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重すぎる!? 韓国の新型戦闘車両が「10式戦車並み」ドローン迎撃AI搭載で、もはや「歩兵が乗れる戦車」か?

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重量で戦車を上回る韓国生まれの歩兵戦闘車

 韓国の防衛企業であるハンファ・エアロスペースは、韓国陸軍向けの次世代歩兵戦闘車としてK-NIFVを提案しています。

Large figure1 gallery6陸上自衛隊の10式戦車。重量は44t(画像:写真AC)

 歩兵戦闘車(IFV)は一見すると戦車と同じように砲塔を有しており、単独でも敵と交戦するだけの火力を有しています。しかし、戦車と違って車内には6名から9名程度の分隊規模の歩兵を搭載することができ、歩兵の輸送と連携した戦闘を行うのが特徴です。このため、素早く移動するために装甲防御力は戦車より低いです。

 しかし、K-NIFVは従来の歩兵戦闘車とは異なり、その総重量はなんと約43tにもなります。これは陸上自衛隊に配備されている89式装甲戦闘車(26.5t)より重いのはもちろんのこと、かつて運用していた74式戦車(38t)よりも重く、10式戦車(44t)に比肩するほどです。まさしくヘビー級な歩兵戦闘車といえるでしょう。

 現在、世界の陸軍に配備されている歩兵戦闘車の重量を比較すると、ロシアのBMP-3や中国の04式歩兵戦闘車で約20t前後、スウェーデン製のCV90が27.6t、比較的重武装のアメリカ製M2「ブラッドレー」で30t前後となっており、これらと比べてもK-NIFVの43tがいかにヘビーであるかがわかります。

 なぜ、K-NIFVはここまで重い戦闘車両になったのでしょうか。それは過去の戦争の犠牲で得た教訓を反映した結果です。

 じつはK-NIFVは完全にオリジナルな車両ではなく、オーストラリア陸軍向け歩兵戦闘車として開発されたAS21 「レッドバック」が原型になっています。

 AS21はハンファ・エアロスペースの豪州現地法人と地元企業のグループによって開発されましたが、オーストラリア陸軍はこの車両に、過去のアフガニスタン戦争やイラク戦争での教訓から高い防御力と生存性を要求しました。

 アフガニスタンやイラクの実戦では対戦車ミサイルや歩兵携行型ロケット、砲弾や地雷を改造したIED(即席爆発装置)によって多くの戦闘車両が撃破されており、軽量級の歩兵戦闘車や装甲車は戦場では安全とはいえなくなったのです。

最新のウクライナ戦争の教訓まで反映

 戦車でも撃破できる歩兵携行型兵器の進歩と普及はその後も続き、今後の戦場ではあらゆる戦闘車両が攻撃を受ける可能性が高まり、乗員を保護するための一定の装甲と防御力が求められるようになったといえるでしょう。

Large figure2 gallery7ハンファ・エアロスペースが開発中のK-NIFV歩兵戦闘車(布留川 司撮影)

 AS21では装甲の追加だけではなく、飛来するロケット弾やミサイルを迎撃するAPS(アクティブ防御システム)などの防御システムも装備した結果、43tという戦車並みの重量と引き換えに、現代戦においても通用する高い防御力と乗員の生存性を獲得したのです。

 K-NIFV もAS21をベースにしており、重量増加による防御力と生存性の向上というコンセプトは同じです。しかし、コンセプトをただ受け継いだのではなく、それを発展させています。

 特にメーカーが一番のセールスポイントにしているのが、ウクライナ紛争でその効果が証明されたドローン兵器への対処・迎撃能力です。

 K-NIFV は主砲の30mm機関砲(オプションで40mmテレスコープ弾)、AI制御のRCWS(遠隔操作兵器ステーション)、APSによって3重の対ドローン迎撃兵器を装備し、これにレーダーとAIセンサーによって多層型の対ドローン迎撃能力を備えています。メーカーであるハンファ・エアロスペースもK-NIFVの対ドローン能力を「世界最高レベル」とアピールしています。

 K-NIFVは2024年10月から開発が始まっており、2028年3月には完了する予定です。韓国陸軍ではK200A1歩兵装甲車の更新用として検討中で、さらに潜在的な海外カスタマーとしてルーマニア、イタリア、ノルウェー、アラブ首長国連邦、サウジアラビアなどの名前も挙がっています。

 歩兵戦闘車の重量増加は世界的なトレンドにもなりつつあり、AS21やK-NIFV以外にもドイツのリンクスKF41やイギリスの「エイジャックス」など、近年開発された次世代歩兵戦闘車は軒並み自重が40t以上ある重量級となっています。

 10式戦車に比肩する車重というと、重そうに感じますが、じつはK-NIFVの43tという重量は異常ではなく、近い将来「現代戦を生き抜くための最低ライン」になるかもしれません。

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