“6輪ミニバン”のメリットって…? レクサス「LSコンセプト」が挑む“最大の課題” 市販化には何が必要か
- 乗りものニュース |

トヨタが「ジャパンモビリティショー2025」に出展して話題となっているのが、6輪ミニバンのレクサス「LSコンセプト」です。この独特なパッケージングには、どのようなメリットがあるのでしょうか。
レクサスから6輪のコンセプトカーが登場
2025年10月30日から11月9日にかけて開催されている「ジャパンモビリティショー2025」に、トヨタは6輪ミニバンのレクサス「LSコンセプト」を出展しました。このモデルの独特なパッケージングには、どのようなメリットがあるのでしょうか。
JMSに出展されたレクサス「LSコンセプト」(乗りものニュース編集部撮影)
LSコンセプトは、レクサスブランド誕生以来のフラッグシップモデルである「LS」の将来を示唆するモデルです。代々、大型高級セダンであったLSが、ミニバンとして提案されたことも衝撃的ですが、さらに驚きなのが、前2輪+後4輪の6輪車となっていることです。これまで、レクサスに6輪のモデルがラインナップされたことはありません。というより、6輪の乗用車自体が非常に珍しい存在です。
前例として筆者(モータージャーナリスト・鈴木ケンイチ)が思い出すのは、メルセデス・ベンツがSUVの「Gクラス」をベースに、後4輪の6輪駆動車として2014年に発売した「G63 AMG 6×6」です。「オフロードモンスター」と銘打たれたこのクルマは、全長約6m×全幅2m超×全高約2.3mという巨大サイズ。高いオフロード性能を備えていましたが、価格は8000万円で、たった5台の限定車でした。
また、レーシングカーの世界では、1970年代のF1世界選手権に「ティレルP34」という6輪車が参戦しています。これは空気抵抗の低減やブレーキ性能の向上を狙い、フロントタイヤを2軸4輪としたマシンでしたが、参戦初年度から優勝を記録するなど活躍し、大きな話題となりました。
この技術には他のチームも着目し、英国のマーチやウィリアムズ、さらにはイタリアの名門フェラーリまでもが試作車を製作しましたが、後に規則で6輪車は禁止となり、サーキットからは姿を消しています。
逆に“6輪は当たり前”な商用車の世界
その一方、6輪のモデルが一般的と言えるのが、トラックやバンなどの商用車の世界です。特に中型~大型トラックであれば、3軸の6輪車は数えきれないほど街中を走っています。
ダブルタイヤの6輪仕様もラインナップしていたマツダ「ボンゴ」
また、ワンボックスタイプの小型商用車にも、近年まで「ダブルタイヤ」方式の6輪車が存在しました。ダブルタイヤとは、1つ車軸に左右2つずつ、計4つのタイヤを装着する方式で、代表的なモデルといえるのが、マツダの「ボンゴ」でした。
現在ではトヨタの「タウンエース」や「ハイエース」のOEMモデルとなっているボンゴシリーズですが、元々は1960年代からマツダが販売している、長い歴史を持つ商用車です。主にワンボックスとトラックの2タイプを展開してしたボンゴは、1977年登場の第2世代より、後輪をダブルタイヤとした6輪仕様モデルを設定していました。
ボンゴのダブルタイヤ仕様は、商用車では重要な“低床化“を狙ったモデルでした。単純にタイヤを増やせば1輪あたりの荷重が減り、より小径なタイヤでも対応することができます。つまり、タイヤの直径を小さくして荷室のフロア高を下げることで、荷室を拡大するとともに、荷物の出し入れを容易にしたのです。
また、万が一タイヤがパンクした際も、後輪のうち1輪のみのパンクであれば、3輪のまま(短時間の)走行が可能です。一般の乗用車に比べ、実用性や信頼性が重要な商用車にとって、6輪化にはメリットが多数ありました。
その反面、クルマはタイヤやホイールなど、サスペンション部分より下に装着されている部品が重くなると、乗り心地が悪くなる傾向があり、この点において6輪車は不利です。また、特に前後でタイヤサイズが違う6輪車には、スペアタイヤが2種類必要なことや、タイヤ交換時の費用が4輪より高くなるなどのデメリットもあります。
“ハイレベルな乗り心地”の実現が課題?
6輪車に関するこれらのメリット・デメリットは、当然LSコンセプトについても当てはまります。低床化による室内スペースの拡大は魅力的であり、パンクなどの緊急事態に強いというのも、VIP向けの高級車には大きなセールスポイントです。
市販化に期待がかかるレクサス「LSコンセプト」(画像:レクサス)
また、LSコンセプトを初披露したトヨタのYouTubeチャンネル「トヨタイムズ」の配信では、「(後輪が小さくなることで)3列目の乗り降りが容易になる」というメリットも説明されていました。
さらに最近の乗用車では、スペアタイヤではなくパンク修理キットを車載することが一般的となったため、2種類のスペアタイヤを用意する必要もありません。タイヤ交換時のコストも、こうした高級車のユーザーにとって大きな問題にはならないでしょう。
ただし、乗り心地の悪化は無視できない問題です。商用車なら許容できても、ショーファー(運転手付き)での運用も想定されるレクサスの最高級車の乗り心地が悪い、ということは許されません。6輪ミニバンの「LS」実現は、この問題をクリアできるかどうかが最大の焦点ではないでしょうか。
実際、トヨタも問題の難しさを理解しているようで、「トヨタイムズ」の配信では、「できるかどうか、まだわからない」「やったことのないことなので、時間がかかる」とも語っていました。しかし、実現できればレクサスがスローガンに掲げる“誰の真似もしていない”モデルとなるのは確実です。日本から世界へと、新しいプレミアムカーの形を提案するためにも、LSコンセプトが市販化されることを願うばかりです。
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