チャクリ・ナルエベト

 そんな「チャクリ・ナルエベト」がなぜ、稼働の機会を失っていったのかといえば、やはりカネの問題です。

Large figure2 gallery9「ディフェンス&セキュリティ2025」のナバンティアの展示ブース。チャクリ・ナルエベトの大型模型と、10月に崩御したシリキット王太后が臨席して行われた同艦の進水式の模様がディスプレイに映し出されていた(竹内 修撮影)

 同艦は現時点でも世界最小の空母ですが、それでも稼働には巨額の経費が必要とされます。このため国防費の削減は同艦の行動も制約し、タイ経済が通貨危機の影響から脱却した2000年代初頭までは、月に1日程度しか航海できなかったとも伝えられています。

 その後「チャクリ・ナルエベト」は2004年に発生したスマトラ沖地震や、2010年と2011年にタイで発生した洪水などの大規模災害救助で大きな役割を果たしたものの、タイ海軍が水上戦闘艦や大型揚陸艦などの整備に多額の経費を投じたことから、同艦の経費は削減され、ラヨーンに係留されたままとなりました。

「無人機どっさり空母」へ変貌か

 前出したフランス企業タレスが行う「チャクリ・ナルエベト」の近代化改修は、主に推進システムや電機システム、補助エンジンなどを中央で一括管理し、乗員の意志決定をAI(人工知能)がサポートする「IPMS」(Integrated Platform Management System)を組み込むものです。兵装の変更を伴うものではありませんが、艦載機に関しては大きく変化する可能性があります。

 タイ海軍は垂直離着陸能力を持つ固定翼UAS(無人航空機システム)「MARCUS-B」を運用しており、2021年にはラヨーンに係留されていた「チャクリ・ナルエベト」の艦上で、発着艦試験を行っています。

 MARCUS-Bは2022年に開催された「ディフェンス&セキュリティ2022」にも展示されていました。この際筆者は、タイ海軍の方にMARCUS-Bが「チャクリ・ナルエベト」に配備されるのかを尋ねたところ、予算不足で活動が不活発な同艦ではなく、水上戦闘艦や揚陸艦に配備されるのではないかとの見通しを示していました。

 しかし「ディフェンス&セキュリティ2025」で、タイ海軍の方に同じ質問をしたところ、「チャクリ・ナルエベト」の近代化改修発表直後ということもあってか、「予算が確保できれば、MARCUS-Bを含めたUASが、大量配備されることになるかもしれません」と述べていました。

「チャクリ・ナルエベト」の改修完了までには5年程度を要すると報じられており、改修された同艦の就役は2030年代になるものと思われます。改修後の同艦は、世界でも有数の戦闘マネジメントシステムを備えた「無人機どっさり空母」に生まれ変わるかもしれません。

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