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“愚痴が多く不機嫌な親”の子どもが「このままでいたい」と思う理由とは?

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  • マイナビウーマン
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子には自分を大切にできる人になってほしい、誰しもそう願うものでしょう。一方で、親自身が自分を大切にしているかを問われると……。親がいきいきと生活を楽しむことは、子どもにどんな影響があるのでしょうか?

絵本『アイラブみー じぶんをたいせつにするえほん』の監修者で東京大学名誉教授の汐見稔幸先生にお話をうかがいました。

>>><前編>お漏らしが続く子へかけるべき言葉とは

子どものために、親はどんな姿を見せるべき?

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――今回は、「自分を大切にする」ということについてお聞きします。
汐見先生は『アイラブみー じぶんをたいせつにするえほん』の中で、“「生きることは、こんなに幸せなんだよ」と子どもに示すことが大人の責務である”とおっしゃっていますが、これはたとえばどのようなことでしょうか。
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※画像はイメージです

親の責務は、子どもに「世界って良いところだ」と思ってもらうことだと思います。

子どもは普段から、「自分の生まれた世界ってどんな世界なんだろう」という疑問を持っています。学ぼうとする意欲が一番強いのが子ども、とくに乳幼児期なので、赤ちゃんはとにかくありとあらゆるものを試すんです。

その後、自分がこれから過ごすことになる「大人が生きている世界」に関心が出てきます。そんなときに、一番身近な大人である親が、喧嘩ばかりしていたり、愚痴ばかり言っていたり、いつも怒ってばかりいたら、それを見た子どもはどう思うでしょう。

「世間って嫌なところなんだ」というイメージしか持てなくなって、大人になっても世間に出ていきたくない、ずっと子どもでいたいと思うようになってしまいます。

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――子どもの想像する未来(先の世界)をつくっていくのは、親の態度なんですね。
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そうですね。

子どもに「やさしい人になりなさい」なんて言葉で言ってもダメ。大人の態度で見せる必要があるんです。

たとえば、困っている人がいたとき、大人が「なんとかしてあげよう!」となるのと、「あんなふうだからバチが当たったんだ」と話しているのでは、それを見た子どもが未来に持つイメージが全く変わってくるでしょう。

子どもが、あたたかく豊かな心の持ち主に育ってほしいと思ったら、「生きるってすばらしいよね、いろいろあるけれどもわたしたちは楽しく生きてるよね」と親自身がいきいきと生きる姿を見せることが大切なのです。

世間の住人である大人が笑顔でいる姿を見れば、自分がこれから出て行く茫漠とした場所が「なんだか、良いところのようだな」と思えるようになるわけです。

親自身が日々に楽しみを持って過ごす、子どもが喜んでいたら大人も一緒に喜ぶーーそういうことが一番大事な家庭教育だと思います。出かける予定にワクワクしながら子どもと語り合ったり、短い時間でも子どもと一緒に全力で遊んだりと、親子で過ごす時間を大事にしたいですね。

子どもを保育園に預け、離れて過ごしてもいい?

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※画像はイメージです

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――できる限り、「生きてるって楽しい」と伝わるように日々を過ごしていきたいですね。
一方で、子どもとずっと一緒にいると、どうしてもイライラして余裕がなくなってしまうこともあります。そういうときは、どうしたらいいのでしょうか? 一時保育などを使って、子どもと離れるということもしていいのでしょうか?
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それは、もちろん、マルです!

人類の歴史は長いですが、子どもを朝から晩まで母親が見ているということはやったことがありません。現代の母親が人類の中で初めてやっているのです。その結果、子どもも母親もつらい思いをするということがわかってきたんです。

昔は、冷蔵庫も洗濯機もないから、家事は大変な重労働でした。今に比べて家族も多かったので、家事労働の時間も今よりずっと長かったんです。しかし、生きていくために家事は手を抜けません。母親が手を抜くとしたら育児……手を抜くというか「委ねる」、今の言葉でいうとアウトソーシングですね。「おばあちゃん、この子お願いね」「お兄ちゃん、ちょっとこの子を見てて!」といった感じで委ねていたんです。

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――母親だけでなく、みんなで育児をしていたんですね。
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昔と今の育児については、ほかにも違いがあります。

昔は、家の前の道路もどこもかしこも「子どもの遊び場」でした。だから、子どもだけで遊びに行って木の葉っぱを全部ちぎってたとか、あとから親が知ったら叱られるようなこともしていました。これは、親の目が届かないからこそのメリットがあります。つまり、「ちょっとやりすぎたかな」「ここまではいいかな」なんて悩みながら子ども自身が学んでいくことができたのです。

