就寝前に「スマホ」操作すると“睡眠の質”悪化…無理なくやめるには? 専門家が教えるデジタル機器との付き合い方
- オトナンサー |

現代社会で生きていく上でもはや必要不可欠なツールの一つがスマホです。ただ、暇があるとついスマホに触ってしまいがちで、スマホは依存性が高い製品とも言えます。就寝直前までスマホの操作に夢中になり、睡眠時間が減った経験がある人は多いと思います。
就寝前にスマホを操作すると、睡眠の質にどのような影響を与えるのでしょうか。就寝前にスマホを操作する習慣を無理なくやめるには、どのような取り組みが有効なのでしょうか。上級睡眠健康指導士の山本智子さんに聞きました。
就寝前のスマホの操作は体のリズムが乱れる原因に
Q.そもそも、就寝前にスマホを操作した場合、睡眠の質にどのような影響を与える可能性があるのでしょうか。
山本さん「就寝前にスマホを操作すると、ブルーライトの光を浴びて脳が覚醒するため、寝付きが悪くなります。また、動画を見続けて気付いたら夜遅い時間になっているということにもつながりやすく、結果として就寝時間自体が後ろ倒しになり、睡眠不足や体のリズムが乱れる原因になるので注意が必要です」
Q.「睡眠の質に悪影響を与える」とは分かっていても、寝る前についスマホを操作してしまうことがあります。就寝前にスマホを操作するのをやめたい場合、どのような対策が有効なのでしょうか。
山本さん「もし可能であれば『物理的にスマホを遠ざける』というのが一番早いですね。寝室にスマホを持ち込まないなどの工夫が必要だと思います。また、スマホを目覚まし時計の代わりにしている場合はそれをやめて、目覚まし時計を使うのが良いでしょう。
あとは、最近ですとデジタルデトックスのアイテムもあります。スマホの中にアプリを入れて時間設定すると一定時間開けなくなるというものです。思い切ってこのようなアプリを活用してみるのも良いかもしれません。
しかし、それも難しいという人はスマホの機能をうまく使って対処するという方が現実的でしょう。例えば、『就寝2時間前くらいから通知をオフにする』『ブルーライトカットの設定にする』など、スマホや光の刺激の影響を最小限にすることが大事だと思います」
Q.就寝前にスマホを操作するのが癖になっている場合、スマホを操作するのをやめるのは難しいのでしょうか。
山本さん「難しいでしょうね。飲酒や喫煙をやめようと思ってもなかなか難しいのと同じです。就寝前にスマホを操作するのが習慣化されている場合、やめるにはかなり強い意志が必要だと思います。習慣をいきなり全部やめることはとても難しいので、できそうなところから少しずつ始めていくというのが良いでしょう。
また、『自分の行動を一旦可視化する』『スマホを触らなかったときのご褒美を自分で設定する』『周りの人に寝る前はもうスマホは触らないという宣言をする』など有効な取り組みをご自身で見つけていくのがお勧めです」
* * *
就寝前にスマホを触ることはブルーライトや視聴するコンテンツの影響により、脳が覚醒してしまうことにつながるため、避けるのがよいことが分かりました。寝る前にスマホの操作をやめるには、物理的にスマホを遠ざけることが最も有効とのことですが、まずは自分に無理のない範囲で実践してみてはいかがでしょうか。
オトナンサー編集部
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