のん“飛鳥”の復讐は遂げられるのか? 女性初の棋士誕生!? ついにクライマックス【MISS KINGレビュー第7話・最終話】
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※本コラムは『MISS KING / ミス・キング』最終話までのネタバレを含みます。
■“生粋の悪者”がいないから、リアルだった
『MISS KING / ミス・キング』は、“生粋の悪者”がいないドラマでした。飛鳥(のん)の前に立ちはだかった強敵たちのことも、最初は「お前らには、心がないんか?」と思っていたけれど、物語が進むにつれ「意外といいところあるじゃん」と見直す瞬間が出てきたりして。
これって、実際の人間関係でも同じですよね。だからこそ、このドラマに“リアル”を感じたんだと思います。
まず、飛鳥が殺したいほど憎んでいた父・彰一(中村獅童)。彼の自伝の“家族”のパートに、香(山口紗弥加)と龍也(森愁斗)のことしか書かれていないと知ったとき、飛鳥は自分と母・桂子(奥貫薫)の存在を抹消されたように感じて苦しくなりました。
しかし、彰一は飛鳥と桂子のことを忘れたわけではなかったんですよね。自伝の下書きには、「桂子と飛鳥、最も愛する二人を、わたしは捨てたのだ」という一文がありました。
その続きには、棋士として急速に落下していく日々を送るなか、家族が孤独を癒してくれる存在だったこと。しかし、幸せを感じる一方で、「二人がいなければ、もっと将棋に打ち込めるのではないか?」「勝てないのは、この二人のせいなのではないか?」といった邪な黒い感情が頭をよぎるようになったこと。
そして、当時7歳だった飛鳥が、自分が長年たどり着けなかった“至高の手”を指しているのを見たとき、「娘はわたしをはるかに凌駕した天才だ」と飛鳥の才能に嫉妬したことが綴られていました。
「化け物としての人生を進むしかない」と思った彰一は、家族を捨てて将棋の道を極めることを決意。ただ、その事実を知った飛鳥は、同情するのかと思いきや、「今さら、なに勝手なこと言ってるんだよ」「自分に酔ってるだけのスーパークソ自分主義野郎」と罵っていたのに笑ってしまいました。たしかにすぎるっ……!
棋士編入試験の最終対局で飛鳥と戦うことになった彰一。飛鳥が7歳だったころは、娘の才能に恐怖して逃げ出したのに、心のなかで「いつか、こんな日が来ることを願っていたのかもしれない」とつぶやいていたところに、親心を感じてジーンとしました。
たとえ、勝ち負けにこだわらない人でも、「負けるの大好きです!」なんて人はいないですよね。ましてや、勝負の世界で身を粉にして戦ってきた彰一にとって、“負ける”というのは自分の存在を否定されるようなものだったはず。それでも、彼が唯一“負けてもいいや”と思える相手——それが、“子ども”だったんじゃないかと思うんです。
だから、飛鳥の手が止まったとき、「どうした、飛鳥。もう終わりか? もっと飛べるだろ」と鼓舞した。飛鳥につけられた黒星は、彰一がこれまで経験してきたどんな黒星よりも苦くて、でもとびきりうれしいものだったんじゃないかと思います。
■棋士界から去っていった女性たちの存在が未来につながった瞬間
そして、女性初の棋士を目指していたのに、なることができなかった香と由奈(鳴海唯)。彼女たちは、女には限界があることを悟り、家庭に入って棋士を支える側に回りました。
だから、“自分は棋士になれる”と信じている飛鳥のことを「現実を見てない」と罵ったりしていたんですよね。気持ちは分からなくはないです。
ただ、彼女たちも、心のどこかでは女性初の棋士が誕生することを願っていたのではないでしょうか。飛鳥が彰一に勝利したとき、誰よりも早く「やった!」と飛び上がって喜んでいた由奈。個人的に、このドラマいちばんの名シーン……! と思い、うるうるしちゃいました。
また、香は最終対局前の飛鳥に、彰一の自伝の下書きを渡していました。「あなたたちは、ちゃんと愛されていた。わたしたちとは、違う。だから、憎む必要がない」と。彼女は、その下書きを渡したことを「結城家のため」と言っていたけれど、本当にそれだけかな? と思ってしまいました。
香は、冷酷な人間のように見えるけれど、本当はすごく“心”がある人なんですよね。心がありすぎてしんどいから、感情を消してしまったのではないでしょうか。そうでもしないと、女性が棋士を目指すことなんてできなかった。
香は、飛鳥に“ちゃんと勝ってほしかった”んじゃないかな。復讐心とか、そういうのを抜きに、ただただ将棋を楽しんでほしかった。あと、彼女のように本気で夢を追いかけたことがある人は、夢を掴もうとしている人を前にして、“邪魔してやろう”という気持ちにはならないと思うんです。
それにしても、彰一が引退発表をしている姿を見て、「わたしたちの時代は終わりました」とつぶやいた香に、「何を言ってるんだ。ここから、始まるんだろう。お前さんたちの時代が」と声をかけた安藤(西岡徳馬)、良かったなぁ。
飛鳥が彰一に勝ち、女性初の棋士になったことで、新しい時代の幕が上がったんですよね。香や由奈のように、道を切り拓くために戦ってきた女性たちの努力が、ようやく“未来”に受け継がれた瞬間でした。
■やっぱり藤堂がリアコすぎる。最高の師弟関係
また、最後の最後まで藤堂(藤木直人)が最高だった……! わたしが飛鳥だったら、確実に惚れています。
飛鳥のことが週刊誌に載りそうになったときも、「これは、俺の復讐だ。彼女はただの駒だ」と罪を被り、「騒ぎになると試験が中止になるから」と彼女の未来を守ろうとした。なんて、かっこいいんだ……!
そして、過去に藤堂へ「あなたは将棋指しに向いていない」と言い放った彰一が、「やはり、君は棋士に向かないな。君は、指導者向きだ。あの子を見ていると、分かる。飛鳥をよろしく」と頭を下げていたのが、感慨深かったです。
「将棋って、本当にめんどくさい! だから、わたしもうやめます! でも、めんどくさいから超おもしろい! ねっ!」
これまで見せたことがないような晴れ晴れとした表情を見せた飛鳥。“世界一すてきな復讐”を終えた飛鳥の物語は、まだ始まったばかりです。
ABEMAオリジナルドラマ『MISS KING / ミス・キング』番組概要
トップページ URL:https://abema.tv/video/title/90-2038
第1話〜第7話ダイジェスト映像:https://www.youtube.com/watch?v=QrA_z1bNrC4
※2026年1月7日(水)夜10時まで、全8話を無料配信中!
(菜本かな)
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