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「海のテトリス」!? ミス一つ許されないコンテナ船の積み込み現場 緻密すぎる“プロの仕事”とは

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  • 乗りものニュース
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最大で2万4000個のコンテナを積む巨大コンテナ船。その積み荷は、安全性と効率を両立させる緻密な計画で決められています。まるでパズルのような計画の裏側は、どうなっているのでしょうか。

船上の「テトリス」を操る専門家

 21世紀の現在、海上貨物輸送の主流はコンテナ船です。基本的に貨物は多種多様なサイズ・大きさで、それを仕分けするのは大変です。そこで規格を統一したコンテナで運べば効率が図れます。船だけでなく港湾設備も、さらに陸上輸送に用いるトラックやトレーラーなどまで、コンテナに合わせて規格化することが可能になります。

Large figure1 gallery9コンテナ船(画像:写真AC)

 こうして、第二次世界大戦後、世界の港湾はコンテナを運ぶために最適なつくりとなっていきました。

 ただし、コンテナも規格統一が図られているとはいえ、無秩序に積めるわけではありません。船である以上、水に浮く必要があり、また重量バランスを考慮しなければ転覆や落下の危険性が高まります。

 そのため、コンテナ船に積まれる一つひとつのコンテナの位置は、「積付計画(Stowage Plan)」と呼ばれるマスタープランに基づき、船上の特定の位置(ベイ、ロー、ティアと呼ばれる座標)に、緻密な計算の上で決定されています。

 この複雑な三次元パズルの設計を専門に行うのが、「プランナー」と呼ばれる人たちです。

 彼らの仕事で絶対に譲れないのは、船の安全性を確保することです。その基本は、船全体の重心をできるだけ低く保つこと。物理の法則通り、重いコンテナは船倉の低い位置へ、軽いコンテナは甲板上の高い位置へ配置するのが鉄則です。

 また、重量が船体の前後に偏ったり、中央に集中しすぎたりすると、船体が反り上がったり(ホギング)、垂れ下がったり(サギング)して、船の構造に過大なストレスがかかってしまいます。

 プランナーはこうした事態を避けるため、船全体の重量バランスを厳密に計算しながら、コンテナの配置を決めていきます。

計画を複雑にする「特別なコンテナ」たち

 さらに、物流の効率性も重要な要素です。航海で最初に寄港する港で降ろすコンテナは、クレーンがすぐアクセスできる甲板上の最上段などに配置しなければなりません。逆に、最終目的地へ向かうコンテナは、船倉の底など最もアクセスしにくい場所に積まれます。

Large figure2 gallery10コンテナ船の積み下ろし(画像:写真AC)

 この「後入れ先出し」の原則を無視すると、目的のコンテナを取り出すために、関係のないコンテナを一時的に移動させる「リハンドリング(荷繰り)」という無駄な作業が発生してしまいます。この荷繰りをいかに減らすかが、プランナーの腕の見せ所です。

 プランナーの仕事をさらに複雑にしているのが、特別な配慮が必要な「特殊貨物」の存在です。

 例えば化学薬品などの危険物は、「国際海上危険物規程(IMDGコード)」という国際ルールに基づき、厳格な管理が求められます。

 互いに危険な化学反応を起こす可能性がある物質同士は、「隔離(Segregation)」と呼ばれる厳格なルールに基づき、定められた距離(3m、6m、12mなど、組み合わせによって異なる)を保って積まなければなりません。

 生鮮食品などを運ぶ「リーファー(冷凍・冷蔵)コンテナ」も、特別な配慮が必要です。冷却ユニットを動かすために常に電源が必要で、船に備えられた専用の電源ソケットがある場所にしか配置できません。

 さらに、大型機械や車両といった、規格外の寸法を持つ「OOG(Out-of-Gauge)貨物」もあります。これらは、隣や上のコンテナを置くスペースまではみ出してしまうため、周囲の空間もまとめて確保しておく必要があります。

 プランナーは、これら複数の、時には互いに矛盾する要求を調整し、無数の組み合わせの中から最適解を見つけ出しているのです。

一つの計画ができるまで プランナーの業務プロセス

 プランナーの仕事は、まず情報の収集から始まります。

Large figure3 gallery11コンテナ船(画像:写真AC)

 船会社に予約された「これから積むコンテナのリスト」と、すでに航海中の船から送られてくる、現在の積載状況に加え、各コンテナの重量、仕向地、危険品情報など詳細なデータが格納された「BAPLIE(バプリー)」という世界共通の電子データ交換フォーマットを入手します。

 次に、専用のソフトウェアを使い、仮想空間でシミュレーションを行います。

 BAPLIEファイルの情報を基に再現された船のモデルから、自港で荷降ろしするコンテナを仮想的に取り除き、そこに新しいコンテナを一つひとつ配置していくのです。この時、安全性、効率性、そして特殊貨物のルールという複数の条件を同時に満たす最適解を探します。

 こうしてでき上がった計画案は、コンテナターミナルに送られ、クレーンの能力やヤードの状況で実際に作業が可能かどうかの調整が行われます。

 そして最終段階として、陸上で作成された計画案は本船へと送られ、安全運航の最終責任者である一等航海士がこれを独立して検証します。

 一等航海士は、船内に搭載されたローディングコンピューターを用いて、提案された計画が船の復原性や船体強度に与える影響を再計算し、あらゆる状況下での安全性を最終確認します。

 この二重のチェックが完了して初めて、実際の荷役作業が開始されるのです。世界経済を支える海上輸送の安全と効率は、こうした専門家たちの緻密な仕事によって、日々守られています。

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