エヴァが流行った1995年は全てが暗かった――『劇場版』大ヒットが問う、令和日本の行方とは
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これまで議論されてきたエヴァ
2021年3月8日(月)に公開されたアニメ映画『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の累計興行収入が60億を突破し、話題となっています。
そんなエヴァンゲリオンですが、テレビアニメ版が始まったのは今から25年以上前の1995(平成7)年10月4日から。謎が謎を呼んだ作品は、1996年3月27日に伝説の最終回を迎えています。それ以降、ファンの間ではその内容を巡って、さまざまな議論が交わされ、や考察されてきました。
なぜファンたちはあんなにも語り合ったのでしょうか。この記事では当時の出来事や流行を振り返り、これからさらに盛り上がるであろう『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の考察材料を提示します。
「戦後最大の暗い年」だった1995年
テレビアニメ版が始まった1995年は、「戦後最大の暗い年」と言われた1年でした。

1月17日に発生した阪神・淡路大震災は、テレビを通してリアルタイムで被災現場を目にする体験を日本人にもたらしました。この未曾有(みぞう)の大災害は、被災地から離れた東京にも大きな衝撃を与えました。
そんな混乱も覚めやらぬなか、東京を揺るがせたのが3月20日に発生した「地下鉄サリン事件」と、同月22日のオウム真理教への強制捜査の開始です。
報道は連日、オウム真理教一色となりました。当時、不況は既に深刻で、日本の先行きは不安視されていました。それでも1994年までは、景気はいずれは回復するといった楽観論がなんとなく存在していました。
しかし、この災害と宗教テロは日本人が素朴に信じていた「安全神話」を一気に崩壊させたのです。
唯一のお祭り騒ぎだった「Windows95」発売
また、1995年は人々の生活スタイルも大きく変化した年でした。
改めてこの年の年表を眺めてみると、盛り上がったイベントはマイクロソフト社の基本ソフト「Windows95」日本語版発売(11月23日)以外に見当たりません。とりわけ東京では、当時の青島幸男都知事が5月31日、東京臨海副都心で1996年3月から開催予定だった「世界都市博覧会」の中止を決定しています。
青島氏は4月9日の東京都知事選挙に立候補し、選挙公約で博覧会の開催中止を掲げていました。しかし開催までは1年を切っており、中止にすると損害が大きくなることが判明。都議会でも開催を求める決議が圧倒的多数で可決されるなど、中止は困難と見られていました。
しかし公約通りに開催を中止したことで、東京の経済は大混乱に陥りました。その結果、東京の街にはほかの都市以上に暗いムードが漂ったのです。

そうしたなかでの唯一のお祭り騒ぎだったのが、前述の「Windows95」日本語版発売でした。その盛り上がりといったら、パソコンを持っていない人までもが、何に使ったらよいのかわからないままパッケージを買うほど。そんな騒ぎを通して、パソコンは人びとの生活の中に浸透していきました。
1996年になってインターネットが普及し始め、個人のウェブサイト作りがブームになり始めます。当時はテレビアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』を通じて、人間同士のコミュニケーションがよく議論されていましたが、現実社会におけるコミュニケーションも確実に変わり始めていたのです。
若い女性を巡る「常識」も崩壊した年
フィクションの世界では、世紀末となると奇怪なファッションに身を包んだ人々が街を闊歩(かっぽ)する――というのが定番です。いま考えると、当時も確かに奇怪なファッションをした人々がいました。
1995年、東京の若い女性たちを中心に大はやりしたのが、ぴちぴちのTシャツにベルボトムのジーンズやミニスカートをあしらい、おなかを丸出しにして歩く、いわゆる「へそ出しルック」です。

当時はおなかを出しているだけでも驚きでしたが、まるで子どもが着るようなサイズのTシャツには多くの人々が首をかしげていたものです。ついには、おなかを綺麗に見せるためにへその整形手術までも登場しました。
オウム真理教に関する物騒な言葉が毎日のようにテレビや新聞・雑誌をにぎわせるなか、街に出れば奇怪なファッションの女性たちが闊歩していた東京――。このような状況に人々は、これまでの「常識」や「日常」がかりそめに過ぎなかったと認めざるを得なかったのです。
若い女性を巡る「常識」は1996年になると加速的に崩壊していきます。この年には「援助交際」が社会問題として取り上げられ、ルーズソックスとともに新語・流行語大賞に入賞。このように1995~1996年の社会は女子高生が消費者として大きく存在感を示し、また同時に性的アイコンとなった過渡期でもあありました。
ヒット曲の歌詞は「本音むき出し」
そうした暗い雰囲気や不安を吹き飛ばすためなのか、東京の街角にはノリのいい、アップテンポの曲が流れ続けていました。そう、1995年は小室サウンドの全盛期。1996年になってもその勢いは止まりませんでした。小室サウンドの持つ開放感はある意味、「盆踊り」に近いとも言えるでしょう。
その一方、DREAMS COME TRUEが同じく1995年にシングル、アルバムの年間売上ランキングトップとなっています。また1996年にはMr.Childrenの『名もなき詩』がシングルのトップに輝きました。

いずれも、本音をむき出しにしたような歌詞がリスナーの心をつかんだ曲でした。これもまた、旧来の「常識」が通用しない世の中になったことを示すものかもしれません。このように、『新世紀エヴァンゲリオン』がはやった1995年はそれと同時に暗い時代でもありました。
それから25年。さまざまな意味で、さらに深刻に、そして暗くなった現在において、『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の訴えが私たちの社会にどう響き、関わっていくのか――を皆でもっと語り合うべきではないでしょうか。
当時を思い出して、密を避けつつ、体操座りで車座になって……。
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