スズキのバイクの原点になったのが「コレだ!」←名前の由来マジでソレな伝説
- 乗りものニュース |

スズキが初めて完成させた「4サイクル」のコレダCOとCOX
日本のバイクメーカー4社の中でも、特に日本語などの斬新な名称を採用するのがスズキです。その独特の開発方針と合わせて、独特のモデル名のバイクが多いことも「鈴菌」に感染するとなかなか治らない愛好者が多い理由でもあります。その草分けとなったのは、1954年から1965年まで続いた「コレダ」シリーズです。
31年ぶり「コレダ」の名を冠して発売となったコレダスクランブラー50(1996年)(画像:スズキ)
「コレダ」の語源は、「スズキのオートバイはコレだ」「すごいオートバイはコレだ」というド直球なもの。その草分けとなったのは1954年、スズキ初のバイク・コレダCOでした。
それまでのスズキは自転車用補助エンジンの開発を行っていましたが、バイク開発製造の出発点は、このコレダCOの90cc4サイクルOHV単気筒エンジンでした。このエンジンを基本に、点火時期を自動で変える自動進角装置付きフライホイールマグネットを初装備。また、日本初のスピードメーター搭載モデルでもありました。
翌1955年には道路交通法改正に伴って免許制度が変更され、原付二種は125ccが主流になったことを受け、コレダCOをボアアップした125モデル、コレダCOXをリリースします。
初のバイク発売の翌年に登場した「2サイクル」のコレダシリーズ
同年には同じ「コレダ」を冠したスズキ初の2サイクルエンジンを搭載した125ccモデル、コレダST1も発売。
4サイクルエンジンよりも2サイクルエンジンのほうが、構造がシンプルで生産コストを抑えられる利点があります。しかし一方で、エンジン音は大きめで4サイクルエンジンに比べれば耐久性にも劣ります。この2サイクルエンジンのデメリットの部分を、スズキは徹底して対策を練り、「クラッチ音を防止するギアを考案する」「耐久性を高めるためにクランク軸を4個のベアリングで支える」などの改良を提案、慎重に慎重を重ねて開発を行いました。
スズキによる2サイクルエンジンは、コレダST3(1957年)、コレダST5(1958年)、コレダST6A(1959年)、コレダ125SH(1961年)、コレダ125SL(1962年)とモデルを重ねるごとにブラッシュアップされ、原付二種の実用モデルシリーズとして広く支持を集めました。
技術を注ぎ込んだ「2サイクル・250cc」のコレダたち
コレダCOやコレダST1でバイクの開発技術を成功させたスズキは1956年には「2サイクル・250cc」のコレダ250TTを発売。
スズキの開発技術の確立の、自信を示すかのように巨大なナセルがついたヘッドランプ、流線型のウインカーボディ、フィン形状のリアウインカーなど、見た目からして独創的なデザインのモデルでした。
このコレダ250TTシリーズも同様に進化を遂げます。コレダ250TP(1957年)、コレダ250TM(1958年)、コレダツインエース250TA(1960年)、コレダ250TB(1960年)、コレダ250T10(1963年)、コレダ250T20(1965年)とリニューアルモデルを続々と発売し、1970年代に大ヒットするGTシリーズの礎になりました。
125ccクラスでは世界初の「2サイクル・2気筒」のコレダ
1959年には125ccクラスで世界初となる「2サイクル・2気筒」エンジンを搭載したコレダセルツインSBを発売。
スズキのバイク黎明期の複数モデルに「コレダ」の名称が用いられた(当時のカタログより)
ツインエンジンのため、高回転・高圧縮が可能となったほか、4速ロータリーミッションを採用したことで、110km/hを実現。当時は真新しかったセルスターターも搭載し、実用性とスポーツ性双方を満たしたモデルとなりました。結果的にスズキのレーサーモデルの前身にもなります。
「2サイクル・2気筒」のコレダシリーズも、コレダセルツインSB-2(1960年)、コレダ125SK(1962年)、コレダ125S30(1963年)と進化を遂げていきますが、中にはリファインさせて世界のレースに挑んだモデルも複数ありました。
31年のときを経て復活した「コレダ」の名称
ここまでの通り、スズキのコレダシリーズは、最初期の「4サイクル」シリーズに始まり、「2サイクル」シリーズ、「2サイクル・250cc」シリーズ、「2サイクル・2気筒」シリーズの4つの系譜に大別できます。
ただし、1965年のコレダ250T20を最後に「コレダ」の冠がつかなくなり、また以降しばらくは「スポーツ」「スクランブラー」といった、やや味気ないモデル名ばかりになりました。
それから31年のときを経た1996年、コレダスポーツ50、コレダスクランブラー50の2台に「コレダ」の名称が復活。当時のネオクラシックブームを受けて開発されたと思われるモデルで、どちらも黎明期のスズキを感じさせるデザインやパーツ構成です。スズキのバイク黎明期を知る人にとっては、なんだか泣けてくるモデルでもありました。
同時に、スズキにとっての「コレダ」という呼称は矜持が詰まる特別なものであり、その「コレダの時代」こそがスズキの原点であると、改めてファンに知らしめることにもなりました。
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