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無茶しやがって…とも言い切れないアメリカ海軍の「空母から大型機を飛ばす試み」3選

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  • 乗りものニュース
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空母艦上は、陸地にある飛行場よりも狭いため、艦載機にはサイズの制限があります。しかし、そのような制限をものともせずに空母から発艦した大型機がいくつもありました。そのなかでも注目すべき3機種を取り上げてみます。

原爆積んで片道発艦 P2V哨戒機流用の爆撃機

 太平洋戦争において、アメリカ軍機が初めて日本本土を爆撃した「ドーリットル空襲」は、洋上の空母「ホーネット」から陸上運用メインのB-25爆撃機を飛ばしたことで成功しました。
B-25のような大型機は、離陸までの滑走距離の問題などから艦載には不向きで、よって陸上運用となるわけですが、そこを曲げて、言ってしまえば無理を押して空母から飛ばすという作戦です。

 そのような無茶も戦時下ゆえのことかと思いきや、アメリカ海軍はその後も、こうした大型機を空母から発艦させる試みを何度か実施しました。そうしたなかから特徴的な3つの事例を見ていきます。

Large 200611 ac 011949年4月7日、空母「ミッドウェイ」で発艦テストを行うP2V-3C攻撃機(画像:アメリカ海軍)。

 太平洋戦争で初めて登場した核兵器(原子爆弾)は、当初、小型化が難しかったため、搭載できるのはエンジン双発以上の大型機に限定されました。そのため、アメリカにおける核兵器の運用能力は初期段階において、陸上基地が拠点の大型爆撃機を多数、保有する空軍に限定されました。

 これに対し、アメリカ海軍は空軍への対抗心から、核兵器が搭載でき、空母で運用可能な大型攻撃機の導入を計画します。この計画は、新型機の開発と既存機転用の両プランがあり、後者のプランとして陸上運用のP2V対潜哨戒機を転用する形で生まれたのが、P2V-3C攻撃機でした。

 P2V-3C攻撃機は、短距離での発艦を可能にするために、胴体側面に推進力を補うロケット(JATO)を増設しています。また着艦は無理なので、作戦終了後は最寄りの自軍もしくは友好国の陸上基地に向かうか、または空母の周辺に不時着水して乗員のみ回収する目算でした。

 1950(昭和25)年前後には、ミッドウェイ級空母3隻を用いて、P2V-3Cの発艦テストが繰り返し行われ、一連のテストに成功したことで、既存のP2V対潜哨戒機を改造する形で、11機のP2V-3Cが製作されます。

 しかし、並行して進んでいた新型機の開発が、AJ「サヴェージ」およびA-3「スカイウォーリア」として結実し、さらに核兵器自体も小型のものが開発できるようになったことで、P2V-3Cは短期間で運用を終了しました。

一度に大量の荷物を洋上にお届け KC-130輸送機

 アメリカ海軍は、1960年代にはP2V-3C攻撃機よりもさらに大きな機体を空母で発着艦させています。それは4発エンジン機のKC-130輸送機です。

Large 200611 ac 021963年10月30日、空母「フォレスタル」で発着艦テストを行うKC-130輸送機(画像:アメリカ海軍)。

 1963(昭和38)年10月30日、KC-130は、北大西洋上において空母「フォレスタル」で21回の発着艦を繰り返し、さらに29回のタッチアンドゴーを成功させています。「タッチアンドゴー」とは着艦(着陸)したのち速度を落とさずにそのまま飛行甲板(滑走路)を前進、途中でエンジン推力を上げて発艦(離陸)するものです。

 KC-130は、発艦時はP2V-3Cと異なり補助ロケットは使わず、さらに着艦時もフックや制動傘(ドラッグシュート)などは使わなかったそうです。

 このテストの目的は、緊急時に洋上の遠く離れた空母へ、大型輸送機を使って一度に大量の物資を送り届けられるか否かを確認するものでした。当時、空母に発着艦できる唯一の輸送機であったC-1「トレーダー」は、搭載量は物資1.6tもしくは人員9名のみで、航続距離も約1700kmと短く、巡航速度も約270km/hと遅いものでした。

 そこで、ひと回り以上大きなKC-130が空母で運用できないかテストされたのですが、同機を空母で用いるためには、機体サイズゆえに甲板上から艦載機をなくす必要がありました。KC-130が着艦および発艦するたびに、いちいち艦載機を格納庫内に収容したり上空待機させたりするのはかなり面倒で、結局、KC-130の空母運用はテストのみで終わっています。

空母を拠点に極秘偵察 U-2戦略偵察機

 空母から飛び立ったのは海軍機だけではありません。CIA(アメリカ中央情報局)所属のU-2戦略偵察機も空母から発艦しています。

 1960(昭和35)年ごろ、CIAとアメリカ海軍はU-2戦略偵察機を洋上哨戒に使えないかと考え、空母でU-2を運用するための各種試験を行いました。

Large 200611 ac 03空母「アメリカ」で発着艦テストを行うU-2戦略偵察機(画像:アメリカ海軍)。

 まず1963(昭和38)年に空母「キティホーク」を用いて、U-2のタッチアンドゴーを実施します。これに成功すると、CIAは着艦フックを増設し、降着装置を強化するなどの改修を施したU-2Gを製作、1964(昭和39)年に空母「レンジャー」で着艦と発艦の両方を成功させました。

 このときU-2Gは、着艦については既存の艦載機と同じく着艦フックでワイヤーを引っかける形をとったものの、発艦はカタパルトを用いずに、向かい風を受けるだけで飛び立ったそうです。

 U-2Gは合計3機作られ、同年にフランスが南太平洋のムルロア環礁で行った核実験の情報収集に投入されます。

 その後、より大型で長距離かつ長時間飛行が可能な改良型のU-2Rが登場したことで、このタイプの艦載型も製作され、1969(昭和44)年11月に空母「アメリカ」で3日間の発着艦試験を実施しました。

 しかし、U-2Rは航続距離および滞空時間が非常に長いため、空母に搭載する必要がなく、結果、U-2Rの艦載型は採用されませんでした。

 また、のちに偵察衛星などが登場したことで、U-2Gの空母運用も幕を閉じます。結局、U-2の空母運用は、前述のムルロア環礁への偵察飛行のみで終わりました。

 このように、空母からは様々な航空機が飛び立っています。突飛と思えるようなことでも、技術の進歩とやる気さえあれば、案外できるのかもしれません。

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