発達が気になる子に“ない”ものの正体。理学療法士が0~6歳の運動サポートをしてわかったある共通点
- マイナビウーマン |

わが子が発達障害の診断を受けた人も、診断はまだでも発達が気になる人も。親子で運動することで子どもが変わるかもしれません。書籍『子どもの気になる言動が改善する からだの使い方』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の著者で理学療法士とアスレティックトレーナー(AT)※の池上悠先生にお話を伺います。
※アスレティックトレーナー…主としてスポーツ選手がケガをした際の応急処置やケガの予防、リハビリ、健康管理をサポートする専門職。
発達が気になる子の多くは「自信がない」

――池上先生が、発達が気になる子向けに運動のレッスンをするようになったきっかけは?
池上先生(以下、池上) 保育園で0歳から6歳までの集団レッスンをしていたころ、発達が気になる子のパーソナルレッスンもしてほしいと依頼されたのがきっかけです。整形外科のクリニックでも働いていたので、もともと小さな子どもから高齢者まで見ていました。その頃から、子どもの発達や発育と運動が深く関係していることを実感していました。そこを意識して実践もしていましたが、保育園のパーソナルレッスンを機にさらに深めていきました。
――子どもにレッスンしてきた中で、どんな悩みが多かったのでしょうか。
池上 共通して見られたのは「自信がない」ということ。本人が自信のなさに気づいている場合もあれば、自覚もなかったり、あっても少なかったりといろいろですが……運動で子どもの気になる言動を改善するうえでも「自信を育む」ことを大事なアプローチポイントと考えています。
――運動を通してどのように自信を育むのでしょう?
池上 一番は成功体験ですね。「できなかったことができた」ということは、立派な成功体験になります。その積み重ねです。わたしたち大人も、仕事で新人の時はできなくて不安だった。でも慣れてきて経験を積めば自信もついて、それほど緊張しなくなったという経験がありますよね。これと似たようなことを、遊びを通して行う運動の中で経験してもらいます。そのために、こちらからも「前とここが違ったよ」「今日はこれができたね」など言葉で伝えて実感してもらえるように働きかけています。
運動は主体性を持って「できた!」を実感できる

――レッスンを通して、どのような言動の改善が見られましたか?
池上 注意散漫だった子が、言葉を使いながら体を動かす運動や集中力を高めるようなバランス運動、ゆっくりとした動きの運動をすると、集中力が高まりやすくなり、落ち着いて行動できるようになりました。さらに走る運動で体力とともに自信もつけていくことで、自信をもって話すことができるようになったんです。本人も「前はマイナス%だったけど、今は300%ぐらいの力が出せるようになった」と言ってくれました。
――すごい! 本人も体が変わったことを実感しているんですね。
池上 そうですね。運動は自分の体を動かしますから、主体性を持って「できたこと」が実感しやすいのだと思います。そうやって自信を育みやすい点はかなりのメリットです。
――ほかに、どんな子が印象に残っていますか?
池上 よく泣いたり、怒ったりする子がいて……動きもちょっとぎこちない子でした。そこで、手足を協調的に動かす練習をすることにしました。最初はだいたい怒っていて「できる・できない」をとても気にしていました。それでも成功体験を少しずつ積み重ねてできることが増えていくと、できる・できないにはほとんど執着がなくなって。泣く、怒るという感情的な部分も割と落ち着いて、より前向きになったこともありましたね。
――運動を通して自信がついたんですね。
池上 自信がついたのと、「できた」ことを繰り返し経験したことが大きいと思います。100%の成功じゃなくても、70、80%できたというのも大事なこととして、実感してもらいました。運動は段階的にやっていくので、成果を実感しやすい面もありますね。
体はチームのようなもの。すべてつながっている

