年収数千万円の「成功者」と結婚できる女性の2条件

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オトナンサー
2020年8月25日12時52分

　世の中には、数千万円以上の高年収を得ている男性もいます。こうした人を世の中では「成功者」といいますが、そうした男性の奥さんも美貌など、普通の人とは異なる何かを持っているのではないかと思われがちです。しかし、「成功者の奥さんは意外に普通」という見方もあり、ファイナンシャルプランナー（FP）として、高収入者を含む数多くのお金の相談に乗ってきた筆者は、成功者と結婚するためには2つの条件があるのではないかと考えています。

「美貌」は「能力」に太刀打ちできない

　随分前のことですが、ネット上で、ある女性と某有名投資銀行のCEO（最高経営責任者）とのやりとりが拡散しました。要約すると、次のような内容です。

女性「私は若くて、容姿にも自信があるので、年収4000万円以上の男性と結婚したい。そのような成功者の奥さんは意外と普通か、それ以下の人が多いので、自分なら選ばれるはず」

CEO「あなたは美貌という『資産』をお金に交換しようとしている。しかし、その価値は急激に下がるので、『長期保有（結婚）』するのは得策ではない。レンタルで十分。年収4000万円以上稼ぐ人は、そんな“ばか”ではないので、あなたとデートすることはあっても結婚はしないだろう」

　そして、最後に「誰かをあてにするのではなく、自分の力でお金持ちになっては」と締めるというものです。

　これは、実際には別の人が回答したことに尾ひれがついて、いつの間にか、CEOが回答したことにすり替わってしまったというのが真相のようですが、筆者がこの話の中で思わずうなったのは「成功者の奥さんは意外と普通」という指摘です。

　筆者はFPとして、延べ1000世帯の相談に乗り、その中には、年収4000万円を超えるような相談者も結構いますが、確かに、そのような相談者の奥さまは見た目だけでいえば、ごくごく一般的であることが多いように感じます。そのため、冒頭の話に出てきたような自分の容姿に自信のある“イケてる若い子”から見れば、「普通」に映るのかもしれません。

　しかし、この「普通」の裏側にこそ、成功者と結婚できる女性に当てはまる2つの条件が隠されていると、筆者は思っています。なお、先ほどから、「普通」「普通」と連呼し、これだけでは過去の相談者に失礼にあたるので補足させていただきますと、皆さん当然ながら、「普通以上」であることは見る人が見れば分かります。

　成功者の奥さまは、上品でよい物を身に着けておられますし、美容に関してもしっかりとメンテナンスをされているので、実際の年齢よりも若く見える人が多いです。やはり、これらは夫の経済力のたまものでしょう。

　これらが表すことは結局のところ、「容姿（特に若い頃の）を基準に生涯の伴侶に選ばれたわけではない」ということです。当然ながら、性格や相性を含めた人間性、そして、能力を評価されている部分が大きいのです。

　性格的な部分は人それぞれなので何とも評価のしようがありませんが、能力という点からいえば、このような女性は結婚前には大企業でキャリアを積んでいたり、何かしらの資格を持って第一線でバリバリ働いていたりしたような人も多く、高収入の夫に隠れてはいるものの、単純な話、スペックが高いのです。

　そのため、男性側からすれば、話をしていても飽きませんし、結婚後も自分の仕事のサポートや的確なアドバイスなどが期待できるのでしょう。先ほどの話でいえば、「人間性」も「能力」も資産として見れば、減少することはありません。この時点で、近い将来に減少が確実である「美貌や若さ」だけでは太刀打ちできないことが分かります。

結婚は「成功前」に

　次に重要なのはタイミングです。ファイナンシャルプランニングでは、結婚した時期なども伺うので、その流れでお二人のなれそめなどもお聞きしますが、成功者の多くは「成功前」に結婚しています。

　そのため、女性側からすれば、別にお金持ちと結婚したつもりはなく、結婚した相手がたまたま「お金持ちになった」だけともいえます。そして、その頃の感覚を持ち続けているため、夫の収入が増えても「意外と普通」の生活を心掛けているケースが多いのでしょう（とはいえ、実際にはお金を使うときには使っていますが）。

　では、成功者が独身の場合はどうでしょうか。おそらく、冒頭の話ではこのような男性がターゲットにされているのでしょうし、割と簡単に美貌で落とせるような気もします。しかし、そうでもないようです。

　ここでは、筆者の知人に登場してもらいたいと思います。彼は苦学の末に弁護士になり、今では数千万円の年収を得ていますが、「弁護士になった途端にモテるようになった」とのことで、誠にうらやましい限りです。しかし、同時に「自分のことが好きなのか、弁護士というステータスが好きなのか分からない」とこぼしていました。

　そして、数年の婚活の後、結局は大学時代の同級生で、同じく法曹界で働く女性と結婚しました。これと同じような現象はプロスポーツの世界でも見られます。実際、ゴルフの松山英樹さん、石川遼さん、サッカーの遠藤保仁さんなどは中学、高校時代の知人（同級生や後輩）と結婚されています。デビューして数年で数千万円、数億円を稼ぐ野球選手やサッカー選手が、高校時代からの同級生や後輩などを生涯の伴侶として選ぶようなケースは意外と多いのです。

　彼らにしても当然、どこに行ってもチヤホヤされるに決まっていますが、お金や肩書などの「装飾品」だけを評価されることには何となく居心地の悪さを感じ、頭がよければよいほど、さめてしまうのでしょう。

　成功後に近寄ってくる人より、成功前の「何者でもない自分」によくしてくれていた人の方が信頼できるという気持ちは、何となく理解できます。「見た目」などよりは、前から知っているということの方がよほどのアドバンテージになるわけです。

　もちろん、「成功後」に女子アナやタレントなどと結婚する人もいますが、このようなケースでも容姿以上に、それぞれの世界で培った知識や周囲への気遣いに引かれたのではないかと思います。結局は「中身」ということでしょう。

　このような点から、成功者と結婚するための2つのポイントが見えてきます。一つは「豊かな人間性、そして能力（スキル、キャリア、資格）が高い」ということ、そして、もう一つは「男性が成功する前に知り合っている」ということです。

　この2つの条件を満たすためには、若い頃から、勉強だけでなく、いろいろな経験をして自分の内面を磨き、そして、周囲に金の卵がいないかアンテナを張り巡らせる必要があります。当然ながら、誰が「金の卵」なのか分からないので、必然的にみんなに優しく振る舞わないといけません。その上、美人であればいうことなしでしょう。

　しかし、どうでしょう。ここまでのことができるのであれば、この人自身が成功に一番近い気がします。結局のところ、すでに成功した人に選ばれて、その伴侶の地位に就くのは、自分自身が成功するのと同じくらい難しいということなのでしょう。その点、某CEO（実際には違う）が話した「誰かをあてにするのではなく、自分の力でお金持ちになっては」という言葉が、一番の真理なのかもしれません。

あおばコンサルティング代表取締役／1級FP技能士・宅建士加藤圭祐