【ベストヒット23区】中島みゆき『世情』――日本中が釘付けになった昭和50年代のドラマ 足立区
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トンボを追いかけていたら埼玉県に入りそうな区
前回の池袋駅(豊島区)から、丸ノ内線で淡路町。そこから新御茶ノ水駅に進んで千代田線に乗って北千住駅へ。連載第4回にして、いよいよ下町ど真ん中へ。今回は「ベストヒット足立区」。

足立区と言えばビートたけしに尽きます。出身中学は梅島第一小学校で、足立区の中央で十字に交わる日光街道と環七通りの交差点 = 梅島陸橋に程近いあたり。駅で言えば、北千住駅から東武伊勢崎線で4駅先にある西新井駅に近いところに在ります。
さすが足立区のシンボルらしく、ビートたけしは足立区のウェブサイトにインタビューが掲載されています。文筆家の一面もある彼のこと、そのインタビューにおける足立区の形容もふるっています。
「一応足立区は東京都なんだけど、東京の北の端、トンボおっかけてたら埼玉に入っちゃうみたいな」(足立区ウェブサイト「~足立大好きインタビュー~ 芸人・映画監督 北野武さん」)
ただ、地名が入ったビートたけしの曲といえば、例えば『浅草キッド』(1986年)で、舞台が台東区の浅草だったり、同じアルバムに入っている『四谷三丁目』(同)が新宿区だったりと、分散してしまいます。
そこで北千住駅から東武伊勢崎線を逆方向に向かい、堀切駅へ。すると見慣れた風景が広がります。そうです。このあたりは、TBSの傑作ドラマ『3年B組金八先生』のロケ地な
のです。
堀切駅のすぐそばに流れているのが荒川で、その川べりが『3年B組金八先生』のオープニングで有名な、あの川べりです。また「桜中学」はじめ、ドラマに出てくる色々な場所も、このあたりで収録されたようです。
このドラマ、第8シリーズ(2007~2008年)まで放送されたのですが、印象深いものと言えば、やはり第1シリーズ(1979~1980年)と第2シリーズ(1980~1981年)です。詳細を説明せずとも、第1シリーズは「十五歳の母」、第2シリーズは「腐ったミカンの方程式」と言えば、50代以上の方は、すぐに合点がいくはずです。
作品に「メッセージ」が込められていた時代
音楽の話に戻せば、第1~2シリーズの『3年B組金八先生』は、音楽、それもニューミュージックの色がとても強い作品でした。例えば、第1シリーズ「十五歳の母」で流れたアリス『秋止符』(1979年)や、また沢村正治(田原俊彦)が悦子先生(名取裕子)に恋をする20話「卒業十日前の初恋」に流れたオフコース『さよなら』(1979年)あたりは忘れられません。
実は「金曜日の夜8時」の放送だったから「金八」先生だったのですが、当時大人気だった裏番組 = NTV『太陽にほえろ!』では、井上堯之バンドによる、かなりゴリゴリなロックが流れていたので、対して、こちらはニューミュージックで攻めるという戦略があったのかもしれません。
「TBSドラマ黄金時代」だった昭和50年代
今回の「ベストヒット足立区」は、「金八系」のニューミュージックから、海援隊による主題歌『贈る言葉』『人として』を超えて、決して忘れることが出来ない、中島みゆき『世情』(1978年)に決定します。

第2シリーズは「腐ったミカンの方程式」。桜中学の加藤優(直江喜一)が、「腐ったミカン」として自らを放り出した荒谷二中の放送室に立てこもり、当時の教師に謝罪させるも、踏み込んできた刑事たちに逮捕されるという衝撃のシーン、かつテレビドラマ史に残る傑作シーンで流れたあの「♪シュプレヒコールの波~」という曲です。
個人的なテレビドラマ・ベスト3は、『岸辺のアルバム』(1977年)、『ふぞろいの林檎たち』パート1(1983年)という山田太一脚本の2作と、この『3年B組金八先生』第2シリーズになります。驚くのは、すべてTBSのドラマだということ。昭和50年代は、まさに「TBSドラマ黄金時代」でした。
黄金時代を支えたものは、青臭く言えば「時代へのメッセージ」が込められていたことにあると思います。高度経済成長後の家庭の闇を描いた『岸辺のアルバム』、学歴社会にはじかれた若者たちの群像『ふぞろいの林檎たち』パート1。そして受験戦争の闇に対してストレートにメスを刺した『3年B組金八先生』第2シリーズ――。
エンターテインメント界の中心だった足立区
ビートたけし同様、金八先生を演じた武田鉄矢も、足立区のウェブサイトでインタビューを受けています。その中で「忘れられないシーン」として、荒川べりでの生徒への「説教」シーンを挙げています。少々長くなりますが、その「説教」を引用します。
「君たちの目の前に荒川が流れている。この荒川はやがては東京湾に注ぎ、その海の向こうには世界の国々がある。その国の中には、受験戦争じゃない、本当の戦争で苦しんでいる子どもたちがいる。戦争に翻弄されたベトナムの子どもたちがいる。貧困に苦しむアフリカの子どもたちがいる。その子たちは勉強もできない。君たちは社会に出るだろうが、そういう矛盾した社会を、君たちの手で変えていくんだ」(足立区ウェブサイト「~足立大好きインタビュー~ 俳優・金八先生 武田鉄矢さん」)
「♪シュプレヒコールの波~」という重い歌詞も、この長ったらしい説教も、時代へのメッセージとなっていたからこそ、忘れられない音楽、忘れられないドラマになったのです。
金八先生・武田鉄矢が説教を吐き、漫才ブームに乗ったビートたけしが毒を吐く――1980年。日本のエンターテインメント界の中心である東京の、そのまた中心は足立区でした。
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