「暖かい場所」で眠くなる…生理現象とは限らない? やっかいな「睡魔」を吹き飛ばす簡単テクニック3選
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暖かい場所に移動すると眠くなる原因は?(画像はイメージ)
寒い場所から暖かい場所に移動したとき、急に眠くなることはありませんか。この場合、どのような原因が考えられるのでしょうか。暖かい場所にいても眠くならない方法や、眠気を覚ます方法などについて、アスリートやビジネスパーソンなどにメンタルトレーニングを行う脳レボ(神戸市)代表の川谷潤太さんに聞きました。
自律神経の急激な切り替わりが原因で眠くなる
Q.暖房が効いた暖かい場所に行くと、途端に眠くなるのはなぜなのでしょうか。
川谷さん「暖かい場所に入ると眠くなるのは、多くの人に起こる自然な生理現象です。主な原因は、自律神経の急激な切り替わりにあります。
寒い屋外では、体温を維持するために自律神経の『交感神経』が活発に働いています。交感神経は体を活動モードにする神経で、血管を収縮させて熱を逃がさないようにし、心拍数も上げて体を緊張状態に保っています。
ところが暖かい室内に入ると、体温を維持する必要がなくなるため『副交感神経』に急激に切り替わります。副交感神経はリラックスモードの神経のため、体の緊張が一気にほどけて、脳が『もう頑張らなくていい=休んでいい』と判断し、眠気が生じるのです。
これは車で言えば、ずっとアクセルを踏んでいた状態から急にブレーキを踏むようなもので、その落差が大きいほど強い眠気として感じやすくなります」
Q.では、暖かい場所に行くと眠くなる場合、基本的に心配は不要ということでしょうか。
川谷さん「暖かい場所で多少眠くなること自体は正常な反応であり、基本的には心配いりません。ただし、十分な睡眠を取っているにもかかわらず『暖かい場所に入るだけで毎回強烈な眠気に襲われる』『日中場所を問わず耐えられないほどの眠気が頻繁にある』『眠気とともにだるさ、めまい、頭痛などの不調が続く』などの場合は注意が必要です。気になる場合は一度専門の医療機関へ相談されることをおすすめします」
Q.暖かい場所に行っても眠くならない方法はありますか。効果的な対処法について、教えてください。
川谷さん「私は多くの企業で研修や講演をしていますが『眠くならないコツを教えてほしい』というご要望は多いです。昼下がりや暖かい会議室などで眠気を感じた経験のある人も多いのではないでしょうか。すぐに実践できる3つのコツをご紹介します」
(1)意識を「外側」に向ける
眠くなるときの脳は、意識が「内側(自分自身)」に向いている状態です。「眠い」「だるい」「退屈だ」などと自分の内側の感覚に意識が集中すると、脳はリラックスモードに入ってしまいます。
逆に、意識を「外側」、つまり対象に向かって積極的に向けると、交感神経が適度に活性化されて覚醒状態を維持しやすくなります。具体的には「話している人の目をしっかり見る」「周囲の音に耳を傾ける」「手元の資料の文字を目で追う」など、五感を使って外部の情報に注意を向けることが効果的です。
私の講演でも、この「外向的に集中する」というワークを行うと、参加者の表情がガラッと変わり、眠そうにしていた人が一気に目を覚ますことがよくあります。
(2)小まめに体を動かす
長時間じっとしていると、体が省エネモードに入り、副交感神経が優位になって眠気が出やすくなります。席を立てる状況であれば、少し歩いたりストレッチをしたりするだけでも効果があります。
席を立てない場合でも「足の指をグーパーと動かす」「かかとを上げ下げする」「肩を回す」などの小さな動きで構いません。私が講演でよく行う「コーディネーション・トレーニング」という右手と左手で別の動きをする方法は、体を動かしながら脳を活性化させるので、眠気防止には非常に効果的です。
(3)冷たい水を飲む
冷たい水を飲むと、体内に冷たい刺激が入ることで交感神経が一時的に活性化し、目が覚めやすくなります。カフェインを含むコーヒーや緑茶も有効ですが、カフェインは効果が出るまでに20〜30分ほどかかるため、「眠くなりそうだな」と感じる前に飲んでおくのがポイントです。
ちなみに、暖房の効いた部屋では体が乾燥して脱水気味になっていることも多く、水分不足自体が集中力低下の原因にもなります。眠気対策と水分補給を同時にできるので、冷たい水を小まめに飲む習慣はおすすめです。
暖房が効いた部屋で眠くなる人とならない人の違いとは?
Q.暖房が効いた部屋にいて眠くなる人もいれば、眠くならない人もいます。何が違うのでしょうか。
川谷さん「同じ暖かい部屋にいても、眠くなる人とならない人がいます。この違いには、主に3つの要因があります」
(1)自律神経の「切り替え力」の差
最も大きな違いは、自律神経の調整力です。自律神経が整っている人は、寒い場所から暖かい場所に移動しても、交感神経と副交感神経の切り替えが緩やかに行われるため、急激な眠気は出にくくなります。
一方、日頃から不規則な生活やストレス過多の状態にある人は、自律神経のバランスが乱れがちです。こうした人は温度変化に対する反応が過敏になりやすく、暖かい場所に入った途端に副交感神経が一気に優位になって、強い眠気を感じやすくなります。日頃から規則正しい生活リズムを保つこと、適度な運動習慣を持つことが、自律神経の調整力を高めるのにおすすめです。
(2)睡眠の質と量の差
普段から十分な睡眠が取れている人は、日中に「睡眠負債(たまった眠気)」が少ないため、暖かい場所に入っても眠気が出にくい傾向があります。反対に、慢性的に睡眠不足の人や睡眠の質が低い人は、副交感神経が優位になるきっかけがあるだけで、たまっていた眠気が一気に表面化してしまいます。
暖かい場所に入ったこと自体が眠気の「原因」というよりも、もともとたまっていた睡眠負債が暖かさという「きっかけ」によって出てきているケースが多いのです。暖かい場所ですぐに眠くなるという人は、まず自身の睡眠を見直してみることをおすすめします。
(3)集中状態(意識の向き)の差
企業研修でもよくお話しますが、先述のように「眠くなるかどうか」は「意識がどこに向いているか」によっても大きく変わります。
何かに没頭していたり、興味を持って話を聞いていたりする人は、意識が外側(対象)に向いているため、脳が覚醒状態を維持しやすくなります。一方、「つまらないな」「早く終わらないかな」と感じている人は、意識が内側に向きやすく、脳がリラックスモードに入りやすくなります。
同じ暖かい会議室でも、積極的に参加している人と受け身の人とでは、眠気の出方がまったく異なるのはこのためです。
暖かい場所で眠くなりやすいという方は、「自律神経を整えること」「睡眠の質を上げること」「意識を外側に向ける習慣をつけること」、この3つをぜひ心掛けてみてください。
オトナンサー編集部
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