運動時&就寝時に“足がつった” なぜ? すぐにやるべき対処法“5選” 専門家が解説
- オトナンサー |
運動時や就寝中などに足をつってしまい、焦った経験はありませんか。SNS上では「足がつるのはなぜ?」「最近、やたらと足をつる」「明け方に足がつった」という内容の声が上がっています。
足がつってしまう場合、どのような原因が考えられるのでしょうか。また、足をつった場合、どのような応急処置が必要なのでしょうか。足をつる原因のほか、足がつったときの対処法について、「整体院望夢〜のぞむ〜」の総院長で、柔道整復師の岡野夏樹さんに聞きました。
「水分不足」「筋肉の疲労」が原因
Q.そもそも足がつる原因について、教えてください。どのような環境下で足をつりやすいのでしょうか。
岡野さん「主に次のような原因が挙げられます」
■筋肉の疲労
長時間立ち続けた場合のほか、ランニングやサイクリングなどの運動をした後に筋肉が疲れていると、足をつりやすくなります。特に長時間、同じ姿勢でいると血流が悪くなり、筋肉が緊張してつりやすくなります。デスクワークや立ち仕事で同じ姿勢が続く場合は注意が必要です。
不自然な姿勢で長時間過ごした場合のほか、新しい運動を始めたときや普段使っていない筋肉を急に使った場合も、つりやすくなります。
■水分や電解質の不足
水分のほか、ナトリウムやカリウム、マグネシウムなどの電解質が不足していると、筋肉の収縮が乱れてつりやすくなります。汗をかくことが多い夏場や、激しい運動後に十分な水分や電解質を補給しないとつりやすくなるため、注意が必要です。特に脱水状態が続くと足をつるリスクが高まります。
ビタミンDの欠乏も、筋肉の正常な収縮機能に影響を与えるため、足がつりやすくなります。
■寒い環境下での活動
寒い場所に長時間滞在したり、体が急に冷え込んだりすると、寒さで筋肉が収縮しやすくなり、足がつります。水泳の際に足がつることがあるのは、そのためです。
■就寝中
体がリラックスしているときに突然、筋肉が収縮することがあるため、特に夜間や明け方に足がつることが多いです。寒い時期に布団から足が出て、体が冷えたときにも起こりやすいので、注意が必要です。
■ストレスや疲労がたまっているとき
ストレスや疲労がたまっているときは筋肉が緊張しやすくなるため、足がつる頻度が高まる傾向にあります。
■病気や薬の副作用
高血圧や糖尿病といった病気や、特定の薬の副作用が原因で足がつることがあります。
Q.寒い時期だけでなく、暑い時期にも足をつるのはなぜなのでしょうか。
岡野さん「先述の話と重なる部分もありますが、暑いときに足がつる原因として『脱水症状』『電解質の不足』『屋外での激しい運動や作業』『急激な温度変化』が挙げられます。
暑い時期は汗をかくことで体内の水分が失われやすくなります。水分が不足すると血液の循環が悪くなり、筋肉に十分な酸素や栄養が届かなくなります。これが筋肉のけいれん、すなわち足のつりにつながることがあります。
また、汗をかくことでナトリウムやカリウム、マグネシウムなどの電解質も失われます。電解質は筋肉の正常な収縮と弛緩(しかん)に重要な役割を果たしており、これが不足すると筋肉が異常に収縮してつる原因になります。
暑い時期は、特に屋外での激しい運動や作業により、足のつりを誘発しやすいです。体が暑さに対応しようとする一方で、筋肉が過労状態になることがあるからです。
このほか、暑い屋外から冷房の効いた室内に入るなど、急激な温度変化も筋肉に影響を与えることがあります。この場合、筋肉が急に収縮しやすくなり、つりやすくなることがあります」
Q.もし足をつった場合、どのように対処する必要があるのでしょうか。
岡野さん「つった筋肉は収縮しているので、まずは“ストレッチ”で伸ばしてあげることが大切です。その後、つった筋肉を優しく“マッサージ”して、筋肉の緊張をほぐしましょう。筋肉を優しくもみほぐし、血流を促すことで、痛みや緊張が緩和されることが多いです。
つった部分を“温める”ことで、筋肉がリラックスしやすくなります。温かいタオルやお湯で温めたボトルを使ったり、温かいシャワーを浴びたりすると効果的です。
足がつる原因の一つに水分や電解質の不足があるため、つった後は“水分を補給”することが大切です。スポーツドリンクなどで電解質も一緒に補給できるとより効果的です。
このほか、“深呼吸をして体全体をリラックス”させることで、筋肉の緊張が和らぎやすくなります。痛みに焦らず、呼吸を整えて落ち着くことも大切です。
このように、足をつったときは『ストレッチ』『つった部分のマッサージ』『つった部分を温める』『水分補給』『深呼吸をして体全体をリラックス』の5つに取り組んでみてください」
Q.反対に、足をつったときにやってはいけない行為はありますか。
岡野さん「足をつったときは、次の5つの行為をやらないように注意してください」
■つった後に無理に動かす
足がつっている状態で無理に歩いたり、強く動かそうとしたりするのは避けてください。これにより、筋肉がさらに緊張し、痛みが増すことがあります。
特に足がつった直後に焦って動くと、筋肉が再びつったり、別の筋肉が緊張したりしてしまう可能性があります。まずはリラックスして、筋肉が落ち着くまで待つことが大切です。
■過度に筋肉を引っ張る
ストレッチは有効ですが、過度に強く筋肉を引っ張ると、筋繊維を傷つけるリスクがあります。ストレッチはゆっくりと静かに行い、痛みを感じたらすぐにやめるようにしましょう。
■つった部分を冷やす
冷やすことは炎症を抑える上では有効ですが、足をつった場合は逆効果です。つった直後に冷やすと、筋肉がさらに収縮してしまうことがあるからです。つった直後は冷やすよりも、温める方が適しています。
■つった部分を無理にマッサージする
強くマッサージし過ぎると、筋肉や周辺の組織を痛めることがあります。優しく、痛みを感じない程度にマッサージするようにしてください。
■つった後、そのまま放置する
足のつりをそのままにしておくと、筋肉が硬直してしまう可能性があります。できるだけ早めに適切な対処を行い、筋肉をほぐすようにしましょう。
オトナンサー編集部
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