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温泉の「泉質」知れば、もっと楽しくなる! 失敗しない“滞在先選び”のコツ 専門家が解説

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温泉の泉質にはどんな違いがある?(画像はイメージ)
温泉の泉質にはどんな違いがある?(画像はイメージ)

 休日に温泉旅行に行きたいと考えている人は多いと思います。有名な温泉地という理由で温泉旅館を決める人もいれば、「腰痛に効く温泉」「関節痛に効く温泉」といった形で、自分が悩まされている症状を基に滞在先を決める人もいるようです。

 ところで、温泉の泉質は、温泉に含まれている化学成分や温度などによって10種類に分類されています。それぞれどのような特徴があるのでしょうか。旅行先の温泉地を選ぶコツも含め、温泉ソムリエの根岸花さんが解説します。

温度が低くても「温泉」に該当するケースも

 まず温泉の定義について、説明したいと思います。温泉の保護を目的に制定された「温泉法」では、地中から湧出する温水、鉱水および水蒸気、その他ガス(炭化水素を主成分とする天然ガスを除く)のうち、一定以上の温度を満たすもの、または決められた物質が規定値以上含まれているものを温泉と定義しています。具体的な条件は次の通りです。

(1)温度が25度以上

(2)ガス性のものを除いた溶存物質や遊離炭酸(CO2)、リチウムイオンなど、19の物質のうち、1つ以上の物質が規定値以上含まれているもの

【主な物質の規定値】
・ガス性のものを除いた溶存物質が1キロ当たり1000ミリグラム以上
・遊離炭酸が1キロ当たり250ミリグラム以上
・リチウムイオンが1キロ当たり1ミリグラム以上
・ストロンチウムイオンが1キロ当たり10ミリグラム以上 など

 つまり、掘り出した液体や水蒸気、ガスに物質がそれほど入っていなくても温度が25度以上あれば温泉に該当するほか、温度が25度未満の液体やガス、水蒸気でも物質が多く含まれていれば温泉ということになります。

 銭湯やスーパー銭湯の中には温泉を使用している施設もありますが、一般的に採取した温泉を沸かして使っているため、温泉とは言えません。温泉と銭湯の違いは、湧出源の有無です。

「硫黄泉」「酸性泉」に入浴後は体を洗い流して

 次に温泉の泉質について解説します。泉質とは温泉など鉱泉の水の化学的性質のことで、10種類あります。

 泉質によって温泉療養に適した症状である「適応症」、温泉療養をしてはいけない病気や症状である「禁忌症」が定められているため、温泉に行く前に必ず確認しましょう。また、温泉施設には、温泉の湧出地や泉温、湧出量、成分、泉質、適応症、禁忌症などを記載した「温泉分析書」と呼ばれるものが掲示されているので、そちらを確認するのもお勧めです。

 各泉質は次の通りです。

■単純温泉
25度以上という温度の規定を満たしているものの、含有成分が温泉法の規定値に満たない温泉を指します。このうちpH8.5以上の温泉は「アルカリ性単純温泉」と呼ばれています。

成分が薄い分、肌への刺激が少ないのが特徴で、湯あたりしにくいです。子どもから高齢者まで、さまざまな世代の人が無理なく入浴できます。

一般的な適用症は神経痛や筋肉痛、冷え性です。基本的にこの適用症はどの温泉にも当てはまります。このほか、疲労回復や健康増進などの効果も期待できます。

■塩化物泉
温泉水1キロ中に溶存物質量(ガス性のものを除く)が1000ミリグラム以上あり、陰イオンの主成分が塩化物イオンの温泉です。入浴時に塩分が皮膚に付着し、汗の蒸発を防ぐため、保温効果が抜群です。また、肌に付着した温泉成分が保湿剤のような役割を果たすため、肌の乾燥を防ぎます。湯冷めしにくく、塩の殺菌効果が切り傷や皮膚乾燥症などに効くとされてます。

