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崎陽軒が禁断の「ギヨウザ」ついに発売! なぜ”シウマイ一筋100年”だったのか!? 実はあった餃子との接点

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  • 乗りものニュース
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なぜシュウマイにこだわるのか?

 横浜名物のシュウマイ(シウマイ)といえば、崎陽軒。そんなシンボル的存在が、2026年4月2日に「ギヨウザ」を発売しました。

Large figure1 gallery1崎陽軒が発売した「ギヨウザ」(画像:崎陽軒)

 まさかの選択に崎陽軒ファンはもちろん、餃子業界でも大きな話題を呼んでいます。ただ形は「シウマイ」。でも味は「ギヨウザ」です。文字はシウマイ的表記を意識しており、餃子を出すけれど、あくまで「シウマイ」なのです。

 ではなぜ、崎陽軒は餃子ではなく「シウマイ」の会社なのでしょうか。

 当たり前のようですが、その要因を具体的に答えられる人は、意外と少ないでしょう。
 そこで、崎陽軒にとどまらず、日本のシュウマイの歴史と成り立ちを研究してきた、シュウマイ研究家のシュウマイ潤が、その要因と背景を改めてまとめてみたいと思います。

なぜ「餃子」ではなく「シウマイ」だったのか

 まず、崎陽軒がシウマイを作り始めたきっかけを整理しておきます。

Large figure2 gallery21昭和35年のシウマイ弁当のイメージ(画像:崎陽軒)

 実は1908年の創業時から商品化されていたわけではなく、もともと同社は横浜駅構内の売店の免許を持ち、お菓子やお茶を販売する事業者でした。

 そのなかで、横浜の地で名物を作ろうと考え、初代社長の野並茂吉氏は、明治期にできた中国人が集まる「南京町」で流行している料理のひとつであるシュウマイに着目。とはいえ、駅構内で販売する食事は、電車内で「冷めても美味しい」状態で提供するのが前提で、南京町で提供されていたシュウマイをアレンジし、今の「冷めても美味しい」シウマイ=「昔ながらのシウマイ」を生み出しました。それが、1928年のことです。

 そこから100年弱。崎陽軒は基本レシピを変えることなく、シウマイを作り続けてきたのですが、その当時に餃子を作るという選択肢はなかったのか?実は、当時の餃子は今の日本における認知度はなく、さらにいえば、今日の「焼き餃子」は、日本には存在していませんでした。

「焼き餃子」登場でも揺るがなかった崎陽軒の「主軸」

 焼き餃子は、第二次世界大戦後、中国大陸で話題となっていた料理を引き揚げた人たちが、東京のヤミ市の屋台で提供されはじめたと言われています。肉やパワフルなインパクトのある旨味の料理が少なかった時代、焼き餃子は東京でも人気を呼び、いわゆる町中華スタイルの定食屋や、ラーメン専門店の増加とともに、全国に広まっていったそうです。

Large figure3 gallery3崎陽軒の代名詞ともいえる「シウマイ弁当」(画像:崎陽軒)

 一方、シュウマイは現在の町中華やラーメン店では、餃子に比べて見かける機会が非常に少ないのが現状ですが、餃子人気に押され、なくなってしまったケースはありますが、戦前から営業する町中華や中華料理店では、大半でシュウマイが提供されています。

 家庭料理でも、現在は焼き餃子は手作りで作る文化が定着しており、シュウマイはほとんど作られることがありませんが、戦前の家庭用レシピ本を見ると、中華料理においてシュウマイはしっかりと明記され、餃子はあるものの焼き餃子ではなく水餃子がほとんどです。

 そうした第二次世界大戦後の急速な流行の変化のなかでも、崎陽軒はシウマイから餃子にシフトチェンジすることはありませんでした。

 その理由は、先にも触れた通り、崎陽軒はあくまで主軸は鉄道駅構内の売店であり、電車の中や家に持ち帰って食べるシウマイや弁当、惣菜を販売する会社だからです。

 昔ながらのシウマイが誕生してから23年後、そのシウマイを主菜として構成した「シウマイ弁当」を発売。これが崎陽軒=シウマイというイメージをさらに定着させた大きな要因となったことは、今日の同弁当の人気を見れば明らかでしょう。現在、1日約3万食を販売。これは全国の駅弁のなかでも最も売れている駅弁のひとつであり、戦後、今日に至るまで日本の駅弁のシンボル的存在でもあります。

 前述の通り、誕生した当時の餃子は今日ほどメジャーではなく、戦後の焼き餃子が登場し浸透し始めても、あくまで焼きたてアツアツを食べるのが前提。一方、崎陽軒はあくまで「冷めても美味しい」シウマイと弁当、惣菜を販売する事業を主軸として展開しつづけていました。そこに餃子が新たな要因として加わる必然性は、あまりなかったのではないでしょうか。

実はあった餃子との関係 そして「ギヨウザ」の衝撃

 とはいえ、崎陽軒も戦前から戦後、今日に至るまで、餃子と無関係だったわけではありません。

Large figure4 gallery4昭和18年当時の崎陽軒食堂(画像:崎陽軒)

 シウマイが誕生した6年後の1934年、レストラン事業を開始。横浜駅東口の「中華食堂」を皮切りに、1996年崎陽軒本店、2002年戸塚崎陽軒、2016年シウマイbarと飲食店を増やしていきました。

 そのなかで餃子は数少ないものの、中華食堂ではシンプルながら干しエビの旨味が効いた焼き餃子を提供。また、崎陽軒本店内の本格中華料理「嘉宮(かきゅう)」では、蒸し餃子を提供しています。

 さらに実は、通信販売限定でしたが、冷凍流通食品の「ギヨウザ」も2021年に販売していました。一時は話題になりましたが、店頭販売されなかったこともあり、崎陽軒=シウマイの図式を崩すほどの影響はありませんでした。

 今回の「ギヨウザ」は、その進化系と言えるのかもしれません。

 常温販売のため、冷めても美味しい「ギヨウザ」のはず。それが実現したら、いよいよ崎陽軒も本腰を入れてシウマイからシフトチェンジ? シュウマイ的立場としては一抹の不安は感じますが、先にも触れた通り、フォルムはシウマイ。あくまでシウマイあってのギヨウザ。むしろ相乗効果でシウマイの価値が再評価されるのではないかと、私は期待を込めて予測しています。

 いずれにしても、珍しくシウマイが上から?ギヨウザを評価できる立場と言えますので、まずは実際に食べてみること。私も早速近くの崎陽軒に行ってみようと思います。

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