万能戦闘機「トーネード」運用開始まで特徴だらけ!? 空自次期戦闘機でも採用「複数国共同開発」の先がけ
- 乗りものニュース |

空自次期戦闘機でも採用された、複数国による戦闘機共同開発のさきがけともいえる機体が「トーネード」です。この機の特徴的な部分について、今回は紹介していきます。
可変式の翼が特徴の「万能戦闘機」
東西冷戦中に西側陣営のマルチロール機として開発された戦闘攻撃機「トーネード」は、「烈風」の愛称の検討が報じられている空自次期戦闘機でも採用された、複数国による戦闘機共同開発のさきがけともいえる機体で、かつ「万能の戦闘機」と称されることもあり機体です。この機の特徴的な部分について、今回は紹介していきます。
ドイツ空軍の「トーネード IDS」(画像:ドイツ連邦軍)。
「トーネード」は、当初、MRCA(マルチロール・コンバット・エアクラフト)計画としてスタートしました。このMRCAに課せられた主任務は開戦と同時に敵地へ侵攻し航空基地などの戦略目標を破壊することです。それに加えて空対空戦闘、対艦攻撃、電子偵察などの要求もあり、最終的にはマルチロール機として開発が決定しています。
有事の際に飛行場は最優先に狙われる攻撃目標です。そのため「トーネード」は、自国の飛行場が敵の攻撃を受けても作戦継続を可能にするため、短い滑走路からの運用能力が重視されました。さらに、東西両陣営が防空レーダーを完備していたヨーロッパでは敵防空網を突破するために低空を高速で飛行する能力が不可欠です。そのため、「トーネード」では、飛行中に主翼を可動できる「VG翼」と呼ばれる可変翼が採用され、これがこの機の大きな特徴のひとつとなっています。
「VG翼」は離着陸時には翼を広げて低速での飛行性能を確保し、敵地に侵攻する際には翼を後退させて低空を高速で飛行する性能を獲得しています。さらに主翼前縁にスラット、後縁の全幅に高揚力装置を取り付けることで離着陸性能を向上させたほか、さらにエンジンにはアフターバーナー装備機としてはとても珍しい「逆噴射装置」が備えられました。こうした工夫の積み重ねにより「トーネード」は、離陸距離760m、着陸距離はなんと370mという高い短距離離着陸性能を実現しています。
MRCA計画への参加国は最終的にイギリス、ドイツ、イタリアの三か国になりました。「トーネード」の命名を受けたあとのMRCAは、三国共同で開発と製造が行われただけでなく、乗員の養成も三国共同で行われることになりました。そのために設立された組織が「三国共同トーネード訓練機関(TTTE)」です。
パイロット養成法もユニークだった「トーネード」
TTTEはイングランド中央部に位置するコテスモア空軍基地で1981年に発足しました。訓練にはシミュレーターと実機の両方を使用して行われ、訓練に使用される機体はドイツから23機、イギリスから19機、イタリアから6機が提供されています。訓練飛行隊としてイギリス飛行隊、ドイツ飛行隊、イタリア飛行隊の三つが編成され、それらを統括する司令官は三か国が持ち回りで士官を派遣するという形態が採られています。
TTTEではパイロットとレーダー要員の両方を養成するための基礎的な飛行訓練が行われ、他国機と編隊を組んで飛行することが日常的に行われていました。一方で、兵器を携行した訓練は自国に戻ってから行われていました。というのは、実戦部隊における「トーネード」のミッション内容は各国多少の違いがあったためです。
TTTEでの訓練飛行隊ピーク時には年間300人の「トーネード」要員を養成しましたが、冷戦終結後の組織改編にともない1999年にその活動を終えました。
この、「トーネード」で培われた経験は、後継機として欧州で共同開発されたユーロファイター「タイフーン」でも計画、設計、製造の各段階においてが多く活かされています。しかし、乗員の養成には「トーネード」のような共同訓練機関を設けることは行われず、各国が個別で行うことになりました。
この理由の一つが、近年急速に進歩したIT技術によるものです。各国に分散している乗員養成部隊が高速大容量のネットワークで結ばれているため、技術や経験が離れた場所でも簡単に共有できるとしています。
現在とは異なり、IT技術やネットワーク環境が利用できなかった80年代においては、「トーネード」で採用されたTTTEのような共同訓練機関は必然性のある訓練方式であったと筆者は考えています。
【動画】かっけえ!これが「トーネードの翼」圧巻の変貌シーンです
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