■炭酸水素塩泉
温泉水1キロ中に溶存物質量(ガス性のものを除く)が1000ミリグラム以上あり、陰イオンの主成分が炭酸水素イオンの温泉です。

皮膚の表面を軟化させる作用があり、皮膚病ややけど、切り傷などに作用します。また、皮膚の脂肪や分泌物を乳化して洗い流すため、せっけんのように皮膚を洗浄。それにより皮膚を滑らかにするため、肌のツルツル効果や美白効果が期待できます。

■硫酸塩泉
温泉水1キロ中に溶存物質量(ガス性のものを除く)が1000ミリグラム以上あり、陰イオンの主成分が硫酸イオンの温泉です。

鎮静効果が高く、高血圧症や動脈硬化症、脳卒中、リウマチのほか、外傷や皮膚病などの治癒効果があるといわれています。

■二酸化炭素泉
温泉水1キロ中に遊離炭酸(二酸化炭素)が1000ミリグラム以上含まれている温泉で、入浴時に小さな気泡が体に付着します。炭酸ガスが気化せず、泉温が35度前後と低いのが特徴。

炭酸ガスは皮膚から吸収され、毛細血管や細小動脈を拡張し、血液の循環を良くするため、泉温は低くても温まります。心臓に負担をかけずに血行を促進するため、高血圧や心臓病に効果があるといわれています。

■含鉄泉
温泉水1キロ中に総鉄イオン(鉄2または鉄3※2、3はローマ数字)が20ミリグラム以上含まれている温泉です。陰イオンによって炭酸水素塩型と硫酸塩型に分類されます。

鉄分が酸化した希少な温泉で、茶褐色なのが特徴です。よく温まり、貧血や更年期障害、月経障害、冷え性など、女性がなりやすい症状に効果的とされています。

■硫黄泉
温泉水1キロ中に総硫黄が2ミリグラム以上含まれている温泉で、ゆで卵が腐ったようなにおいがするのが特徴です。

動脈硬化症や高血糖、高血圧などに効くとされているほか、たんの切れを良くします。皮膚の角質を軟化溶解するため、皮膚病にも効果があるといわれています。

ただし、効果が高い分、湯あたりしやすいので、長時間入浴しないように注意しましょう。また、体に強い変調作用(刺激)を与えるため、病弱者や高齢者のほか、皮膚や粘膜の弱い人は入浴を避けた方がよい湯です。入浴後は必ずシャワーで体を洗い流してください。

■酸性泉
温泉水1キロ中に水素イオンが1ミリグラム以上含まれている温泉で、pH値が低く、抗菌力があるのが特徴です。水虫や湿疹などに効くとされています。ただ、刺激が強いため、硫黄泉と同様、病弱者や高齢者のほか、皮膚や粘膜が弱い人は入浴を避けた方がよい湯です。入浴後はシャワーで洗い流し、十分に体を拭いてください。

■放射能泉
気体状の放射性物質のラドンが含まれている希少で貴重な温泉です。微量の放射線を浴びると免疫力が上がるとされており、その際、放射線が体内に吸収されてもすぐ体外に排出されます。腎機能の改善のほか、神経痛やリウマチなどの治癒に効果があるほか、体内の尿酸を尿から出すのを促します。湯あたりを起こしやすいので、長時間入浴しないように注意してください。

■含よう素泉
うがい薬にも使われている「ヨウ素」を含む温泉で、強い殺菌作用があります。コレステロールを下げ、動脈硬化の予防にも効果があるとされています。ただヨウ素を過剰に取り過ぎてしまうと、甲状腺肥大を起こしてしまう危険性があるとされており、注意が必要です。

主に甲状腺機能障害や腎臓疾患がある人、妊婦や妊娠の可能性がある人、授乳中の人、妊活中の人は入浴を避けた方がよいです。

泉質でネット検索するのもお勧め

 ネット上で泉質名で検索してみると、その泉質で有名な温泉地に関する情報が多く出てきます。日本温泉協会のホームページでは、都道府県名と泉質で温泉地を検索できるので活用してみてはいかがでしょうか。

