どうせ読むならポイント貯めない?

自衛艦でひときわ目立つ“緑”迷彩! 陸自と海自それぞれの隊員の心中は?「旧軍と同じ失敗できませんから」

611 YOU
  • 乗りものニュース
  • |

かつてはいがみ合っていた陸海の軍人。しかし自衛隊海上輸送隊群の発足に見られるように、今や陸海の隊員が連携して任務に当たるまでになっています。制服の色から文化まで異なる両者。現場でそれぞれの隊員はどう感じているのでしょうか。

バチバチだった旧日本陸軍と海軍

 2025年3月24日に「自衛隊海上輸送群」が発足しました。2018(平成30)年12月18日付けの中期防衛力整備計画(平成31年度~令和5年度:31中期防)で新編が明記されていた、陸海空自衛隊の共同の部隊です。

Large figure1 gallery82024年10月29日に進水し、2025年3月24日、自衛隊海上輸送隊群の発足とともに就役した第2海上輸送隊小型級船舶(LCU)「にほんばれ」(画像:防衛装備庁)

 自衛隊海上輸送隊群は防衛大臣の直轄部隊なので、陸上自衛隊や海上自衛隊からは独立しています。部隊は、群司令部の下、中型級船舶(LSV)を運用する第1海上輸送隊と、小型級船舶(LCU)を運用する第2海上輸送隊、この2隊で編成されます。なお、トップを務める群司令の初代には馬場公世1等陸佐が就いています。

 群司令の補職からもわかるように、海上輸送部隊の要員の多くが陸上自衛隊員です。日本に限らずどの国でも陸海空軍はそれぞれ独自の文化を持ち、ライバル意識を持っています。かつては「陸のカラス、海のカモメ」と呼んだこともありますが、これは旧日本陸軍の軍服が黒っぽく、一方の旧日本海軍は白いことを揶揄したもので、文化の違いを被服の違いで言い表した俗語です。両者は省益を争うライバルであり、先の大戦中でさえ霞が関では「帝国陸海軍相争い、余力でもって米英軍と戦う」ともいわれる有様でした。

 それから70年あまり。2019(平成31)年には海上自衛隊の術科学校で、青基調の迷彩服を着る海上自衛官と並んで、緑基調の迷彩服を着る陸上自衛官が活動する姿を見るまでになりました。陸自隊員が艦艇の運航や機関の運転・整備に必要な知識・技術を習得する、輸送群の要員教育が始まったからです。

 海上自衛隊基地に陸上自衛隊の1/2t小型トラックが止まっていると、その色違いから極めて目立ちます。青と緑の作業服の混じった現場はどうなっているのでしょうか。

まず号令が違う 海を学ぶ陸自隊員

 陸上自衛隊内では、海上輸送隊群への転属は珍しいケースです。筆者(月刊PANZER編集部)は海上輸送隊群発足直前の2025年3月14日(金)、機関科関係、情報、外国語等の教育訓練を担当する海上自衛隊第2術科学校で、訓練の一端を取材しました。

Large figure2 gallery9第2術科学校における海士電機過程のEラーニングの様子(月刊PANZER編集部撮影)

「今までの陸上自衛隊にはない新しい職種に魅力を感じた」

 そう語るのは、第2術科学校で海士ディーゼル課程を受講する藤原陸曹長(48歳)。自衛隊歴30年の彼は、新たな挑戦を求めて海上輸送隊群に志願したといいます。ちなみに出身は北千歳の第102弾薬大隊で、対艦攻撃を任務とする対艦ミサイル職種というのが面白いです。

 2024年4月、輸送艦「くにさき」に乗り組んだ藤原陸曹長は、5月からいきなり4か月に及ぶIPD24(インド太平洋方面派遣訓練)に参加。タヒチやマーシャル諸島、ハワイのリムパック(環太平洋合同演習)などへ赴いたそう。陸自ではありえない外国海軍との交流も経験し、「ここに来なければ、これらの国に行く機会はなかった」と振り返ります。

