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日焼け止めと「湿布」は危険な組み合わせ? 薬剤師が説く、夏の肌荒れ&熱中症の盲点とは

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夏に日焼け止めを使用する際の注意点は?(画像はイメージ)
夏に日焼け止めを使用する際の注意点は?(画像はイメージ)

夏に日焼け止めを使用する際の注意点は?(画像はイメージ)夏に日焼け止めを使用する際の注意点は?(画像はイメージ)

 夏は気温が高いため、体温調節が重要な季節です。また、曇りの日や雨の日でも紫外線が地表に届くといわれており、天候にかかわらず日焼け止めを使う人は多いのではないでしょうか。

 ところで、医薬品の中には紫外線に反応して炎症を起こす可能性がある薬や、体温調節機能に影響が出る可能性がある薬があります。使用時に注意が必要な薬や対処法、医薬品の適切な管理などについて、薬剤師の真部眞澄さんに聞きました。

「湿布」と「日焼け止め」で肌荒れ悪化?

Q.「日光過敏症」のリスクがある薬を服用している人は、夏場にどんな対策が必要なのでしょうか。薬の影響で日焼けしやすくなるケースがあることを知らない人に対して、薬剤師としてどんな具体的なUVケアや注意を伝えますか。

真部さん「一部の薬は、紫外線に対して皮膚が過剰に反応して炎症を起こす光線過敏症を引き起こすことがあり、軽いやけどのような状態になるのが特徴です。その中でも太陽光によるものは日光過敏症と呼ばれることもあります。

光線過敏症には2つのタイプがあり、湿布などの外用薬を貼った後に日光を浴びて出る症状が『光接触皮膚炎』というものです。もう一つは内服薬を飲んでから日光を浴びることで起きる『光線過敏症型薬疹』というもので、体の中で薬物が光を吸収して化学反応を起こした結果、湿疹が出てしまいます。

光線過敏症を引き起こす代表的な薬は、ニューキノロン系などの一部の抗生物質や、d-クロルフェニラミンなどの一部の抗アレルギー剤、一部の降圧利尿薬、一部の精神神経系の薬、湿布などです。

このうち湿布の中でも症状が出やすいのは、処方薬であればモーラステープなどのケトプロフェンを含むものが顕著ですが、ジクロフェナクナトリウムが含まれているフェイタスZやボルタレンACαというテープなどの市販薬でも商品説明に光線過敏症の可能性が記載されています。

一方で、ロキソニンテープに含まれるロキソプロフェンは光線過敏症を起こしにくいため、夏場はロキソニンテープを選ぶのも1つの方法です。

光線過敏症は服用を開始してから1~2カ月後に発症することもあります。また、外用薬では症状がすでに治り、1カ月前からケトプロフェンを含む湿布を貼っていなかった人が日焼けした時に、湿布の形で日焼けして炎症を起こしてしまったというケースもあるため、湿布を使用したら最低4週間は衣服やサポーターで患部を隠すのが望ましいです。

外出時は日焼け止めを塗り、帽子や日傘、長袖の衣類、サポーター、サングラスなどを活用して日光を物理的に遮りましょう。また、紫外線が強い午前10時から午後2時を避けて外出するなど、外出予定を調整するのもよいと思います。

さらに、目安として日焼け止めはSPF30以上、PA+++以上のものが効果的です。日焼け止めは手の甲などの塗り忘れに注意するとともに、汗や手洗いなどで取れてしまいがちなので、外出時には2~3時間おきに塗り直すと良いでしょう。

日焼け止めを選ぶ際の注意点ですが、一部の日焼け止めに含まれるオキシベンゾン、オクトクリレン物質などの成分が湿布に含まれるケトプロフェンと交差反応すると、光線過敏症が増強されてしまうことがあるため、これらの湿布を使用している人は、これらが含まれている日焼け止めを避けてください。成分に注意しつつ、うまく活用しましょう」

「熱中症リスク」を高める薬剤の盲点

Q.暑い中で服用すると「体温調節機能」に悪影響を及ぼす可能性がある薬の種類はありますか。特定の血圧の薬や精神科の薬など、夏場は特に注意が必要な薬剤のカテゴリーと、その注意点を教えてください。