 また、温泉に力を入れている旅館やホテルなどの場合、ホームページ上で温泉の実際の画像とともに温泉の泉質や適応症、効能などを掲載していることがあります。

 泉質名がよく分からない場合でも、ネット上で「腰痛に効く温泉」「関節痛に効く温泉」「皮膚にやさしい温泉」といったキーワードで検索してみると、自分に合った温泉が分かることがあります。温泉ソムリエの立場から言うと、ぜひ泉質で温泉を選んでほしいと思います。

 行ってみたい温泉地が決まったら、露天風呂の有無、湯船の数、浴場から見る景観などで宿泊先の旅館を決めるのもよいですね。

 有名な温泉地でもエリアによって、泉質が違うことがあります。例えば旅館とは違うエリアにある日帰り温泉に入ってから旅館に行き、違う種類の温泉に入るのもよいでしょう。宿泊翌日に違うエリアの日帰り温泉に行けば、1つの旅で3回以上の温泉が楽しめると思います。

 代表的な温泉地の主な泉質は次の通りです。

■草津(群馬県草津町)
酸性・含硫黄-アルミニウム-硫酸塩・塩化物温泉

草津の場合、温泉分析書では上記のような表記をされることが多いのですが、泉質で言うと硫酸塩泉、塩化物泉に該当します。強い酸性で殺菌作用が強いのですが、入浴時に体がピリピリするかもしれません。

■熱海(静岡県熱海市)
塩化物泉や硫酸塩泉、単純温泉が多いです。ただ、エリアによって含まれている成分量が多少異なります。

■箱根(神奈川県箱根町)
アルカリ性単純温泉や塩化物泉、硫酸塩泉が多いです。エリアによって泉質が異なります。有名な湯本のほかにも、17の温泉場があります。

■有馬(神戸市北区)
単純温泉、塩化物泉、炭酸水素塩泉、硫酸塩泉、二酸化炭素泉、含鉄泉、放射能泉

有馬温泉の地域には、単純温泉、塩化物泉、炭酸水素塩泉、硫酸塩泉、二酸化炭素泉、含鉄泉、放射能泉の7つの泉質の成分を含む温泉が各地にあります。このため、「7種泉質」と呼ばれることもあります。

地域によっては「含鉄・ナトリウム-塩化物強塩高温泉」という、鉄分と塩化物を多く含む温泉があり、このような温泉は「金泉」と呼ばれています。また、有馬温泉の地域内でラドンや炭酸を含む温泉は「銀泉」と呼ばれています。

■下呂(岐阜県下呂市)
単純温泉(アルカリ性単純温泉)

 最後に気温が低い時期にお勧めの温泉、入るのを避けた方がよい温泉について、ご紹介します。これから温泉旅行に行く際はぜひ参考にしてみてください。

■気温が低い時期にお勧めの温泉
「塩化物泉」「二酸化炭素泉」「含鉄泉」「放射能泉」

保温効果があり、湯冷めしにくい塩化物泉、急激な温度変化がなく、心臓に負担かけずに血行促進し、体の内側から温まる二酸化炭素泉がお勧めです。また、含鉄泉は冷え性に効果があります。

お勧めの温泉地は、草津温泉です。お湯の温度が高く、それほど長く入れないお湯ですが、保温力が高いです。また、有馬温泉の金泉、銀泉には鉄、塩化物、かつラドンが含まれており、特に冬にお勧めです。

■気温が低い時期に入るのを避けた方がよい温泉
「炭酸水素塩泉」「硫黄泉」「酸性泉」

炭酸水素塩泉には皮膚を洗浄する効果があるため、美肌効果は大いに期待できますが、皮膚表面から水分の発散が盛んになり、寒い時期の場合は肌の乾燥の原因になってしまう可能性があります。また、硫黄泉、酸性泉のような肌への刺激が強い温泉も肌の乾燥を引き起こしやすいので注意が必要です。

 温泉地に行くと自然豊かな環境で気持ちよく入浴できるため、五感が刺激されて自律神経が整うとされています。ぜひ休日に温泉に出掛けてみてはいかがでしょうか。

オトナンサー編集部

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