戦車や自走砲など80両が街中に次々出現! 一般道まで封鎖いったい何が?←じつは10年ぶりの実施です
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先日、北海道のほぼ中央にある上富良野町で、一般道を封鎖して戦車などが走り回りました。これはこの地にある自衛隊駐屯地が創立70周年を迎えたからです。市中行進は10年ぶりとのことで、その様子を紹介します。
駐屯地祭で展示された新旧車両たち
北海道の中央部に位置する空知郡上富良野町。ここにある陸上自衛隊上富良野駐屯地で2025年6月1日(日)、創立70周年記念行事が行われ、筆者(吉川和篤:軍事ライター/イラストレーター)も縁あって来賓の1人として参加しました。
後方から排気ガスを吹きながら力強い走りを見せる第2戦車連隊第1中隊所属の90式戦車。車両によっては曲り角付近が白く覆われて、後続車が見えづらくなる程であった(吉川和篤撮影)。
そして、この行事において現在では珍しくなった、戦車による公道を用いた市中パレードも行われたのです
上富良野駐屯地は1955(昭和30)年に開設され、当初は北部方面隊隷下の第2師団に所属する第2特科連隊や第2特車大隊(当時)などが編成・配置されました。ちなみに、「特科」とはいわゆる砲兵で、「特車」とは戦車のことです。
その後、第2特科連隊はその半数以上が旭川駐屯地(旭川市)に移駐することとなり、隷下の第4特科大隊のみ上富良野に残置されます。また、第2特車大隊は第2戦車大隊に改名したのち、再編で第2戦車連隊へ拡充します。さらに第3地対艦ミサイル連隊や各連隊の整備支援部隊なども駐屯して、方面総監部や師団・旅団司令部などが所在する、基幹となる駐屯地以外では部隊数の多い駐屯地へとなりました。
2025年6月現在、上富良野駐屯地には12個部隊、1事務所・センターが置かれているほか、少し離れたところに弾薬支処(多田分屯地)もあります。なお、駐屯地司令は第2戦車連隊長が兼務しています。
かつては東京のど真ん中で市中パレードを行ったことも
創立70周年を記念して、当初は航空自衛隊のアクロバットチーム「ブルーインパルス」による飛行展示及びサイン会も予定されていました。しかし、残念ながらこちらは諸般の事情により中止されています。
装備品展示会場で見られた多連装ロケットシステム自走発射機M270 MLRS。右側の227mmロケット弾のラック(6発)が外されて地上に置かれていた(吉川和篤撮影)。
とはいえ、当日は記念行事を行うにあたり気持ち良いほどの晴天で、市中観閲行進に向け期待が高まります。その前に筆者は一旦、駐屯地内の隊舎近くに設けられていた装備品展示を見学します。ここには最新式の20式5.56mm小銃などの小火器と共に、駐屯地の主要装備となる第2戦車連隊の90式戦車や10式戦車、第4特科大隊の99式自走155mmりゅう弾砲や82式指揮通信車、第3地対艦ミサイル連隊が運用する88式地対艦誘導弾の発射機などが並べられていました。
さらに珍しいところでは、多連装ロケットシステム(MLRS)がロケット弾ラックと共に置かれていたほか、92式地雷原処理車が、これまた魚雷のように長い92式地雷原処理用ロケット弾と共に展示されていました。
ちなみに、これら展示された車両のほぼすべてが、このあと市街地でパレードに参加しています。
その前に、駐屯地のグラウンドでは午前9時40分から観閲式です。執行者である駐屯地司令の鈴木 諭1等陸佐による巡閲や式辞、来賓者の挨拶などが、雲ひとつない好天の中でしめやかに行われました。
その後、記念行事のハイライトである市中観閲行進の時間を迎え、筆者も自衛隊が用意したバスで上富良野町役場の裏側、北24号道路前に設けられた来賓席に移動します。この公道を封鎖して行われる車両行進は、同駐屯地記念行事としては10年ぶりの実施だとか。参加車両は、トラックや装甲車などの装輪車が66両、戦車や自走砲などの装軌車(履帯式)が13両の合計79両という大規模なもので、創立70周年のイベントにふさわしい編成と言えます。
こうした市街地で行われる観閲行進は今では珍しくなりましたが、かつては各地で行われており、東京においても昭和40年代まで国立競技場前の公道を使って中央観閲式が行われていました。
戦車の排ガスを浴びながら見る行進
いよいよ午前11時10分過ぎから市中観閲行進が始まりました。鈴木駐屯地司令が観閲するなか、1/2tトラックや96式装輪装甲車が姿を見せます。その後も88式地対艦誘導弾の発射機搭載車などが続きますが、私の席の前はパレードこそ見やすいものの、背景には空き地が広がり、あまり市街地らしい雰囲気ではなかったので、席を離れて “陣地変換”。行進ルート上にある曲り角の前へと移動して、その他の装軌車両を待ち構えることにしました。
好天の中、創立70周年記念の観閲式において1/2tトラック(パジェロ)上から整列した各部隊員の巡閲を行う、第2戦車連隊長兼ねて駐屯地司令の鈴木 諭1等陸佐(吉川和篤撮影)。
ここは路面保護などの目的で土を盛ったコーナーを車両が次々と眼前で曲がっていく、まさに “砂かぶり席”と言える絶好のポジション。そして朝方、装備品展示会場で見学した多連装ロケットシステムの自走発射機M270や92式地雷原処理車、後ろ向きに進む様に見える75式ドーザ、小山のような99式自走155mmりゅう弾砲などが、絶対に他の自衛隊イベントでは目にすることがない間近な距離で通過していきます。
最後に第2戦車連隊に配備されている90式戦車や10式戦車が次々と姿を現すと、見学者からひときわ大きな歓声が起こりました。中には戦車搭乗員に向けた明らかに家族と思える声援まで聞こえ、沿道はアットホームな雰囲気に包まれてパレードは終了となりました。
初めて参加した上富良野駐屯地の創立記念行事と市中観閲行進ですが、自衛隊員と町民の結びつきが深く、非常に印象深いものでした。聞けば町の人口の約30%が隊員とその家族だそうで、自然な流れでしょうか。また10年後の創立80周年記念行事で同様な市中観閲行進が行われるなら、再び訪れたいと思うほど迫力あるパレードでした。
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