真部さん「体温調節機能に影響を及ぼす薬の代表的なものは、抗コリン作用がある風邪薬やアレルギー薬、一部の精神科の薬などです。

発汗を促す神経伝達物質であるアセチルコリンの働きをブロックするため、汗が出にくくなって熱がこもり、熱中症のリスクを高めてしまいます。

さらに、口が乾く副作用があるので喉の渇きを正しく感じにくくなり、脱水症状が起こりやすくなるので注意が必要です。抗コリン作用は市販薬にも含まれているものがあるので、購入の際にはよく確認してください。

次に、血圧を下げるための利尿薬が、水分が排出されることで脱水を引き起こしやすくなるので注意が必要です。

さらに、血圧や心臓の薬であるβ遮断薬は、心機能を抑制して心臓を休ませる薬ですが、皮膚への血流が低下し、発汗が抑制されて体が熱を逃がす力を弱めるので、体温調節がしにくくなり熱中症のリスクを高めてしまいます。特に夏は暑くて血管が広がるので、その影響から血圧が下がり過ぎてしまい、ふらつきやめまいが起こりやすくなってしまうこともあるので注意しましょう。

最後に向精神薬や抗うつ薬です。抗コリン作用があったり、脳の体温調節中枢に影響を与えたりする薬なので、自律神経へ影響を及ぼし、体温調節機能も低下して脱水症状になりやすくなってしまいます。脱水状態だと薬の濃度が上がり、副作用も出やすくなるので注意が必要です。

対策としては、喉が渇く前に小まめな水分補給をしたり、エアコンを我慢せずにきちんと使用したり、外出時には日傘や帽子、サングラスを活用して体温を下げる環境を整えたりすると良いと思います。

また、体調の変化に敏感になるのも重要です。だるかったりぼーっとしたり、体がほてっているのに汗が出なかったり、急にめまいや立ちくらみがしたりするといったサインを見逃さないようにしましょう」

夏の高温多湿から薬を守る「正しい保管ルール」

Q.薬の品質管理という観点から、夏の高温環境が薬に与える化学的なリスクについて、教えてください。

真部さん「薬は熱や光、湿度で劣化するという特徴があり、直射日光を浴びると紫外線によって有効成分が分解され、薬の形状が変化する光分解が起きて効果が弱くなってしまうことがあります。

さらに、化学変化が起きて安全性が変わってしまったりするケースもあるので注意が必要です。化学変化によって有効成分が毒性を持つ有害物質に変化してしまうと、副作用が強く出てしまうこともあるかもしれません。

薬を置いておく場所として特に注意が必要なのは、車の中です。夏になると車の中は60度以上になってしまうことがあるため、カプセル剤が溶けてくっついてしまったり、錠剤が湿気を帯びてべたついてしまったり、軟膏やクリームは油分と水分が分離してしまったりします。薬が劣化して成分や吸収率が変わったり、塗り心地が悪くなってしまうため、車の中に放置した薬は使わないでください。

また、シロップは開封したものを混ぜて作っているため、腐敗や変質につながりやすいです。坐薬も熱で溶けてしまったり成分が分離してしまうものが多いので、これらは高温多湿のところを避けて保管してください。

よく見た目が問題なければ大丈夫と誤解している人がいますが、中身は日光を浴びただけで劣化することがあるため、保管方法には気を付けていただきたいです。冷所保存であれば1~15度、それ以外のものは1~30度の場所に保管し、高温多湿と直射日光を避けてください。遮光指定のある薬は特に注意して取り扱っていただきたいです。

そして、冷所保存のものを冷蔵庫に入れるのはもちろんですが、シロップ剤などの室温で良いとなっているものも夏場は冷蔵庫に入れて、冷所保存をしていただければと思います。

冷蔵庫の奥の方に入れてしまうと冷え過ぎて凍ってしまう場合があるので、ドアポケットに入れるのがおすすめです。薬は記載された保管方法をきちんと守るとともに、劣化したものは使わないようにしましょう」

* * *

 夏は光線過敏症に注意が必要だと分かりました。高温多湿の環境は薬を劣化させるため、薬の保管方法にも注意しましょう。

オトナンサー編集部

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