 しかし、新たな環境には戸惑いもありました。「号令ひとつ取っても違う。陸自では数字の『2』を『ニ』と言うが、海自では『フタ』。無線でも『オクレ』が『ソウワ』になる。30年染みついた所作を変えるのは簡単じゃない」とも話していました。それでも、「イチから覚え直すことが多くて新鮮だ。48歳の頭が追いつかないこともあるけど、同期学生や教官に助けられている」と適応に前向きです。

 一方で陸上自衛隊員ならではの強みもあるそうで、例えば小銃の射撃訓練では圧倒的に経験が豊富。基本教育でしか射撃経験のない海上自衛隊の学生たちにアドバイスする場面もあったそうです。艦内生活でも「確かに窮屈だったが、陸自の野外宿営や冷たい体育館の床に比べれば、空調の効いたベッドで寝られるのはありがたい。また『くにさき』の食事が美味しくて、それにも助けられた」と述べていました。

教育担当の海自隊員はどう感じている?

「最初は『本当に馴染めるのか?』と疑問に思った。しかし、彼らの適応力の高さや熱意を見ているうちに、共に働くことに対する不安は消えた」

Large figure3 gallery10日米共同統合演習において、輸送艦「くにさき」で甲板作業を行う陸自隊員(海自掃海隊群HP)

 こう語るのは、第2術科学校で教育を担当する稲垣三等海曹(28歳)です。3月14日の取材時、上記の藤原陸曹長を含む学生を教育していました。

 海上自衛隊の学校で陸自隊員をどのように受け入れるべきか、前出の藤原陸曹長のように自衛隊経験年数、年齢、階級のすべてで自身より上の隊員に対応することもあるため、これまでのやり方で通じるのか不安もあったと言います。しかし実際に受け入れてみると、「学びに来た」という姿勢が明確で、よく「わきまえてくれている」、また海自学生にしてみると頼れる先輩でもあり、学生のリーダーシップをとってくれる場面もある模様です。

「彼らは陸自出身だからこそ、海自とは異なる視点で物事を見ている。その違いが、むしろ部隊の強みになり得ると感じる」

 稲垣三等海曹は話します。

 こうして見てみると、陸海がうまく協力関係を築いているように感じますが、やはり陸自隊員の緑の迷彩服は学校内では少数で目立ちます。なお、「知識と技能、そしてシーマンシップを身につけて、海自のセンスを持った陸上自衛隊隊員を目指したい」と、藤原陸曹長はあくまでも陸自隊員であるというスタンスを崩しません。

 迷彩服は本来、それぞれが働く現場の環境に合わせてデザインされていますが、陸自隊員は艦内でも緑基調の作業服のままです。青に着替えるという話は聞こえてきません。服装の違いはアイデンティティの違いそのものです。

 太平洋戦争前は、「陸軍は馬で海を渡る、海軍は軍艦で山を越える」という、互いの得意分野を無視した意地の張り合いもあり、結果、戦争に敗けました。両者の連携という点で、同じ轍を踏まない挑戦が始まっています。新編される自衛隊海上輸送群が、海自の輸送艦不足や人員不足を補うだけの存在になるのか、それとも自衛隊の柔軟性を示すことになるのかが試されていると言えるでしょう。

実は損している?

ニュースを読んでポイントが貯まるサービスがあるのを知っていますか?ポイントサイトのECナビでは好きなニュースを読んでポイントを貯めることができるのです。(※ECナビはPeXの姉妹サイトです。)今日読んだニュースが実はお小遣いになるとしたら、ちょっと嬉しいですよね。

ポイントの貯め方はニュースを読む以外にも、アンケート回答や日々のネットショッピングなど多数あるので、好きな貯め方でOK!無料で登録できてすぐに利用できます。貯まったポイントはPeXを通じて現金やAmazonギフトカードなどに交換できます。

運営実績も15年以上!700万人以上の方がポイントを貯めています。毎日好きなニュースを読んでお小遣いを貯めてみませんか?

YOUの気持ち聞かせてよ!

いいね いいね
ムカムカ ムカムカ
悲しい 悲しい
ふ〜ん ふ〜ん
NEWS一覧へ
PeXポイントで賞品を当てよう!

ポイント ポイント獲得の流れ

ポイント獲得の流れ

ポイント ルール・注意事項

ポイント獲得!!