もし全部親が見ていたら、「何やってんの!」となるでしょう。それが行き過ぎると、子どもは自分で自分の人生を作っているんじゃなくて、親に機嫌良くなってもらうため、親の期待に応えて行動するようになってしまいます。それは「自分の人生の主人公って誰でしょう?」という状態ですよね。「自分の人生の主人公はわたしです」という感覚は、哲学的には「主体性」と言いますが、この主体性を発揮する場がないということになるんです。

子どもは親の機嫌を損ねたら生きていけないから、裏で恨みながらも従います。そして主体性がなくなり、親の思い通りに親が喜ぶことを一生懸命やろうとする子、いわゆる「良い子」に育てるということは、「自分がない子に育てる」ということです。

今の社会の子育ては人類にとって、ある意味“異常”です。親が子どもを全部一人で育てようとしなきゃいけない社会から、子どもを社会で育てるように戻さないといけないのですが、地縁血縁を昔のように戻すことはできないので、保育園などを誰でも使えるものにして、その役割を担っていく必要があるんです。

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※画像はイメージです

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――親が全部自分で子どもを育てなくちゃ、ずっと見ていなくちゃという責任を感じていましたが、子どもを預けることは親のためだけでなく、実は子どものためでもあるということなんですね。
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そういうことです。

たとえば、母親と子どもが毎日一日中ずっと一緒にいる、という家庭もあるでしょう。そうすると、親の感情が全て伝わってしまうこともあります。「なんだかまた怒ってる」「なんで今日は機嫌が悪いんだろう」……そんなことに心のエネルギーを使っていたら、子どもは自分の本当にやりたいことはできないですよ。だから、子どもと親はある程度離れることが大切なのです。

保育園では、母親や父親と離れて同年代の子たちと遊び、保育士さんというプロのもとで生活します。朝送り出して、夕方以降はあたたかい時間をもう一度親子で共有する――そのほうがずっと子どもの心身にとって健康的でしょう。

人生100年とも言われる時代ですから、ずっと家で子どものために……なんてことはやらないで、親自身も、自分を大切に生きてください

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――「親が親であるだけでなく、自分の人生も楽しむことも大切。それが子どものためになる」ということ、そして「親と離れることが子どもの主体性を育てることにつながる」ということですね。
わたしは「自分の人生の主人公はわたし」と子どもが思えるよう、子どもに寄り添ったり子どもに気持ちを尊重したりしてきたつもりでしたが、本来は子育ては社会でするものなんだ、という汐見先生の言葉大変力強く、心に沁みました。
子どもに「この世界は楽しいよ」と示していけるよう、自分の生活や人生も楽しんでいきたいですし、ほかの親御さんにもそうなってほしい、と改めて強く感じました。
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(解説:汐見稔幸先生、文・聞き手:mamaco)

Eテレの番組が絵本に! 5歳児が主人公の『アイラブみー じぶんをたいせつにするえほん』でまずは自分の心と体について親子で学ぼう!

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「自分を大切にできる人になってほしい!」その願いは子を持つ親共通のもの。そして、自分を大切にすることこそが性教育のはじめの一歩につながります。一方で、家庭での性教育にはハードルの高さを感じてしまいますよね。そんな親御さんたちにぴったりな本が、現在発売中の『アイラブみー じぶんをたいせつにするえほん』です。

自分の心と体を大切にするってどういうこと?

■あらすじ
5歳の「みー」は今日も元気にお散歩中。道で出会った犬のワンまるを見て、なんで自分はパンツをはいているんだろう、と不思議に思います。
パパや、道ゆく人に聞いたり考えたりしながら、パンツをはく理由を探していくと、とある発見が......

NHK Eテレで放送中の番組「アイラブみー」のエピソード「なんでパンツをはいているんだろう?」が編集された本書は、5歳の主人公「みー」の体験を通して、自分の心と体を知り、大切にすることを一緒に学んでいける、わかりやすい絵本になっています。

巻末にある、北山ひと美先生や東京大学名誉教授汐見稔幸先生をはじめ「アイラブみー」の番組監修の先生方による解説やQ&Aは、読み応え抜群で思わずハッとするほど“気づき”にあふれています。

親子で楽しみながら「自分とは」そして「自分を大切にすることとは」ということを学び、子どもの自己肯定感を育みましょう。

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『アイラブみー じぶんをたいせつにするえほん』(新潮社)より

書籍概要

■書名: アイラブみー じぶんをたいせつにするえほん
■著者:絵/オバック、文/たけむらたけし
■監修:東京大学名誉教授 汐見稔幸、和光小学校・和光幼稚園前校園長 北山ひと美 ほか
■仕様: A4 変形(196mm×193mm)、 ハードカバー、オールカラー48ページ
■価格:本体1,600円+税
■ISBN:978-4-10-355181-2
■発売日:2023年6月21日(発売中)
■発行元:新潮社

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