――運動と子どもの発達にはどのような関係があるのでしょうか。
池上 発達障害も発達グレーゾーンも、「脳」にフォーカスしがちですが、実際は体は全部つながっていて呼吸や血液で脳に酸素や栄養を送っています。それでうまく頭が働くことができます。そのためには、筋肉や骨、自律神経、内臓の状態も大切。体はそうやって全部つながっていて、ひとつのチームみたいに連携しているんです。
体を整えるうえでの基本が、「姿勢」と「体幹」。先にこの2つを運動で整えていこうということです。成長も健康も、支えてくれているのは体。発達の悩みは脳の問題だけではないでしょう。他の部分も一緒に整えていったほうが、脳にもしっかり栄養がいき、結果的に発育を促して気になる言動の改善につながってくれます。
――姿勢をよくすることで、どのようなメリットがあるのでしょう?
池上 姿勢は、体のチームワークを働きやすくしてくれます。「よい姿勢」は、自然とまっすぐ楽に立てる状態。この状態だと、気道がしっかり確保されて呼吸も通りやすくなりますし、内臓も正しい位置に収まるので、消化吸収や排泄も整って、ホルモンも正しく働けます。
ところが発達が気になる子は、何かしら姿勢の特徴を持っていることが多いように感じます。猫背や極端な内股またはガニ股、それに反り腰もよく見られます。猫背では、呼吸も詰まりがちで口呼吸になることが多いです。そうなるとイライラしやすいといった状態につながる場合があります。
――姿勢を改善するだけでも、前向きな変化がありそうですね。体幹はどのように関わってくるのでしょうか?
池上 姿勢作りのベースになるのが体幹運動です。体幹は「体の支柱=幹」の部分。そして動きの支点でもあります。ここが安定しないとうまく動けませんし、走るときもぎこちなくなります。無駄に手足がバタつくような感じで、それが大きい動きになって怪我をしやすくなることも。これでは運動の効果も出にくくなってしまいます。しっかりベースを整えたうえで運動をしたほうがいいので、姿勢と体幹の改善は先にキーポイントとしてやっていただけたらと思います。
赤ちゃんの頃からあまり動かないことが発達の問題につながる可能性も

―― 逆に体幹や姿勢が整っていないことで、発達に影響が出ることもあるのでしょうか。
池上 それは考えられますね。運動は発達を促す要素のひとつです。最近は赤ちゃんのときからスマホやタブレットを見ている時間が長いために、運動する時間が少ない子もいて。それで体幹や姿勢が育ちにくく、発達グレーゾーンのような言動を示す子も増えているように感じています。
――生活スタイルの変化で運動の時間が減っていることも影響しているのですね。
池上 そうですね。スマホやタブレット自体が悪いわけではありませんが、親が使い方についてバランスを取ってあげる必要があるのではと思います。ただ、そういう子ほど、少しの運動で大きな改善が見られる印象です。姿勢と体幹が大切なことはすべての子に共通しているので、ぜひ改善できる運動に取り組んでほしいです。
* * *
後編(3月1日公開予定)では、発達が気になる子に向けた運動の方法について教えてもらいます。
(取材・文:佐藤華奈子 編集:マイナビ子育て編集部)
※記事内の画像はイメージです
池上悠先生のプロフィール
理学療法士・アスレティックトレーナー
北里大学卒業後、都内の整形外科クリニックにて幼児から高齢者までの治療・リハビリテーションを経験。病院勤務と並行して、大手フィットネスジムでのパーソナルトレーニング指導や、スポーツチームでのリハビリテーションサポートをおこなう。その後、医療知識とスポーツ知識を活かした整体×パーソナルトレーニングの店舗を2020年に渋谷区に開業。また、都内保育園にて、ケガ予防や身体の土台作りの運動指導レッスンを実施してきた。現在は、発達が気になるお子さんや発達障害の診断があるお子さん、スポーツに励む学生にもパーソナルレッスンをおこなっている。0歳から高齢者まで、累計5000人以上・延べ3万件を超える発育・運動サポート実績がある。
池上先生の著書『子どもの気になる言動が改善する からだの使い方』発売中
「注意力が散漫」「感情的・衝動的になりやすい」「コミュニケーションが苦手」など子どもの気になる言動についての悩み別に、体のサポートポイントや運動メニューを紹介。親子で取り組める、実践的な一冊です。
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