トランプ大統領「日本、ボーイング機100機買えよ」→日本の航空産業どう変わる? 予想されうる“展開”とは
- 乗りものニュース |

トランプ大統領が日本に対し、ボーイング製商用航空機100機を購入させる方針を打ち出しています。このことが今後日本の航空会社と航空機産業界にどのような影響が生じると思われるでしょうか。
これまでも行われてきた「ボーイングへの救済」
アメリカのホワイトハウスが現地時間2025年7月23日、日米間で4月以降の懸案だった追加関税交渉に合意しましたが、そこには日本のボーイング製商用航空機100機の購入も含まれていると国内外のメディアが報じています。これはトランプ政権による明らかなボーイング救済策ですが、今後日本の航空会社と航空機産業界にとって、それぞれどのような影響が生じると思われるでしょうか。
ボーイング「737MAX」(画像:ボーイング)。
経営再建に取り組むボーイングを“指名”した明らかな救済が含まれる、アメリカ側の追加関税問題の合意と似た事例は2025年5月もありました。トランプ大統領が中東諸国を訪問した際にカタール航空がボーイング機を最大210機購入すると発表。これも救済の一環と言えるでしょう。
トランプ政権下においては、2025年3月にも突然、米空軍の新戦闘機F-47の開発にボーイングを選定したと発表し世界を驚かせましたが、約3か月後のパリでの航空ショーで、米国人ジャーナリストが「救済策さ」とニヤリとしつつ、はっきりと筆者に語ったのを覚えています。
それだけ近年は単通路旅客機「737MAX」の連続事故などによる生産の停滞や品質低下を含めたボーイングの不振ぶりは、「偉大な米国復活」を掲げるトランプ大統領にとって大きな関心事であり、トップセールスに力を入れたのが「100機購入」といえます。
では、その100機の購入は日本にどう影響するのでしょうか。これは航空会社と航空機産業の2つの側面から見るべきでしょう。
実は国内産業にとっては朗報…?
国内大手のJAL(日本航空)とANA(全日空)に限って言えば、ANAは6月に787-9と737-8を仮発注も含めて最大45機発注しています。JALにしても、2024年7月にグループとして最大60機をボーイングへ発注しています。
ボーイングのライバルであるエアバスの「A321XLR」(画像:エアバス)。
今回の100機購入に関して、機種別やいつから納入されるといった詳細は明らかでなく購入契約もこれからですが、航空会社からの発注は一般に近い将来の路線計画や乗客予測数を図って行われるため、いきなりともいえる100機の購入を日本の航空会社が今後どう分け合うかとの課題が生じます。
また、ボーイングの好調とはいえない現在の経営状況を見れば、生産遅延による納入の遅れという“契約違反”も気になるところであり、さらにはエアバス機と比較しつつ価格交渉で生じる「値下げ」も望みにくくなります。航空各社は日本政府とともに頭を悩ませることになるでしょう。
一方、日本の航空機産業は、これまでボーイングへ大きな協力をしてきました。たとえば同社の複通路主力製品「787」は主要構造部材の約35%を、現在開発中の大型複通路機「777X」では約21%を日本の企業が分担して生産しているため、約100機は生産が「約束」されたともいえます。これは国内の航空機産業にとっては朗報といえます。とはいえ、これも手放しで喜んでよいか思案せざるを得ないでしょう。
今回の関税問題は当初、米国への輸入車に25%の追加関税を課すとし、日本の自動車産業界は大きく困惑し対米輸出依存からの脱却が課題として浮き彫りになりました。しかし、航空機産業界において今回の方針は、ボーイング以外のメーカーからの受注も増やすことで、万が一ボーイング機に固有の不具合が発生した場合に、別メーカーの機体を用いて航空ネットワークを維持できる「リスク分散」がしづらくなる可能性があります。
そして、これらは今後どう転ぶのか。カギを握るのはトランプ大統領よりもボーイングの企業努力となりそうです。
今後、ボーイングの経営再建が進み100機の納入も立てた計画通りに運べば、トランプ大統領は、ことボーイング機購入を含めたことで関税交渉の勝者となるでしょう。しかし、ボーイングの再興が遅々として進まなければ国内航空会社は“契約違反”を理由にボーイングや米国離れを意識せざるを得ず、むしろ今回の方針は失敗となるリスクもあります。
それだけに、ボーイングの経営再建の行方は今後も要チェックなのは間違いありません。
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