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高熱で大量の汗…「インフルエンザ」感染時、入浴すると症状悪化? 体調不良時に“体を清潔に保つコツ”

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 インフルエンザの流行が続いています。厚生労働省によると、第47週(11月17日から同月23日まで)のインフルエンザの定点当たりの報告数は51.12人で、前週の1.35倍となっており、注意が必要です。

 インフルエンザの感染時は高熱が出ることが多く、大量の汗をかくため、入浴したくなることがあります。インフルエンザの感染時に入浴しても問題はないのでしょうか。インフルエンザに感染したときの衛生管理について、ことびあクリニック恵比寿院(東京都渋谷区)院長で小児科専門医の金井幸代さんに聞きました。

シャワーを短時間浴びてもOK

インフルエンザの感染後に入浴してもOK?(画像はイメージ)
インフルエンザの感染後に入浴してもOK?(画像はイメージ)

Q.インフルエンザに罹患(りかん)し、高熱が出たとき、お風呂に入ってもよいのでしょうか。大人と子どもとでは、入浴の可否に違いはありますか。

金井さん「高熱があるときは『安静が第一』です。ただ、大人、子どもを問わず、動けるようなら『短時間のシャワー』であれば問題ありません。

入浴は体を清潔にする良い習慣ですが、同時に体力も使います。特に『インフルエンザ』で高い熱が出ている場合や、症状が重くてぐったりしている場合は、ウイルスと戦うために体力を温存しなければなりません。基本的には入浴せずに安静にして寝ることが一番の治療になります。

しかし、熱があっても活気があるなら、ぬるま湯でのシャワーを短時間浴びて、汗を流す程度であれば良いでしょう。汗を流してさっぱりすることで、気分転換になり、かえってスッキリしてよく眠れることもあります。

また、回復期に入り、37.5度程度の微熱に下がった際は短時間であれば湯船につかっても構いません。子どもの場合は機嫌がよく元気な場合に限ります。迷う場合は、『子どもが風呂に入りたがっているか』『ぐったりしていないか』を見て判断しましょう。あるいはお子さんの普段の体質をよく知っている、かかりつけ医の指示に従ってください」

Q.家族がインフルエンザに感染した場合、風呂に入る順番はどうすればよいのでしょうか。

金井さん「インフルエンザは、ウイルスが付着した手で口や鼻を触る接触感染や、飛沫(ひまつ)感染によって感染します。インフルエンザは感染力が強いため、家庭内感染を防ぐ最大のポイントは『ウイルスを共有しないこと』です。そのため、感染者は『最後』に入るのが鉄則です。手順は次の通りです」

(1)入る順番
感染していない家族が先に入り、感染している人は最後に入ります。

(2)換気
感染者が入浴後は換気扇を回すか、または浴室に窓があれば窓を開けて空気を入れ替え、十分な換気をしてください。

(3)掃除
ドアノブやシャワーの持ち手、水栓レバー、電気のスイッチなど、感染者が触れた場所は、次亜塩素酸0.1%溶液またはアルコールで消毒、清掃してから、次の人が使うようにします。

(4)タオルの共用はNG
バスタオルやフェイスタオル、手拭きタオルは共用せず、個人専用のものを使ってください。

もしどうしても感染者が先に入らなければならない場合、例えば小さな子どもを入浴させる際は、湯船にお湯をためて入浴させるのは避け、シャワーのみにしてください。入浴させた後は、先述のように換気と接触部分の消毒をしっかり行ってください。

Q.ちなみに、「風邪のときは風呂に入るな」という話をよく聞きますが、どのような理由が考えられますか。

金井さん「昔と今では『住宅環境』が大きく違うことが考えられます。例えば、祖父、祖母から『風邪の時はお風呂に入っちゃダメ!』といわれた経験がある人も多いでしょう。これは、当時の日本の住宅事情が大きく関係しています。

昔の住宅は断熱性が低く、風呂場や脱衣所が外気温と同じくらい寒く、ドライヤーなどの便利な家電も普及していませんでした。そのため、風呂で温まっても、上がるときに急激に体が冷え(湯冷め)、体力を消耗して風邪が悪化することが多かったのです。

一方、現代の住宅:は浴室暖房や断熱材が普及し、ドライヤーですぐに髪を乾かせます。そのため、湯冷めのリスクが減り、あせもの予防やリフレッシュ効果など、むしろ皮膚を清潔に保つことのメリットが重視されるようになりました」

Q.高熱で体を動かすのがつらいときなどに、入浴以外の方法で体を清潔に保つためにはどうすればいいのでしょうか。

金井さん「高熱でぐったりしているときや浴室までの移動がつらいときは、無理に入浴する必要はありません。代わりに、温かいタオルで体を拭く『清拭(せいしき)』をすると、体がさっぱりして気持ちよくなります」

【清拭の手順とコツ】
(1)準備

洗面器に50度程度の熱めのお湯を入れ、その中にタオルを浸してから絞ります。その際、やけどに注意してください。

(2)拭き方
まず、汗をかきやすい「首回り」「脇の下」「背中」「足の付け根」を優しく拭きます。ゴシゴシこするのではなく、優しく押さえるように拭くのがポイントです。

(3)着替え
汗を吸ったパジャマや下着は、小まめに新しいものに取り替えましょう。

清拭をすると皮膚の不快感が減り、気分転換になりますよ。また、小さい子どもの場合、風呂に入れないとお尻が汚れたり、かぶれたりしやすいです。そんなときは、洗面器に入れたぬるま湯におしりをつけて、優しく洗ってあげましょう。全身を洗わなくても、デリケートな部分を清潔にするだけで、子どもが快適に過ごせますよ。

オトナンサー編集部

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