名駄菓子「モロッコフルーツヨーグル」が放つ“遊び心”と“食べにくさ”の魅力
- オトナンサー |

昭和の時代から親しまれている駄菓子には、大きく2つの特徴を持った商品が多いと思います。一つは「遊び心」。食べること自体が遊びになっているような楽しさです。
2つの特徴を兼備する傑作
例えば、たばこを模した「ココアシガレット」、パイプを模した「ソフトマドロス」などは「大人のマネをしてみたい」という子どもたちの好奇心を刺激し、食べることそのものに「ごっこ遊び」のような楽しさがあります。指輪形キャンディーの「プチリング」、練ると色が白く変わる「棒付き水アメ」なども、遊びながら食べる駄菓子の代表格でしょう。「花丸せんべい」と「梅ジャム」という定番の組み合わせにも、せんべいにジャムで文字や絵を落書きする楽しさがありました。
駄菓子のもう一つの魅力は「食べにくさ」。10円、20円の駄菓子はボリューム的にはごく少量、パクッと一口で食べればそれで終わってしまいます。そこをあえて食べにくくすることで、長い時間楽しめるように工夫されているものが多いと思います。
棒状のビニールチューブから少しずつ押し出して食べる「あんずボー」や「マンボ菓子」、極小の餅アメを1つずつ、ようじで刺して食べる「こざくら餅」、なかなかかみ切れないので、長時間しゃぶるしかない串イカや「蒲焼(かばやき)さん太郎」「都こんぶ」などなど……。
こうした2つの特徴を兼ね備えている傑作駄菓子がご存じ、「モロッコフルーツヨーグル」でしょう。ヨーグルトの瓶をそのままミニチュア化したような容器から、小さなさじを使って少しずつ食べていると、まるで「おままごと遊び」をしているような気分になってきます。ひと口で完食できてしまう量しか入っていませんが、あえてチマチマと食べることに、駄菓子ならではの楽しさがあるのだと思います。
ただ、現在は「ジャンボヨーグル」という大容量バージョンも販売されています。「ヨーグル」が好きだった筆者は子ども時代、「本物の瓶入りヨーグルトみたいなでっかいヨーグルがあればいいのに」なんてことを考えていましたが、その妄想が今では現実になっています。
商品名とマークの秘密

「モロッコフルーツヨーグル」は1961年、大阪のサンヨー製菓から発売されました。モロッコという国にはヨーグルトのイメージはあまりないですが、古くから、ヨーグルトを食べる習慣があったらしいということで、この商品名が採用されたそうです。
「ヨーグルト」ではなく「ヨーグル」となっているのは食品表示法の問題。「モロッコフルーツヨーグル」の主原料はショートニングです。「ヨーグルト」と名乗るわけにはいかないので、このちょっと不思議な名前になりました。ヨーグルトに似た爽やかな甘酸っぱさはオレンジオイルによるもの。発売当時からレシピを変えず、昔から変わらぬ味を守っています。
もう一つ気になるのがシンボルマークのゾウ。「モロッコにゾウはいないのにどうして?」と思ってしまいますが、これには諸説あるようです。「容器の形がゾウの足に似ているから」ともいわれていますが、以前取材したメーカー担当者は「子どもたちにゾウのように優しく、たくましく育ってほしいという願いを込めた」と語っていました。
「当たりが出たらもう一個」のクジ付き商品であることも「モロッコフルーツヨーグル」の大きな魅力です。しかも、「ヨーグル」には昔から、「なぜか、やたらと当たりが出た」という印象があります。「3回連続で当たった!」なんていうこともしょっちゅうありました。「ヨーグル」は5色のラベルで売られていますが、子ども時代、仲間内では「ピンクが当たりやすい」とか「いや、青の方が当たる」とか、都市伝説じみた話がまことしやかにささやかれていました。
「ヨーグル」は今の子どもたちにも親しまれているようですが、ちょっと気掛かりなことがあります。
瓶入りヨーグルトをそのまま縮小したような形状にこそ、この商品特有の楽しさがあるのですが、筆者の子ども時代は、この形の瓶入りヨーグルトは明治乳業(現・明治)や雪印乳業(現・雪印メグミルク)の定番商品で、給食にもよく出ました。ところが、現在はこうした瓶入りヨーグルトはほとんど流通していません。「ヨーグル」の「遊び心」のポイントである「ミニチュア感」はもう、令和の子どもたちには楽しめないのではないかと思います。
昭和レトロ系ライター 初見健一
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