飲食店の「無断キャンセル」被害…前払い制じゃなきゃ泣き寝入り? 実は事前対策なしでも損害賠償を請求できるワケ
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飲食店が前払い制にせず無断キャンセルの被害に遭った際、賠償請求は困難?(画像はイメージ)
飲食店が予約を受け、料理を用意したにもかかわらず、当日に連絡もなく客が来店しなかったり、テイクアウトの料理を受け取りに来なかったりする「無断キャンセル」が問題になっています。
6月上旬には、新潟県内の弁当店が計200個の弁当の無断キャンセルの被害に遭ったと、メディアで報じられました。注文相手に電話をしても着信拒否されたとされており、SNS上では「ひどい」「このような迷惑行為をして何とも思わないのか?」という声のほか、「前払いで代金をもらうべき」といった声も上がっています。
飲食店が無断キャンセルによって被害を被った場合でも、必要な対策を講じていなければ賠償を請求できない可能性はあるのでしょうか。芝綜合法律事務所の牧野和夫弁護士に聞きました。
事前に対策をしていなくても損害賠償請求は可能
Q.「宴会用の料理を作ったが当日に客が来なかった」「弁当を大量に作ったが受け取りに来なかった」など、飲食店が無断キャンセルに遭うケースが以前から問題となっております。もし被害に遭った場合、加害者に賠償請求できるのでしょうか。それとも「前払い制にする」「キャンセル料を設ける」など、事前に対策を行っていなかったということで賠償請求が困難なのでしょうか。
牧野さん「飲食店は、注文者に対して、民法415条に基づき、弁当の売買契約に基づく債務不履行や、同法709条の不法行為による損害賠償請求が可能です。なぜなら飲食店は、注文者と料理やテイクアウト料理の売買契約を締結していますし、また、注文者は違法行為により飲食店に損害を与えているからです。
前払い制やキャンセル料の徴収など、事前に無断キャンセルの対策をしていたかどうかは関係ありません」
Q.もし被害に遭った裁判や請求をする場合、どのような「証拠」が必要になるのでしょうか。
牧野さん「飲食店が実際に被害に遭った場合、まずは廃棄せざるを得なかった弁当の原材料費、容器代、人件費などの被害額が証明できる明細や被害を証明できる着信履歴、可能であれば注文時の通信記録などを保管しておくべきです。
また、証明することができれば、本来得られるはずだった営業利益を『逸失利益』として請求できる可能性もあります」
Q.加害者が「着信拒否」や「偽名」を使って逃げている場合、身元の特定はできるのでしょうか。
牧野さん「電話番号しか分からない場合には、弁護士法23条の2に基づき、弁護士に依頼して弁護士会照会を利用し通信会社に登録者の開示を求めるなど、契約者の氏名・住所を特定する手続きが必要になります」
Q.民事上の賠償請求だけでなく、警察に被害届を出すのは現実的なのでしょうか。それとも、被害届を出すのはあまり現実的ではないのでしょうか。
牧野さん「無断キャンセルが悪質で、店側に多大な損害を与える目的(偽計)があったと認められる場合には、刑法233条の偽計業務妨害罪が成立する可能性があるため、速やかに最寄りの警察署(生活安全課など)に相談するのをおすすめします。偽計業務妨害罪の刑罰は3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金です」
Q.無断キャンセルの被害を防ぐために、飲食店ができる自衛対策はありますか。
牧野さん「再発防止のために大量注文の場合に前受金の導入や、クレジットカードなどで事前決済を行う店舗も増えています。こうした対策を取ることが無断キャンセルの被害を防ぐ上で有効だと考えます」
オトナンサー編集部
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